そんなバカな!と思い、現役高校三年生の長男に「ノアの箱舟知ってる?」と訊ねたら知っていてほっとしたのもつかの間、
「マリー・セレスト号事件は?」
「知らない」
「
えっ?!じゃ、アショカ王の柱は?ロゼッタストーンは?」
「知らない」
「
ええええ!だからあれほど、お母さん愛蔵の*『世界の謎と不思議』を読めと言ってきたのに!」
「・・・でも、倫理の授業で、国連のマークになんで葉っぱを加えたハトが使われているのか説明できたのは、(長男)一人だけだったよ。ノアの箱舟の話しからきてるんでしょ?」
「おおう」
「(長男と次男)は、お母さんのせいで他の人よりは、その手の話しを知ってると思う」
「
・・・そうですか、お役に立ててよかったです・・・」
*『世界の謎と不思議』→ほんとは、『世界最後の謎 失われた文明を求めて』(リーダーズダイジェスト)という名前の、1978年発行の重くくて分厚い本です。私が小学生の時に、親に無理言って買って貰った思い出の一冊。当時から、この手の話しが大好きでした(笑)
それはともかく、読んだ作品がきっかけになって、”これって何の事だろう?”と興味を持って、ネットや本を調べたり読んだりして、知識が増えていくのは、脳みそが吸い取り紙みたいな十代の子には、必要だと思う。なので、その子たちを対象とした作品を書く作家さんが、そんなに悩む必要は無いんじゃないかな?もしその時は、意味が分からなくとも、後になって、あぁ、あの話はこれを知っていたら、こんな風に読めたんだ!このセリフにはこんな意味があったんだとか気づくのって、すごい読書の快感だと私は思う。
いい大人だって、京極夏彦さんの『京極堂』シリーズを読んで、初めて知った妖怪もいるだろうし、”魑魅魍魎”とかが読めるようになった人は、いっぱい居ると思うもの。
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くまニュース:ラノベ作家の榊一郎がノアの箱舟を知らない中高生に悩むより引用
『スクラップド・プリンセス』や『神曲奏界ポリフォニカ』の榊一郎先生が、読者の知識量に悩んでいるようです。
>前に知り合いの作家さん(同じくラノベ学科で教鞭とってる)が「今の子はマリー・セレストも知らないんですよ!」と憤慨していて、そりゃま、知らないだろう、とも思ったけれど、後日、「ノアの箱舟」も殆どの生徒が知らないと分かって愕然とした事がある。」
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