LA CAFFETTERIA DI RETROSCENA舞台裏カフェ

テノール芹澤佳通の日常系ブログ (・∀・)

逆転劇

2021年04月24日 | クラシック音楽
僕の東京・春・音楽祭《マクベス》は「今の状態では演奏会に乗せられるレベルではない。だからといって今すぐ君を見捨てることはしない。演奏会まで数日ある。続けてみよう。」というマエストロからの言葉で始まりました。
 
その言葉通り、マエストロ・ムーティはアカデミーが終わると、個人的に3回もレッスン時間を設けてくださり、その指導は厳格で、一音、一言たりとも粗末に扱うことは許さなかった。
歌手に求めるレベルは高く、技術の細部、限界まで要求された。
 
そんな最中、4月13日に扁桃炎を発病。事務局との相談の結果、とりあえず翌日のアカデミーには出席する方向で話はすすみ、事務局からもマエストロに状況を伝えてもらった上で参加。アカデミー開始の時マエストロから「今日は私が代わりに歌うから、歌わなくていい。」と仰って頂きホッとしていると、休憩中に「今日予定されている個人稽古で演奏会出演への可否が決まるようです」と告げられる。
 
「これは終わったな」と思い、二期会側には「もうどうなっても気にしません。マエストロの意向に従います。」と伝え、その日のアカデミーが終わるのを待った。
 
アカデミー終了後に舞台袖でマエストロにお会いすると「調子はどうだ?抗生物質は飲んでるのか?そうか、では今日はもう帰って寝なさい。」と言われ、
 
(あれ?今日決めるんじゃないの?)
 
とモヤモヤしながら帰宅。
 
なにも知らされないまま翌日のアカデミーへ。
 
4幕冒頭の合唱が終わるとマエストロが一度止め、「歌えるか?」と。
 
僕が「歌えます。」と応えると「確かか?(Sicuro?)」と。
 
この時4月15日、翌々日の17日にはGPが予定されている。選択肢は一つしか無く「Sicuro!」と応えると指揮は先に進んだ。
 
 
アリアを歌い終わるとマエストロは「Hai studiato!(ちゃんと勉強してきたな!)」と言って褒めてくださった。
 
マエストロは非常に愛情深い人である。
 
それ以降、特に演奏会出演どうこうという話は聞かなくなり、無事初日(19日)を迎えるに至った。
 
初日のカーテンコール時には肩を指揮棒で突かれ、20日のアカデミー修了式では握手しながら「明日もあるからな!しっかりやれよ!(Domani! mi raccomando! )」と話し掛けてくれながら頭をポンポンポーンとはたいてくださったりと、最後までかわいがって下さいました笑
 
全てが奇跡の様な時間でした。
 

アカデミー公演&修了記念式典(20日ミューザ川崎にて)

 

21日(東京文化会館)終了後

 

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ニア・エイプリルフール

2021年04月02日 | クラシック音楽

本当は昨日(4月1日)ブログで発表しても良かったのですが・・・

 

内容が内容なだけに

 

「はいはい、ウソ乙」

「エイプリルフールだからって必死過ぎwww」

「バレバレなウソはやめましょうよ」

 

 

なんて言われかねなかったので、敢えて一日遅らせました

 

 

なにかと言うと・・・・・・・

 

こちら↓

 

もともとこのシリーズには、アカデミー生の為の公演(詳しくはこちらの過去記事→Re:洗っても洗っても)への出演予定だけだったのですが、来日が出来なくなったイタリア人テノール、フランチェスコ・メーリ氏の替わりに、急遽出演することが決まりました(;・∀・)

 

公演詳細は東京・春・音楽祭のHPにてご確認頂けます!
東京・春・音楽祭リッカルド・ムーティ指揮《マクベス》

 

指揮は巨匠ムーティです・・・・

 

イタリアオペラのと言って良いのではないでしょうか・・・

 

特にヴェルディ作品におけるムーティの存在感は次元が違います・・・

 

そんな巨匠の指揮で初役を歌ってしまって良いのでしょうか・・・・

 

最初に代役の話を頂いた時は、状況が状況なだけに全キャスト総入れ替え(オール日本人キャスト)になるのかな?と思っていたんですが、蓋を開けてみたら僕だけが繰り上げ当選。。。

 

こんなことってあるんだな・・・

 

 

このことを、とある指揮者に伝えたら

 

「小澤征爾とリッカルド・ムーティの両方と共演した日本人テノールって、他に居ないんちゃう?」

 

 

自分の知らぬ間に自分自身が未知の領域に突入しようとしているようです(;・∀・)

 

 

乗るしか無い、このビッグウェーブに!

 

ということで改まして、4月19日と21日、東京文化会館大ホールにてリッカルド・ムーティ指揮《マクベス》(演奏会形式/字幕付き)にマグタフ役で出演いたします(`・ω・´)ゞ

マエストロ・ムーティの指揮で歌えると言うとは、オペラ歌手にとって名誉以外のなにものでもありません!

 

心と体と気持ちと暗譜の準備は全く間に合ってませんが(いつものこと

 

漢芹澤、やりきってみせましょう!

 


 

【宣伝】
5/6 Laboratorio141-4431

こちらの演奏会もよろしくお願い致します!

詳しくは→Re:Laboratorio141

チケットのお申込みはこちらまで→専用申し込みフォーム

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