在中国日本国大使館
http://www.cn.emb-japan.go.jp/consular_j/birdflu090427_j.htm
から
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メキシコ及び米国におけるインフルエンザ様疾患の発生について(NO.2)
2009年4月27日
在中国日本国大使館
本件について、主に昨日から本日にかけての最新情報を当館でまとめたのでお知らせします。感染は各地に広がっていますが、現時点ではメキシコを除いて死者はでておらず、ウィルスの毒性等の特徴ははっきりわかっていません。皆様には、今後も様々な情報に注意しつつ、冷静に対応いただくようお願いします。
1.感染状況
(1)メキシコ:全土で1,324人感染、81人死亡(疑い含む。うち感染が確認されたのは20人。4/26 メキシコ政府公表)。なお、これとは別に死者103人に達したとの情報もあります。
(当館注:死亡者がでているのはメキシコのみ。)
(2)米国で20人の感染確認 (ニューヨーク市8人、カリフォルニア州7人、カンザス州2人、オハイオ州1人、テキサス州2人)。症状はいずれも穏やか。また米保健当局は「緊急事態」を宣言し、感染が疑われる場合の強制的検査を可能としたほか、備蓄放出を発表。
(3)カナダでメキシコからの帰国者(6名)について、WHOが豚インフルエンザの感染者であることが確認されたとの報道。いずれも症状は軽い。
(4)その他、以下の国で「疑い例」が報告されています。
(イ) ニュージーランドでメキシコから帰国した25人が感染した疑いがあるとの報道。
(ロ) フランスでメキシコから帰国した6人が感染した疑いがあったが、うち2人は疑いが晴れ、4人(北部3人及びパリ市1人)については、検査中(フランス保健省保健監視機関公表)。
(ハ)スペインでメキシコから帰国した3人が感染した疑いがあり、ビルバオ(北部)、バレンシア(東部)、アルマンサ(南東部アルバセテ検査中(スペイン保健・社会政策省)
(ニ)イスラエルでメキシコから帰国した1人が感染の疑いがあるとの報道。
2.WHOの対応
(1)昨日の大使館からの情報NO.1でお知らせしたとおり、フェーズ3から変更ありません。
(2)WHO(本部:ジュネーブ)は、近日中に、再度、各国の専門家による緊急会合を開催し、フェーズの引き上げを含めて現状について議論を行うとの報道があります。
3.日本国内の措置
27日午前、豚インフルエンザ対策に関する関係閣僚会合が開催され、以下の対処方針が決定されました。
当面の政府対処方針
平成21年4月27日
豚インフルエンザ対策に関する関係閣僚会合
今回の豚インフルエンザのメキシコ及び米国における発生については、WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に該当する」との認識を示しており、我が国としても警戒を強化すべき事態であることから、政府としては、当面、次の措置を講ずる。他方、国内での発生は確認されていないことも踏まえ、国民各位に対しては、警戒を行いつつ、冷静な対応を行うようお願いする。
一.国際的な連携を密にし、メキシコ等における状況、WHOや諸外国の状況、ウイルスの特徴等に関する情報収集に最大限の努力を払い、国民に迅速かつ的確な情報提供を行う。
二.在外邦人に対し支援を行うこと及びウイルスの国内侵入をできる限り防止することを目的として、以下の水際対策を実施する。
(一)メキシコ等の在外邦人に対する情報提供を含む支援の強化
(二)検疫・入国審査の強化、空港における広報活動の強化
(三)メキシコ等から入国した感染者や感染したおそれのある者に対する適切な医療等の措置
三.ワクチンの製造について早急に検討する。
四.国内における患者の発生に備え、以下の対策を実施する。
(一)保健・医療分野を始めとする全ての関係者に対する的確な情報提供
(二)発熱相談センターと発熱外来の設置の準備
(三)国内サーベランスの強化
(四)電気・ガス・水道、食料品・生活必需品等の事業者に対する供給体制の確認や注意喚起
4.中国政府の措置
(1) 渡航情報
26日、中国外交部は自国民に対し、メキシコに対する渡航情報を発出しています。当館で仮訳した内容は以下のとおりです。
(当館仮訳)
メキシコの一部地域に豚インフルエンザが発生 中国国民は予防に努めてください
2009年4月26日
最近、メキシコの一部地域において豚インフルエンザが発生して、既に多くの人が感染し、また死亡した人もいるということです。疫病の発生は、メキシコシティ、メキシコ州、サン・ルイス・ポトシ州に集中していますが、隣国に蔓延する危険性もあります。在メキシコ中国大使館では、関連情報の収集に努めておりますが、現在のところ、中国国民が感染したという報告はありません。
外交部領事司及び在メキシコ中国大使館は、メキシコに滞在または近々メキシコに渡航する中国国民に対し、今後の疫病の推移に十分に関心を払い、予防措置を講じて、手洗いを励行すること、マスクを着用すること、生きている豚には接触しないこと、できるだけ人が集まる場所を避けること、インフルエンザに似た症状が見られた場合には直ぐに診察を受けることについて注意喚起します。
(2) 検疫措置
中国国家質量監督検験検疫総局は、25日付でヒト感染豚インフルエンザ流行地域からの入国者の検疫強化及び出入国者の注意喚起等を内容とする公告(2009年第30号)を公表しています。内容は以下のとおりですので、メキシコ及び米国等への渡航を予定している方はご注意ください。
(イ) 人感染豚インフルエンザ流行地域からきた者で、インフルエンザの症状がある場合、入国時、自ら出入境検疫機関に口頭で申告を行うこと。
(ロ) 過去2週間に、流行地域に行ったことのある者で、入国後、インフルエンザの症状が出た場合、ただちに現地の出入境検疫機関に連絡を取ること。
(ハ) 流行地域へ行く者は、出入境検疫機関等を通じて、当該地域の疫病状況を調べ、旅行中或いは旅行後、インフルエンザ関連の症状が出た人は、ただちに医者にかかり、入国時、検験検疫機関に申告を行うこと。
(ニ) 出入境検疫機関は、流行地域からの入国者に対する体温検査、医学巡回検査などを強化し、自ら申告した人或いは現場でインフルエンザの症状が発見された人に対し、詳細な検査を行い、感染者或いは感染の疑いがある人に対しては、医学観察、隔離、指定病院での診療等の措置を取る。
(ホ) ヒト感染豚インフルエンザは、豚インフルエンザウィルスによる一種の呼吸器官の伝染病であり、人が豚インフルエンザウィルスに感染した後、インフルエンザに類似した症状が出る。ウィルスへの感染早期にタミフルを使用すると有効である。予防措置としては主に、インフルエンザ症状を持つ患者との接触を避ける、個人の衛生状態の維持などがある。入国後、豚インフルエンザの感染を疑う場合で医者にかかる時はマスクをして、医者に旅行暦を報告すること。
5.在留邦人の皆様へのお願い
(1) 現時点では、WHOは、フェーズを引き上げるとの判断をしていません(フェーズ3のまま)。今後、引き続き情報を収集し、冷静に事態の推移及び関連の情報に注意することが必要です。在留邦人の皆様におかれは、大使館HP、メールマガジンや関連報道のチェックをお願いします。
(2)また、交通機関が発達した現在ではいつ感染が拡大するか予測がつきませんので、各自が意識を高めて状況の変化に対応できるよう以下の準備をお願いいたします。
(イ) 今後の事態の変化によっては、人混みにでる場合にはマスクの着用なども考慮する。
(ロ) 手洗い、うがいを励行する。
(ハ) 食料、水、医薬品などの備蓄品の確認。
当館では、引き続き状況を注視して情報収集に努め、今後、関連情報を迅速に提供していく所存です。
(参考ホームページ)
○外務省安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
○厚生労働省緊急情報:http://www.mhlw.go.jp
○首相官邸「海外における豚インフルエンザの発生に関する政府の対応状況」
http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/flu/swineflu/index.html