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番外編・5~『由木の植物目録2022』

 長池公園副園長のK氏が約20年に亘るライフワークとして由木地区(東京都八王子市東部)に生育する野生植物についてひとつひとつ名前を調べ上げその成果として『由木の植物目録2022』を完成させた。目録には由木で確認された全1,731種(品種を除く=例えばタチツボスミレ、オトメスミレ、シロバナタチツボスミレ、ミドリタチツボスミレは1種に纏められている)で、国内有数の植物相の豊かな高尾山周辺では約1,600種が確認されていることを思うと、由木地区も極めて豊かな植物相であることがわかる(但し目録には帰化植物や栽培品の逸出などの外来種が569種含まれている)。目録には、和名、学名、生育地域、産量(ごく稀、普通など)などが詳しく掲載されており、写真は珍しい植物が93枚のみ掲載されているが、当然1,731種の写真など膨大なバックデータが存在していておりすべての種に写真を載せたら大図鑑になる。氏は1987年生まれなので今年35歳。私の息子より若いが、私の植物観察の師匠でありその探求心の強さや知識の奥深さはただただ感服するばかりである。余談ながら目録のうち2~3種類は私からの情報提供で掲載されているものでわずかでも協力できたことは嬉しい限り。今後の励みにもなる。18年前に私がこのブログを始めたのは自分の住む南大沢の植物名を知るためであり、氏の研究活動と偶然にも重なっている。地域は由木地区を中心としているがそれ以外に高尾山や多摩川など自分の脚で移動できる範囲の植物も掲載しており更にタチツボスミレとオトメスミレは別にカウントしているのでこのブログの現時点の植物数は2,066種となっている。
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カスマグサ・2~3兄弟

 上柚木3丁目“学園二番街入口”バス停付近の道端で見つけた「カスマグサ(かすま草)」。マメ科ソラマメ属の越年草で花の幅はわずか5ミリほど。カラスノエンドウ(ヤハズノエンドウ)とスズメノエンドウとの間という意味の命名なのですぐ近くに咲いていた花に寄ってもらい3兄弟の揃い踏み。ご覧の通り中央のカスマグサはカラスノエンドウよりもはるかに小さくスズメノエンドウとほぼ同じ。カラスノエンドウは花径1.5センチほどでスズメノエンドウは3~4ミリ。
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ブナ・4~雌雄花

 高尾山“1号路”に生育している「ブナ(ぶな※)」。ブナ科ブナ属の落葉高木で標高の高い冷温帯に分布しているが、標高599メートルの高尾山では江戸時代の小氷期や富士山噴火による気象変化で発芽したものが70数株残っている。雌雄同株雌雄異花で3~4月に開花する。雄花序は新枝の葉腋から垂れ下がり10数個の雄花が纏まって咲く。雌花序は上部の葉腋から上向きに出て直径1センチほどの総苞の中にある。写真では3つの雌花序が見える。残念ながら高尾山のブナは結実しても今の気象状況では発芽することはないようだ。
 ※“ぶな”の漢字は木へんに無。
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イヌブナ・4~雌雄花

 ブナ科ブナ属の「イヌブナ(犬ぶな※)」。岩手県以南の山地に生育する落葉高木で花期は3~4月。雌雄同株で雄花序は新枝の葉腋から垂れ下がり、雌花序は上向きに付く。写真では下垂している雄花序がたくさん見えるが、ヒゲのような花柱がある雌花序が左右の上部に見える。
 ※“ぶな”の漢字は木へんに無。
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