日大豊山水泳部 活動日誌

インターハイでの総合優勝を目指して、日々練習に励んでいます。

スポーツトレーニング理論と実践 その20 「メンタルトレーニング①」

2020-04-25 07:39:31 | トピックス

心・技・体のうち、最もコントロールや鍛練が難しいのが心の部分です。

しかしメンタル面もトレーニングをすることや考え方を変えることで、技術や身体の力をより有効に生かすことができるはずです。

人間が限界を感じる時、その限界とは肉体的な限界ではなく、心理的な限界です。

肉体的な限界はまだはるか先にあります。

人が限界だと感じていても、平均して最大筋力の77%しか発揮していないようです。

つまり人はどんなに頑張っていてもせいぜい4分の3程度しか力を発揮しておらず、気持ちの面でセーブしているということになります。

日頃の練習の成果を試合でなかなか発揮できないという人も多いはずです。

可能な限り自分の力を引き出し、大会で結果を残すためのメンタルトレーニングや集中の仕方を考えてみたいと思います。

まずは「目標設定」です。

最終的な自分の目標を明確に持つことは非常に重要です。

長期的目標(年単位)→中期的目標(月単位)→短期的目標(週単位)で設定するのがよいでしょう。

ではどれくらいの目標を設定すればよいかというと、自分の達成したい目標を100%とすると、110%ぐらいで設定するのがよいということです。

つまり少し高めの目標設定です。

あまり高すぎると現実味がありませんし、低すぎると簡単に達成してしまいます。

また目標はできるだけ記録や順位、ライバルなど具体的なほうがよいです。

例えば記録でいうと、100m自由型で50秒を切りたいという場合、49秒9を目標とするより、49秒5くらいを目標にした方がよいのではないでしょうか。

しかもそれを達成するために具体的に練習記録を設定したり、ウェイトトレーニングの重量や回数を設定したりということが必要になります。

自分の高い目標と向き合って取り組むというのはきついことですが、それができるかどうかが勝負の分かれ目になります。

目標設定が大切なことは選手はもちろんのこと、コーチにもあてはまることです。

私の経験からいうと、たいていの場合、コーチの方が目標を高く持っていて選手は控えめな場合が多いです。

しかしまれにコーチの方が選手の力を低く考えていて、コーチが考えているよりも選手が力を発揮することがあります。

私もこれまで選手の本当の力を見抜くことができず、目標設定を誤っていたことがあります。

私が強く印象に残っているのは、北島康介選手を育てた平井コーチの目標設定です。

北島選手が中学3年生の全国中学で優勝した時に、将来は世界記録を出す選手に育てたいと言っていました。

なかなか中学生の段階でそこまでの長期的な目標を設定するというのは難しいものですが、その後の北島選手の活躍を見て、やはりコーチはそれぐらいの大きな目標を持つべきであると感じたものです。

また、今まで育てた選手の中にも「この選手がまさかここまでとは…」と感じることもたびたびありました。

コーチの目標設定が低ければ、選手がそれを超えることは難しくなってしまいます。

その選手をどこまでの選手に育てたいかという具体的な目標を設定することは、コーチの役割としてとても重要なことです。

目標設定が大切なことは学習など他の分野も同様で、教員を含めて指導者全体にあてはまることです。

今、スポーツ界のみならずすべての事柄で先が見えない状況で目標設定が難しくなっています。

このような状況の中で何を考え、どう取り組めばよいかという問題はもっとたくさんの知恵を絞る必要がありそうです。

竹村知洋

 

 

 

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日大豊山を知ろう その20 「教育の特色③」

2020-04-25 07:36:56 | トピックス

日大豊山は「男子校」です。

文部科学省の調査によると男子のみの学校は全国の学校のうち、わずか2.2%です。

今や男子校はとても貴重な存在となっています。

中学校から入学した生徒は6年間、高校から入学した人は3年間その貴重な時間を過ごすことになります。

日本では男女別学は経営上の問題から年々減少する傾向にありますが、アメリカやイギリス、韓国では男女別学の学校が増えています。

その理由は共学よりも男女別学の方が教育をするうえで、より効果的だということがわかってきたからです。

詳しい内容は『なぜ男女別学は子どもを伸ばすのか』が参考になります。

この本によると男子校のメリットは次の通りです。

①男子の特性に応じた教育が受けられる

②異性の目を気にしないでのびのびと学習に集中できる

③一生付き合える友人に出会える

男女は成長のペースが異なり、男子は女子に比べてゆっくりと成長します。

中学校から高校という思春期は特に男女の差が大きい時期です。

男女では考え方も異なります。

例えば男子は競争が好きですが、女子は共感する能力に優れています。

授業や指導の方法などもそれぞれの特性を考え、男子にはお互いを競わせ、女子にはみんなで取り組ませるようなやり方をした方が伸びやすいわけです。

詳しくは本を読んでいただきたいと思いますが、男子校日大豊山の特色は校訓「強く正しくおおらかに」によく表れています。

この校訓こそ男子教育そのもので、男子校には多くの魅力があります。

松井靖校長は常日頃から、男子力の育成を通して「男子力日本一」を目指す教育をすることを強調しています。

松井校長は4月23日からHPで「男子力養成講座」をアップしていますので、是非ご覧ください(https://www.buzan.hs.nihon-u.ac.jp/blog/?p=24137)。

日大豊山は日大の付属校として最も長い歴史を持つ高校です。

日大豊山の歴史については、高校1年生に配信される「学年だより第3号」にまとめました(4月30日配信予定)。

これから日大豊山の歴史を担う新入生の皆さんが来校される日を楽しみに待っています。

今、中学や高校の進路選択を考えている人には『男子校という選択』、『新男子校という選択』という本もありますので是非参考にしてみて下さい。

このシリーズの最後に私たちの先輩からの言葉を紹介したいと思います。

明治45年の校友会雑誌にある松山正司氏の「人生の銘」という韻文です。

㈠「世の波風は荒くとも 巡る小径に花あるも 急がず休まずたゆまずに これぞ汝の心とし よしや彼岸は遠くとも 山谷川を隔つとも」

㈡「水に浮かべる笹のごと 浪のまにまにゆらるるな 静かに思ひよく計り

己が力を頼みとし 急ぎために年を経て すぎし過悔いなせよ」

「男子力」を磨きたいという人は是非、日大豊山高校へ!

竹村知洋

 

 

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