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ホウチャクチゴユリ・1~交雑種

 イヌサフラン科(←ユリ科)チゴユリ属の「ホウチャクチゴユリ(宝鐸稚児百合)」。ホウチャクソウチゴユリの自然雑種で昭和59年(1984年)に菱山忠三郎氏により高尾山で初めて確認された。花はチゴユリに似てやや大きく花被片の基部に小突起があるのはホウチャクソウ似ている。チゴユリは通常は茎頂に花茎が1本伸びるが本種は2本あり花は平開しないことが多い。とは言うものの花がひとつで花被片の基部の小突起が目立つチゴユリもあるし、ホウチャクチゴユリと思われるものでも花がひとつのものもある。種間雑種では個体差があって中間的なものも多いと思われる。ホウチャクチゴユリは染色体分析で雑種であることが確認され学名の“Disporum×hishiyamanum”には菱山氏の名前が入っている。高尾山系では登山道で普通に見られる。
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ホウチャクソウ

 イヌサフラン科(←ユリ科)チゴユリ属の「ホウチャクソウ(宝鐸草)」。寺院の軒下に吊り下げる宝鐸に見立てて名付けられている。さてネット検索などで調べるとホウチャクソウには2倍体と3倍体が存在するという。そして2倍体のものは雌蕊の柱頭が長く花被片よりも飛び出して見えるようだ。私がこれまで見てきたホウチャクソウは柱頭が花被片に隠れているものばかりなので、その考え方によるとすべて3倍体だったということになる。3倍体なら果実は稔らないはずだが以前その果実を撮ったことがある。写真は終盤の花で片方の花被片は落ち、雌蕊の子房が膨らみ始めている。左側の花の柱頭は花被片の中に隠れている。さてこの果実が今後どうなるのか経過観察してみよう。これは下柚木の雑木林のもの。
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コミヤマスミレ・1~高尾山4号路

 高尾山では一番遅く咲く「コミヤマスミレ(小深山菫)」。スミレ科スミレ属の多年草で福島県~屋久島までの太平洋側に分布し山地のやや日陰の湿った場所を好む。花径は1~1.5センチで側弁の基部は有毛で萼片にも毛があり反り返る。葉は卵形で葉脈は赤みを帯びる。これは高尾山“4号路”のもの。
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ニョイスミレ・1~開花

 当地では一番最後に咲くスミレの「ニョイスミレ(如意菫)」。スミレ科スミレ属の多年草で、タチツボスミレなどに比べると小型で花径は1センチほど。花弁は白く唇弁に濃紫色の筋が入り側弁の基部には毛が密生している。葉の形が仏具の“如意”に似ていることから名付けられており、普通に庭(=坪)に生えるので「ツボスミレ(坪菫)」とも呼ばれる。
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