現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

児童文学とスマホ

2017-12-07 16:46:26 | 考察
 通信機器が急速に発達している現代では、今までによく使われた設定が通用しなくなっています。
 例えば、公衆電話や駅の伝言板などは、作品の小道具としてよく使われていましたが、携帯電話が普及した現代を舞台にした場合にはもう使えなくなっています。
 例えば、2016年の小学六年生の携帯の普及率は60%以上です。
 しかも、その大半がスマホです。
 特に、児童文学の主要な読者である女子は、携帯の普及率が高くスマホの割合も高いです。
 そのため、前述の小道具が使えなくなるだけでなく、従来よく見られた特定の分野の知識に詳しい登場人物(例えば電車の乗継ぎや時刻表に詳しい鉄道博士など)の活躍も困難になっています。
 なにしろ、最短や最安の乗継ぎなどは、スマホのアプリを使えばたちどころに分かってしまうのですから。
 スマホの登場は、みんながひと昔前のスーパーコンピューターをポケットに入れているようなものだと言われています。
 そんな時代に、特定分野の知識を持っているだけでは、キャラクターの魅力としては描けないのです
 仮に主人公自身はスマホを持っていないとしても、周りの誰も持っていないというのは現在では不自然でしょう。
 また、読者はかなりの確率でスマホを持っているので、スマホのない現代世界はなかなか理解しにくいかもしれません。
 そして、スマホの普及率は年々急速にアップしているのです。
 今に小学一年生でも、全員がスマホを持つ時代が来るでしょう。
 一般に児童文学の書き手はアナログ派で、コンピューター/ディジタル/ネット・リタレシーが低い人が多いので、その面では現実の子どもたちに追随できてないことが多いと思われます。

還暦川柳 60歳からの川柳~スマホ買いかわいい孫を師と仰ぐ~
クリエーター情報なし
宝島社
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