これも、サリンジャーの戦争体験に基づいた作品の一つです。
出征当日の朝に、若い妻に自分のおばさん(少し精神か知的な面に異常があるようです)の面倒(週に一度は映画に連れて行ってやって欲しい)を見てくれるように頼み、おばさんにもそれを伝えます。
正直言って、頼りない二人(おばさんだけでなく妻も)なのですが、それゆえ、これから戦地に向かうにもかかわらず、二人の関係を心配して、同じことを繰り返し二人に言っている主人公の優しさが、さりげなく表現されている作品です。
サリンジャー選集(2) 若者たち〈短編集1〉 | |
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