ニトラム NITRAM

昨日、名古屋で観た２本目の映画は、「ニトラム NITRAM」です。
この映画は、実際にあった事件をもとにしているので、観ることを決めました。
1996年4月28日、オーストラリア・タスマニア島の世界遺産にもなっている観光地ポートアーサー流刑場跡で
起こった無差別銃乱射事件を、「マクベス」「アサシン クリード」などで知られるオーストラリアの
俊英ジャスティン・カーゼル監督が映画化したものです。
海外での銃の乱射事件は結構あるので、覚えていないんですよね。


内容は、事件を引き起こした当時27歳だった犯人の青年が、なぜ銃を求め、いかに入手し、そして犯行に至ったのか
。事件当日までの日常と生活を描き出す。1990年代半ばのオーストラリア、タスマニア島。観光しか主な産業のない
閉鎖的なコミュニティで、母と父と暮らす青年。小さなころから周囲になじめず孤立し、同級生からは本名を逆さ
読みした「NITRAM（ニトラム）」という蔑称で呼ばれ、バカにされてきた。何ひとつうまくいかず、思い通りにならない
人生を送る彼は、サーフボードを買うために始めた芝刈りの訪問営業の仕事で、ヘレンという女性と出会い、恋に落ちる。
しかし、ヘレンとの関係は悲劇的な結末を迎えてしまう。そのことをきっかけに、彼の孤独感や怒りは増大し、
精神は大きく狂っていく。


まず青年は、知的障害であった。両親の彼への接し方、閉鎖的地域での彼と他の人との交流。あらゆるモノが事件に
繋がっているのかもしれない。小さい頃から、溜まってきた色々な感情が爆発してしまったのかもしれない。
もうちょっと両親の、彼への接し方がなんとかならなかったのか。特に抑圧的な母親。どうなんだろ？当時は知的障害者の
施設とかなかったのだろうか。専門施設に通っていれば、成長過程で違う性格になっていたのではとも思う。
それにしても、一番驚いたのが、あまりにも簡単に銃が買えてしまうことだ。免許も事前審査も何もないのだ。もっとも、
この事件をきっかけに銃規制が始まったが、この事件当時より現在のほうが銃保持数は増えているのだから何も変わってない
のではと思ってしまう。現在、現地での知的障害者への政策がどうなっているかはわからない。こういう事件があると逆に
色眼鏡で見てしまう人が増えてしまうのではないか、逆にそういうことが、またこういう事件を引き起こすきっかけになって
しまうので、教育や施策が必要になってくるのだが。


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