FT-301Sのその後は、何とか送受信ができるようになったので
ゴミからは解放された。あとは基本調整を行って本来の性能に
どれだけ近づけることができるかという段階まで辿り着いた。
まずは受信が80m、40m、20mしかできなかった原因だが
そもそもが10W機なので、当時の電話級を対象としていること
から160mと10mのA,C,Dはクリスタルがオプションだったため
未実装だった。(でもなぜか20mは実装されている)
15mはクリスタルがダメで発振していなかった。
そして10mAのところには11mが実装されていて、ちゃんと
発振もしている。
ガリの酷いボリューム類とロータリースイッチ類はプロパノール
で洗浄して、ほぼ満足ができる状態になった。
そして部品取りとなったFT-301Dから15mのクリスタルを移動し
15mも受信できるようになった。
ついでに160mや10mの各バンドも移動させたが、160mは発振
しなかったので、結局は80mから10mまでと11mが使える状態
となった。
感度は別としてとりあえず受信は可能となった。
そして送信の方は、AMだと少しだけパワーがでるが、SSBと
CWは全く出てこない。
まずはリレーの接点不良を疑って清掃してみたが、症状は
変わらなかった。もっともAMは若干だがパワーがでるので
リレーは関係ない。
ブロック図と回路図を見ながら、順に追ってゆくとIFユニッ
トにあるCWキャリア発振の信号が出てこないことが解った。
発振には2SK19が使われている。
当然ながら足は銀マイグレーションを起こしていて真っ黒だ。
これを交換すれば発振するようになるかと思いきや、そうは
行かなかった。
試しに、部品取り301Dのユニットをそのまま差し替えると
送信ができた。
そのままユニットごと使うのが手っ取り早いが、何か釈然
としないので、ユニットを戻した。
こうなると次は発振クリスタルを交換してみるのが正当な
手順とばかりに、基板からクリスタルを外して差し替える
とCWの送信が可能となった。
ついでにAMユニットも移植した。
結構元気が良くて、各バンドとも10~15Wも出てくる。
一応、送受信が可能となったので一段落だ。
一段落したところで、細かなところを手直しすることにした。
まずは、なぜか配線がぶち切られているメーターランプの
修復。
同じものはないので、自動車用のメーターランプと球の大きさが
同じくらいだったので、流用した。
そしてなぜか、マイク端子の配線が変更されていた。
トリオやアイコムのマイクを使用していたのかと思いきや、
なんとナショナルの配線になっていた。
これをヤエスに戻した。
外部電源のパイロットランプが点いたり消えたりしていたので
手持ちの部品と交換した。
このパイロットランプは学生の頃に、何かに使おうとして買った
のだが、そのまま使うことなく残っていたものだ。
40年以上も部品棚の中で眠っていたものだ。
今後のトラブル予防として、銀マイグレーションを起こしている
トランジスタやFETはすべて交換し、基板のハンダもすべて盛り
なおしたいところだが、手間を考えると躊躇してしまう。
【余談】
フロントパネルを外したところで気づいたのだが、
ダイヤルの目盛板に「FT-620B」の印字があった。
FT-620Bと共用部品だったみたいだw
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