LA CAFFETTERIA DI RETROSCENA舞台裏カフェ

テノール芹澤佳通の日常系ブログ (・∀・)

天皇陛下御即位記念 オペラ「白狐」全3幕

2019年10月25日 | クラシック音楽

オペラ「白狐」全3幕・日本語版
【翻訳・台本・作曲・指揮】平井秀明

 

 

このところ、北海道に行っていない時は来月に迫ったこちらのオペラの稽古に励んでおります( ・∀・)

 

で、

 

早速ですが気になった方もいると思います。

 

『日本語版』

 

という表記。

 

原作は岡倉覚三となっておりますので、書いたのは日本人です・・・・皆さん、この人物ご存知ですか?

 

知らない?

 

では岡倉天心は?

 

と書くと、気がつく方もいらっしゃるかと思います。

 

岡倉覚三とは、岡倉天心の本名であり、岡倉天心といえば「茶の本」の著者です!

 

「茶の本 The book of tea(原文英語)

日本の茶道を欧米に紹介する目的で、1906年(明治39年)、米国ボストン美術館で中国・日本美術部長を務めていた天心が、ニューヨークの出版社から刊行した。茶道を仏教(禅)、道教、華道との関わりから広く捉え、日本人の美意識や文化を解説している。

 

そう、この岡倉覚三氏は、明治の時代に英語で本を出版したほど英語が堪能な人物だったのです!

 

この「白狐」という作品が誕生した経緯ですが、ウィキペディアには以下のような情報がありました↓

『1913年(大正2年)、ボストンに歌劇場ができることを聞き、葛の葉を題材としたオペラ「白狐」を書き、アメリカでの支援者のひとりであるイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館のガードナー夫人に贈る。その作曲は親交のあったチャールズ・マーティン・レフラーに委ねられたが、作曲の筆が遅く、結局完成されなかった。』


ここで「葛の葉」という新しいキーワードが出てきましたね。

 

そうなんです、この「白狐」は、人形浄瑠璃や歌舞伎で有名な「蘆屋道満大内鑑」(通称:葛の葉)をオペラ化したものなのです!

 

そもそも「葛の葉」とは1000年を生きる伝説の狐とのこと。民間伝承から成り立ったお話ということで、調べていくと話のバリエーションが様々あります。

 

ということで、ここでは岡倉覚三のオペラ台本「白狐」に則した解説をしていきます(`・ω・´)ゞ

 

登場人物

    コルハ・・・・白狐
    保名・・・・・阿倍野の国守 ※読み方(やすな)
    葛の葉・・・・保名の許婚
    悪右衛門・・・葛の葉を恋する魔道の武士 ※読み方(あっけいもん)
   

  合唱

  葛の葉の従者(女声合唱)
    狐の乙女たち・コルハの従者(女声合唱)
    悪右衛門に仕える狩人、兵たち(男声合唱)
    巡礼者たち・・・葛の葉の家臣(混声合唱)
   

  コルハと保名の稚児(後の安倍晴明)

 

概要

【第一幕】
コルハ(白狐)が持つ宝玉の力によって、悪右衛門は保名を恋い慕う葛の葉を、我が物にしようと企んでいる。悪右衛門は配下の狩人らと共に、保名の領地である阿倍野の荒野にコルハを追い込む。そして狐に傷を負わせ宝玉を奪い、とどめを刺そうとしたとき保名が現れ、葛の葉の誕生日という恵みの日を冒涜する振舞いを禁じ、悪右衛門を追い払い、コルハに宝玉を取り戻してやる。
葛の葉の誕生日の祝宴のさなか、保名の城は炎に包まれ、悪右衛門とその大軍が突如乱入する。悪右衛門は保名に傷を負わせて圧倒し、葛の葉を自分の城へと連れ去る。
保名の手の中には葛の葉の袖だけが残る。

 

【第二幕】
森の中で、狐の乙女らが月光の下で踊りながら、女王コルハの目醒めを待っている。コルハは月に懇願し、葛の葉へ変身するための助力を仰ぐ。恩人保名を救う手立てがあるとすればそれだけであった。保名は今、悲嘆と負傷から気を狂わせ、未だに葛の葉の引き裂かれた袖をその手に掴んだまま彷徨している。森の中で葛の葉に変身したコルハを見た保名は、葛の葉を見つけたと信じ込み、導かれるまま深山の隠れ家へと赴く。一方その頃、悪右衛門とその従者達が森を徘徊し薬草を集めている。彼等はそれをもとに愛の媚薬をつくり、一向に心を開かない葛の葉に飲ませるつもりである。コルハは葛の葉の姿のまま森に戻り、狐の乙女らと一緒に彼らに身を任す振りを装う。悪右衛門とその従者たちは、色香と酒とで歓待を尽くされ、魅惑的な女たちを追いかけていく。だが、彼女たちの導く先は断崖であり、彼らはそこから湖水に転落してしまう。

 

【第三幕】
コルハ(葛の葉)は隠れ家で稚児に歌をうたってやっている。巡礼の一団が現れ、施しを乞うてくる。その悲哀の歌が琴線に触れたコルハは施しを与え、巡礼の事情を尋ねる。そして、彼らが葛の葉の家臣であり、今はお堂へ向かう途中だということを知る。そこは三十三番目の最後のお堂であり、彼らはそこで保名の帰還を神に祈っていた。観音の慈悲の望みも絶たれ、葛の葉は尼になる覚悟でお堂で待っていると。 彼らが行ってしまった後に保名が現れる。コルハは複雑な気持ちで保名と顔を合わせるが、保名はそれを理解できない。コルハは袖を引き裂き、これをお守りだと言ってお堂にいる少女へ渡して欲しい、と保名に頼む。コルハの物々しい言葉に驚いて、保名は気の進まぬながら、その慈悲深い思いを伝えるべく出掛けて行く。稚児へお祈りをしながら、コルハは宝玉をその子に与え、書き置きを残す準備を整える。 法力が剥がれ落ち、狐の姿を取り戻しはじめたコルハの手は狐の前脚に戻ってしまい、筆を口に咥えてようやく書き物をしたためる。狐の姿に戻ったコルハは、窓を跳び越え森の中へ入っていく。不可思議な恩人と過ごした隠れ家に葛の葉と共に戻って来ると、書き置きを見つける。保名は彼女がかつて助けてやった妖狐だと思い至り、ひざまずき祈る。一方、葛の葉は子供を腕に抱きかかえ、愛を求める泣き声に応える。

 

・・・

 

以上が、各幕の概要となります!

 

このオリジナル英語テキストを平井秀明さんが翻訳・台本・作曲・指揮と超人的な偉業を成し遂げ、物凄く美しい音楽に彩られております(´;ω;`)ブワッ

 

僕は平井秀明さんと共演するのはおろか、お会いするのも今回が初めてだったのですが、なんと平井さん・・・・

 

あの大作曲家、平井康三郎氏のお孫さんだとか・・・・

 

ウィキペディアにご一家のことが様々載っていますが、それを読んでると「遺伝ってホントにあるんだ~」ってアホみたいな顔になってしまいました(笑)

 

サラブレッドが過ぎるw

 

平井さんをサラブレッドとすると、音楽とは無縁の家庭で育った僕は差し詰め(笑)

 

こんな二人が出会ってしまえるのも音楽の素晴らしいところです( ・∀・)

 

 

演出の森山さんは、2017年の相模原シティオペラ「椿姫」で初めてお仕事させていただき、演劇界での手法を取り入れた役作り、人物像の構築方法はその後ずっと僕の中で生きていました。

 

今回が2年ぶりのお仕事となりますが、改めてその手腕に驚かされます。

 

先入観を捨て、物事を冷静に見る力。

 

それを教えてくださった方です( ・∀・)

 

 

 

稽古風景なども撮影出来れば、今後ご紹介したいと思います(`・ω・´)ゞ


 

天皇陛下御即位記念
オペラ「白狐」全3幕 日本語版

【翻訳・台本・作曲・指揮】
平井秀明

【演出】
森山太

【管弦楽】
白狐スペシャルオーケストラ

【キャスト】
國光ともこ:コルハ/葛の葉
芹澤佳通:保名
豊嶋祐壹:悪右衛門
佐藤友美:乙女/狐の妖精/巡礼の女
武藤正晃:狩人/巡礼の男

【会場】
妙高市文化ホール大ホール

2019年11月17日(日)
開場13時30分 開演14時00分

チケット(全席自由)
2000円(一般)
1000円(高校生以下)

 

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芸術鑑賞会@栃木

2019年10月22日 | クラシック音楽

10月21日。

 

この日は朝5時59分の電車に乗ることからスタート(((((((((((っ・ω・)っ ブーン

 

甚大な被害をもたらした先の台風の影響で、まだ全線復旧に時間がかかる上に各種特急も止まるんだか止まらないんだかあるんだかないんだかよくわからない状況の中、栃木県にある農業高校の芸術鑑賞会に馳せ参じました。

 

ホールへ向かう道中で目に入ってくるのは台風被害(河川の氾濫)の爪痕

街の様子は悲惨なれど、一定の落ち着きは取り戻している様子

 

そんな中で開催された1200人収容可能な栃木文化会館大ホールでの高校生のための芸術鑑賞会は、いつもとは違った意味合いを感じざるを得ない演奏会。


各地での台風被害の報道を受け、失礼にあたらないタイミングを見計らいつつ、学校とホールの両側に連絡を取り、実施するかキャンセルになるか、実施となった場合どうやって会場まで向かうのか、各路線の状況を事前に何度もみどりの窓口まで確認してくれた、主催者でもある後輩。


その小さな体一身で重責を背負おうとする姿はとても勇敢であり、小さな背中はとても大きく頼もしかった。

(↑FBで投稿した際、「小さい小さい言い過ぎです」ってお叱りをうけましたw)

 

芸術鑑賞会のプログラムはとてもユニークなものであり、高校生たちは静かに・・・・しずか~に聴いていた・・・・・・・・・(お察しの通りw)

 

終演後

 

タイトル「キレイに90度」

 

「クラシック音楽が何かに役立つか?」

 

これは別に高校生から直接問われたものでは無いのだが、会場に向かう道中で災害の爪痕を見ていたときに、ふと頭に浮かんだ問。

 

 

役立つか役立たないか・・・僕はこう思う。

 


「大抵の場合、役に立たん。」

 

そもそも役に立つことを念頭に誕生したものでは無い。


では「有益なものか無益なものか?」

 

答えは人それぞれ。


今日の演奏を聴いて『クラシック音楽は退屈だ』と思ったなら、『クラシック音楽=退屈である』という本人にとっては有益な情報を得ることが出来たと言える。

もし10年後、20年後、『そーいや~高校の時クラシックの演奏会をホールで聴いたな。取引先の担当者、趣味でサックス吹いてるっていうし、ちょっと話のネタに使うか』と、今日の経験を活かす機会が訪れた時、この経験はさらに有意義なものへと変化する。

 

答えはすぐ出るものではないし、不変的なものではない。

 

その人の、その時々に応じて変化していくものだと思う。

 

あの日出会った高校生達が今後どの様な道を歩んでいくか知る由もないが、今日彼等が出会った大人達が少しでも彼等の心に何かを残せたのならば、「クラシック音楽が役に立った」と言えるのではないだろうか( ・∀・)

 

思考を常に柔軟に、選択肢は多く持っている方が良い。

 

さて、皆さんの頭の柔軟さを図るにうってつけのものが栃木駅構内にありました( ・∀・)


問1.とある部分がスケスケに見える裸婦坐像。さて、どこが透けているのか?

(注意:ケガレタ大人には見えない)




【答え】

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平和を愛する男

2019年10月17日 | クラシック音楽

ここのところ週末はこちらにお邪魔しています↓

 

 

最初「カツゲン」って聞いたときは『活源?効きそうな栄養ドリンクだな!』と思いましたが、まさかこんな平和の使者のような飲み物だったとは・・・・

 

北海道には今月まで稽古の為に月に2度の頻度(各2泊3日)で滞在しております(`・ω・´)ゞ

 

 

会場となる帯広市民文化ホールは帯広駅から徒歩2~3分程の好立地にあります。(雪が降っても安心!ただ電車の本数は1時間に2~3本程度!)

 

ホール内にもポスターが掲示してあります!

 

先日は結団式なるものがホールで催され、その際、2幕フィナーレの合唱をソリスト・合唱団で歌った時の写真が地元新聞に掲載されておりました( ・∀・)


模範的日本国民の式典等に臨む姿ですね( ・∀・)

 

流石に何度も訪れるているのに本場の豚丼(空港で食べたけどw)を食べないのはもったいない気がし、結団式後の空き時間に食してきました(ΦωΦ)フフフ…

 

 

ふはははは

 

帯広市内は既に紅葉が始まっており、公園では色の変化が季節の移り変わりを表してくれていました( ・∀・)

 

秋って感じですね~

 

紅葉の色合いを見ると、ついつい「秋の新作」に手が伸びてしまうんですよね~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このアイマスクをクラスJの座席で着用すれば気分は勝ち組(ΦωΦ)

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サンタは台風に乗って

2019年10月09日 | クラシック音楽

また台風が来てますね~

 

前回の台風のとき、うちの目の前の通りは川になっており

 

 

 

「ちょっと用水路の様子を見てくる!」

 

 

 

なんて外に出たら二度と戻って来れないほどの風雨でした(笑)

 

 

今回の台風はボジョレーよろしく今年最強との呼び声高い19号”ハギビス

 

 

 

呼称に濁点が2つあるとボス感でるよね・・・(笑)

 

 

本日は明日に控えたオペラサロントナカイ公演「ラ・ボエーム」ハイライトの最終稽古がありました。

 

第二幕より「ムゼッタのワルツ~フィナーレ」

 

 

 

稽古前にベトナム料理のお店で昼食を取る( ・∀・)

 

 

昼食を取りながら今回のキャストに関して話していると、なんと僕が最年長・・・・

 

 

 

マジかよ・・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

 

「冷静と情熱のあいだ」が通じないミミとマルチェッロ

 

 

聞けばその当時小学生とのこと・・・・・

 

 

 

 

令和生まれと共演することもそう遠くない未来、ということか・・・・

コメント (2)
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