ともちの小さなGLOBE

人生は一期一会のLong and winding road。小さな地球儀をめぐる日々をブログにしました。

過剰品質…

2013-06-08 05:55:49 | 徒然なるままに
先日、海外研修した新人達がグループディスカッションをして出た答えの一つが…
「現地が求める品質に沿って、現状の品質を見直すことでコストダウンする。」
確かに聞えは良い。プレゼンテーションも良い評価だったと聞く。

しかし、自分に言わせれば0点以下
まだ入りたての新入社員がコレを言うこと。
品質は落とさず創意工夫でコストを下げる事を血眼でトライするのが、「いろは」の「い」。

昨今の経営者達は、経済誌で「現地品質に合わせることでコストダウン」の連呼。
これを、若い連中が聞いたら、創意工夫もせずに品質を落として値段を下げる事に走るのは自明の理だ。

そして、この後に続く言葉が、製品品質の低下を、営業(Sales)・サービス(Service)・部品(Spare Parts)である3Sが、一体となって補って行こうというスローガン。
これ、見方を変えれば、アフターサービスに信頼性低下の尻拭いをさせると言う事。
アフターサービスの出番は、ユーザーが困った時の救済。いかに迅速に対応しようともユーザーに不利益を与えていることに変わりは無い。結局、ユーザー視点と言いながら、メーカーのユーザーを無視した安易な妥協がそこにある。
少なくとも真の3S活動とは、市場を拡大し永続できるビジネスを構築していくための添え木に他ならない。この3本の添え木が作り出す強固なベクトルである3Sパワーはビジネスの基盤となるもので、決して低下させた品質を補う事を最終目的とするものではない。

いずれにせよ、この発表を肯定する上司も愚の骨頂。年寄りが若い芽を摘んでいることが分からないのか?
昔は営業との喧々諤々の議論の中で殺意を抱いたこともあったなぁ…
でも、絶対に出来ないとは言わなかったし、言えなかった。なんとなれば、出来る理由が一つでもあれば、それは出来るから。
営業から技術に対して、「現地品質に合わせることでコストダウン」なんて言えば、技術屋は腑抜けになること請け合いだ。営業自身が変な知恵をつけてしまったのも大きな問題か…
何で、アフリカの果てでも中古の日本車が沢山走っているのか??
それは信頼の品質がそこにあるから。 過剰品質って何なんだ??

物創りの失ってはならない理念が「そこ」にあるんだけどね。