日大豊山水泳部 活動日誌

インターハイでの総合優勝を目指して、日々練習に励んでいます。

休校中の過ごし方 その7 「公について考えよう」

2020-04-08 11:48:42 | トピックス

昨日、安倍総理から緊急事態宣言が発出されました。

生活面ではさらに不便なことが増えるかもしれませんが、今こそ「公」について考えるべきだと思います。

私は長らく「公民科」の教員として「公」と「私」のバランスについて考えてきました。

「公」とは私心をはねのけて取り去ることです。

「公心」とは正しい心、わたくしのない心という意味です。

それに対して「私」の「禾」は穀物を示しており、それを自分のものにすることです。

「わたくしする」というのは自分の利益だけを考えるということです。

「私心」とは自分一人の独りよがりな考え方という意味です。

今の私たちに必要なのは「私心」を去って「公徳」に従うことです。

「公徳」とは公衆道徳のことで、社会一般の利害のために守るべき道徳を指します。

日本が実施する緊急事態宣言は都市封鎖ではなく、強制的な外出制限や罰則規定もないためヨーロッパなどの措置に比べて緩やかなものだということです。

そこではなおさら国民一人一人が自分の行動を「公」にあわせて考える必要があります。

日本人の道徳心に期待した措置だとも言えます。

私は日本人は世界にも稀な「公徳心」を持つ国民であると信じています。

江戸時代から子供の教育に熱心であり、武士は上流階級に属するものとして「武士道」という道徳を身につけてきました。

新渡戸稲造の『武士道』は日本人の道徳を世界に知らしめた本として有名です。

明治に入ってからもそれは「修身」として家庭や学校で教えられてきたわけです。

私の所有している小学生全集の『修養絵本』には具体的な多くのお話が収められています。

「心の中の主はどうした」

「気持ちの持ちようでござる」

「順番通り治療を受ける」

戦前の小学生が読んでいた本を読むと大人の子供に対する温かい気持ちが伝わってきます。

加藤清正の秀吉に対する忠誠心の高さを描いています。

とても立派な文章と絵です。

今は不自由なことが多いかもしれませんが、特に首都圏に住む人々は同じ気持ちで過ごしています。

昔の人々の高い道徳心に学び、「私」にとらわれず「公」に対する気持ちを持ち続けたいと考えています。

竹村知洋

 

 

 

 

 

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日大豊山を知ろう その3 「日本法律学校」

2020-04-08 05:55:30 | トピックス

明治22(1889)年10月4日に設立された「日本法律学校」が日本大学の前身です。

そのため日本大学の創立記念日は10月4日となっています。

現在の日本大学法学部法律学科の起源はこの日本法律学校にあります。

設立の趣旨は、「外来の先進ヨーロッパ諸国の法学思想とわが国固有の思想との融合調和を目指し、日本独自の法律文化を確立するため」です。

日本の法律を専門的に学ぶ学校の必要性を認識したのが、初代司法大臣であった「山田顕義」でした。

当時は欧米の法律を学ぶことが主流であったのに対して、日本法律学校は日本の法律の研究を主眼としていました。

設立の要旨は次のようにまとめられています。

一、国法は日本固有の国体・民情・慣習・ 文化を根底として作られるべきであり,この際日本古来の慣習制度をみ直す 

二、憲法はじめ法律が多数制定されつつある現在,これを国民に熟知徹底させるために日本法律を講義する 

三、日本法律として成立した法律を検討し,古来の精神・慣習・制度の面から必要な改正の議をたてる 

四、同時に海外の法理もまた大いに研究し,わが国法学に資し,もって日本法学を振起して国運の増進をはかる

これをまとめると、日本法律学校では「日本学」を教授していたわけです。

このことから現在の「日本大学の目的及び使命」の冒頭に「日本大学は日本精神に基づき」という言葉が入っているわけです。

山田顕義の考え方に賛同し、日本法律学校の初代校長として就任したのが「金子堅太郎」です。

金子堅太郎は日本大学の歴代学長として最初に記載されており、市ヶ谷の本部にも胸像が飾られています。

金子はアメリカのハーバード大学で法律を学び、内閣総理大臣の秘書官として伊藤博文のもとで井上毅、伊藤巳代治らとともに大日本国憲法(明治憲法)や皇室典範の起草にあたった人物です。

明治憲法は日本の国体に基づいて、日本古来の精神が込められた憲法として誕生しました。

しかし後年、戦時下に入るにつれて明治憲法が制定された由来が忘れられ、本来の憲法の解釈を大きく捻じ曲げるような風潮が現れました。

金子が晩年、このような世の中の風潮を嘆いて著したのが『憲法制定と欧米人の評論』です。

「然るに此の名誉と誇りを損なうような憲法の解釈を弄するもののあることは、甚だ遺憾に堪えない」

「此の光輝ある憲法、此の世界無比の憲法が、少しも其の尊厳を毀損することなく、益々その光彩を現今は勿論、千万年の後に至るまで後世に発揮せんことを、われわれ日本臣民の義務として相共に粉骨砕身して力を尽くしたいと思う」

しかしそのような金子の思いもむなしく、明治憲法に対する誤った解釈が改められることはありませんでした。

戦争に敗北し、明治憲法が日本国憲法に改正されてからその風潮はますます強まったようです。

現在でも公民科の「政治・経済」の授業では日本国憲法と比較されて明治憲法が戦争の原因であるかのように教科書や資料集に記載されており、まるで悪者扱いです。

戦前日本の悪はすべて明治憲法にあるかのように扱われており、本来の解釈が大きく捻じ曲げられています。

幸いにも私はそれに気づくことができましたので、少しでも金子の思いを授業で伝えていきたいと考えています。

その後日本法律学校は総合大学への昇格を目指し、明治36(1903)年に日本大学に改称しました。

奇しくもこの年は旧制豊山中学が設立されたのと同年です。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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スポーツトレーニング理論と実践 その3 「筋力トレーニングの必要性」

2020-04-08 04:48:29 | トピックス

身体を動かすエンジンが大きければ、パワーもエネルギー容量も増やすことができます。

エンジンを大きさは、筋肉量に比例します。

そのため筋力トレーニングによって筋肉量を増やす必要があります。

筋肉量を増やすというのはどういうことかというと、筋肉を太くすることです。

筋力は、筋肉の横断面積つまり太さに比例します。

筋肉は太ければ太いほど発揮できる力も大きくなります。

筋肉を鍛えると筋繊維の1本1本が太くなります。

これを「筋肥大」といい、それが最も活発に起こる時期は20歳ぐらいまででテストステロンなどの男性ホルモンの分泌が関係しています。

つまり、男らしさが筋肉量に影響しますので、女性よりも男性の方が筋肉が発達しているわけです。

それでは何歳ぐらいからどのような筋力トレーニングを始めればよいでしょうか。

小学生時代は神経系が発達しますので身体全体での動きづくりをします。

フォームを重視し、水泳に限らず色々な競技に取り組ませるのがよいでしょう。

中学生時代は持久力が発達しますので、腕立てや腹筋などの軽い負荷で徐々に回数を増やすのが適しています。

最大筋力を高めるトレーニングを取り入れるのは、骨の成長が完成する時期から始めるのが適切です。

つまり高校時代から筋肉を太くするような筋力トレーニングを行うのがベストです。

高校時代は男性ホルモンの分泌が活発になり、男らしさが増す時期だと言えます。

それではどのような筋力トレーニングが筋肉を太くするでしょうか。

それは「ウェイトトレーニング」です。

道具を使って高い負荷をかけられるウェイトトレーニングは、筋肉を太くするトレーニングとして最も適しています。

よく誤解されることで多いのが、ウェイトトレーニングをすると背が伸びないのではないか、というものです。

ウェイトトレーニングは筋肉を鍛えているだけではなく、実は骨も鍛えています。

身体に負荷をかけることで骨の成長も促しますので、むしろウェイトトレーニングには身長を伸ばす働きがあります。

私たちが少年時代には、疲労が増すから練習中には水を飲むな、というような暴論ともいうべき迷信がありましたがそれに似ています。

競技種目によって必要な強度や量は異なりますが、スポーツ選手はウェイトトレーニングで筋肉を太くすることの重要性を強く認識すべきだと思います。

竹村知洋

 

 

 

 

 

 

 

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