いくら筋肉や心肺機能を鍛えてもフォームが悪いとその能力を十分に発揮することはできません。
体力とともに「よいフォーム」を身につけることは大変重要です。
では「よいフォーム」とは何でしょうか。
私が考える「よいフォーム」とは、強い力が発揮できるフォームのことです。
強い力が発揮できるフォームとは、大きな筋肉を使えるフォームのことです。
大きな筋肉は腰背部や胸・腹筋などの体幹の筋肉です。
「優先して鍛える部位」でもお伝えしたように体幹を優先して鍛える理由はここにあります。
体幹の中でも、特に「腰」に力を入れることが大切だと考えています。
水泳でもいわゆるへっぴり腰では強い力は出せません。
腰に力を入れるだけではなく、腰で生み出した力を末端である手先や足先に伝えることがとても重要です。
最も末端の手先や足先とは、「小指」です。
まとめると「腰」にしっかり力を入れ、背中を伝って「小指」に伝えることです。
なぜ小指かというと、物をしっかりとつかむときに一番大きな力を発揮するのが小指だからです。
一見すると親指は大きな力を出せそうですが、親指や人差し指は細かい作業をするための指であって強い力は出せません。
「腰」と「小指」を意識することの重要性は、水泳に限らずどんなスポーツにも共通していることだと考えていますがどうでしょうか。
ある時、かつて大相撲の大関だった人と話をしたときに「張り手」は小指が大事であって、親指を使っているようではだめだという話を聞いて共感したものです。
この動きは強い力を出すときに人間が本来持っている自然な動きだと考えています。
人間は地上生活をするようにできていますから、イルカやクジラなどの水中で生活する動物の動きは参考になります。
そのため私は泳ぎづくりをするときは、ドルフィンキックから始めます。
具体的なフォームづくりは次回お伝えします。
竹村知洋