11月17日に妙高市文化ホール(新潟県妙高市)にて、オペラ「白狐」が満員のお客様を向かえ、多くの方々のご尽力のお陰で無事終演致しました!
当初はチケットの売れ行きが芳しくないようでしたが、本番2日前から当日にかけて300枚ほどの駆け込み需要?があったようで、当日券も出ない(売り切れて)状況に!(゜o゜;
本当に驚きました・・・
この作品が如何に地元の方々に愛されているかが伝わって来ます・・・
色々な思いはあるのですが、言葉にするのは難しく、言葉にすれば薄れてしまいそうな気がして上手く表現出来ません(;´Д`)
なので、今回の記事は写真を多用し、当日の会場に来ることが出来なかった方々にこの作品の素晴らしい世界観をおすそ分けしたいと思います( ・∀・)
なお、使用している写真は本番のものではなく、HP(ハウプトプローベ:衣装は着用するが、化粧はしないで行う通し稽古)と、GP(ゲネラルプローベ:本番同様の衣装、メイクで行う最終通し稽古)のものです。
まず舞台
なんと全幕通して常設されているセットはこの円柱のみ!
この円柱が「白狐の結界」、「葛の葉のお屋敷」、「森の中の狐の住処」、「コルハと保名の隠れ家」の全てを表します!
【第一幕】
白狐(コルハ)を追い詰めた悪右衛門は、コルハの持つ宝玉を奪い取る。
一度は悪右衛門に奪われた宝玉を取り返したコルハ(白狐)に、
「善行を積み、より高き化身を求めよ」と語る保名
コルハを森に残し、葛の葉が待つ屋敷へ戻る保名。
この日は葛の葉の誕生日であった。
そんな祝の場に突如攻め入って来る悪右衛門と家来達。
舞台袖からの貴重なショット!
女中達が次々と切られていき、保名は悪右衛門に斬りかかろうとする。
しかし保名は悪右衛門の手下に行く手を阻まれ、鍔迫り合いをしている背後から悪右衛門に切られてしまう。最後の力を振り絞り葛の葉の手を取ろうとするが、掴んだのは着物の袖であった・・・
【第二幕】
狐の妖精たちが女王コルハの登場を待ち望んでいる。
先の戦いで背中に傷を追った保名は、その痛みと熱にうなされながらも葛の葉を探し、朦朧とする意識の中で森の中の泉にたどり着く。なんとそこには葛の葉の姿に変身したコルハが居た。
泉に映る葛の葉の姿を「消えよ、偽りの化身よ」と、その水面を弾いてみるも、やがて後ろから聞こえてくる声に、葛の葉の存在を認める。
かつて保名に宝玉と命を助けられたコルハは、瀕死の傷を追った保名を助けたい一心で葛の葉に変身し、傷を癒やすための隠れ家に連れて行く。
一方、保名から奪った葛の葉が一向に心を開かないため、惚れ薬を作るための薬草を探しにやってきた悪右衛門たちを、葛の葉に変身したコルハと、人間に化けた狐の妖精たちが酒宴に招待する。
兵士たちが酔っ払ったところで狐の妖精達は兵士たちを噛み殺し、悪右衛門を取り囲む。そしてその爪で悪右衛門を引き裂き、コルハの復讐が成し遂げられる。
【第三幕】
3年の時が流れ、保名と葛の葉(コルハ)は1人の子供をもうける。
ある日、巡礼の行列が隠れ家の前を通る。話を聞くとそれは保名を探し続ける葛の葉の家来達であった。「このまま保名様が見つからなければ、姫は明日出家をし、尼になる」と伝えられ、コルハは自らの行いに葛藤し、保名との別れを決意する。
葛の葉(コルハ)の様子がいつもとは違うことに気がつく保名だか、その真意まではわからなかった・・・
意を決した葛の葉(コルハ)が自分の袖を引き裂き、「巡礼者の中に、失われた許嫁に思いを寄せる美しいおなごが・・・その者にこの袖をお渡しください」と保名に託す。そして「慈悲深い声はかつて私に命じた。仏の慈悲を信じて、善行を積み、より高き化身を求めよ」と続け、袖を受け取った保名は何かに気付き始める・・・
葛の葉(コルハ)に言われるがまま、巡礼者たちの向かったお堂へたどり着いた保名は、そこで葛の葉と再会を果たす。そして葛の葉と共に、3年間過ごした隠れ家に戻ってきた保名は、コルハの姿が無いことに気がつく。しかし家の中には「あなたの胸にコルハは、私の心を残します。」という書き置きと、宝玉を抱いた赤ん坊をだけが残されていた。
【完】
過去一番写真が多い記事となりましたが、いかがでしょうか?
ここには音楽がありませんが、それでもこの作品の世界観は伝わったかと思います。
そして、写真をご覧いただければわかる通り、衣装、照明が素晴らしかったです!
第三幕で、壁に掛けられて居たのは、こちら↓
ホールに隣接する障害者施設にて織られた「さをり」という織物です。
第三幕の写真をどうぞ見返して見てください。
まるでこの日のために織られたのかと思わんばかりの美しさを舞台に与えてくれました!
自分で言うものもなんですが、今回の舞台は本当に素晴らしいものでした。
このオペラ公演に関わった全ての人が「チーム白狐」の一員であり、この度の大成功は誰一人欠けてもなし得なかったことだと思います。
稽古開始から本番まで2ヶ月なかったのはいささかスリリングでしたが、それも今となっては良い思い出です(笑)