神田の“炭焼・肴 又佐”です。
ここ、ずーっと来てみたかったんです。
それはサバが食べたいから。
あ、大島弓子さんのサバではありませんからね。
ぼくが言ってるのは、鯖。
九州長浜市場直送、朝獲りの鯖。それがここ“又佐”では食べられるんです。
本日念願が叶いました。
お通しは煮物でした。
お酒のラインナップを見てみると、九州の肴を出す店のわりに、他の地方の酒の揃いもいいみたい。
では、手始めに、太田センセイが『太田和彦の日本百名居酒屋』#43の“くさ笛”でたのんだ酒を注文することにしました。
ちょっと暖かい日だったので、春鶯囀(しゅんのうてん)を冷でいってみました。(太田センセイは言わなくてもわかりますね。無論、燗です)
では、この春鶯囀(山梨の地酒だよん)の名の由来をご紹介。
蔵元を訪れた歌人の与謝野晶子が「法隆寺など行く如し甲斐の御酒春鶯囀のかもさるる蔵」と歌を詠んだ事が名の由来です。
陶器のグラスになみなみと注いでいただきました。もちろん皿に零して皿までなみなみと。
とても飲みやすい酒だけど、これは燗をしたほうがよかったかな。
そしてやってきました、
本日のお目当て、サバの三点盛り。
左から生サバ、中央ゴマサバ、右〆サバです。
では『食楽』のバックナンバーから紹介しましょう。
*2009NO. 46
鯖や鯵、光物に目がなくても、鮮度が如実に出るものだから確かな店じゃないと怖くて手が出せない。でもご安心を、福岡は長浜市場から仕入れるこの店なら、朝泳いでいた魚が空を飛び、夜には口に入るという算段だ。
「福岡は近海に漁場がたくさんあり出荷もクイック。特に鯖はいいですよ、西の鯖は青というより黒々していて太く、金色がかっている」と平賀店長。サバ三点盛りに必ず登場する生サバは、まだ生きてる!?と錯覚するほどの皮のコリコリ感、もちっとした身のやわらかさも独特だ。「獲ったその場で血抜きをし、死後硬直しないよう氷を詰めないで送ってもらうから食感がいいでしょ」――(続きは買って読んでね)
食楽 2009年 03月号 [雑誌](2009/02/06)不明商品詳細を見る |
こちら↑に載ってる三点盛りの写真には、炙りサバがありました。
生サバはひと口食べて、そのうまさに目がとろんとしてしましました。
恍惚ゥ……。
今回の鯖は韓国の済洲島沖で獲れたものらしいです。
いや~、まいりました。これは只者ではない鯖君です。
けれど、本日いちばんびっくりしたのは、
これ。
チョーコー醤油。
九州は長崎の醤油なんだけど、びっくりしました。
醤油なのに甘いんです。
刺身にどうなのかなぁ……って思ったけど、驚くほどこれが合う。
目から背びれが零れ落ちました。
それをいうならウロコでしょ。
燗酒を飲みたくなったので、またもや山梨の酒で「太冠」を注文。
これも“くさ笛”にありました。(太田センセイも読み上げてました)
南アルプスの水で造ってあるんだって。
そしていっしょに注文したのが、
自家製イカわた醤油漬(早い者勝ち)。
これも醤油がちがうからなのかなぁ、かつてない味わい。
はっきり言って極旨です。
あまりに旨すぎて立ちくらみがしました。
座っていて立ちくらみするバカはいない。
九州地方の煮込みがあったのに、ぼくは煮込み探検隊の名誉隊長であることをすっかり忘れ、ひたすら九州の魚を堪能してしまいました。
“又佐”はチョーお薦めです。
さ~て、本日の脳内ジャズは、
duolougue
から「KANASHA」をどうぞ。
【くりす的全国名酒場紀行/又佐】←詳細
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