>http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120706-00000001-gendaibiz-pol
以下に重要な点を一部抜粋する。
◎第一の点
なにより事故の原因である。これまで東電や政府は「事故が地震ではなく、その後の津波によって引き起こされた」と強調してきた。ところが、国会事故調報告は地震によって全交流電源喪失が引き起こされた可能性を強く示唆している。
◎第二の点
東電はこの問題について「手順書で原子炉圧力容器への影響緩和の観点から原子炉冷却材温度変化率が毎時55℃/hを超えないよう調整することとしている」(東電の事故調査報告書)と説明してきた。温度変化が激しかったのでマニュアルに沿って止めた、というのだ。政府事故調も東電の言い分をそのまま受け入れてきた。
ところが国会事故調の運転員へのヒアリングによると、まったく違う。原子炉の炉圧が下がっているのはICが原因かどうか、ほかにも漏洩がないかどうかを確認するために停止した、というのである。
◎第三の点
さらに1号機の主蒸気逃がし弁(SR弁)が地震によって作動しなかった可能性も指摘した。それが小規模の配管損傷を招き、全交流電源喪失も重なって炉心損傷につながったかもしれない。
拙ブログでの推測は、あながち大外れではなかったんじゃないですか。
◎第一の点について
11年3月12日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/05dfa2e4bdec954ee6aa41d60affc62e
2010年6月17日の事故を指摘したわけである。
この事故原因は、作業員が振動を与えて警報が作動し、電源が失われたはずだ。
東電の説明>http://www.tepco.co.jp/cc/press/10070602-j.html
(以下に一部引用)
(推定原因)
・記録計の交換作業の作業場所が狭隘であったため、作業員が送電線の系統安定化装置の補助リレーに接触した等、何らかの衝撃が補助リレーに加わり、瞬間的に誤動作した可能性が考えられました。
・このためプラントの常用系電源の所内側しゃ断器A、B系が同時に動作し「切」状態になりましたが、外部電源へ切り替わらなかったためプラント内の電力供給が停止し、発電機界磁しゃ断器が動作して「切」状態になったことから、発電機およびタービンが自動停止し、原子炉が自動停止したと推定いたしました。
(対策)
・系統安定化装置は、同装置の設置以降、系統設備の増強により、系統の安定性が向上したこと等の理由により使用していないため、同装置の電気回路を撤去いたします。
・2号機の再起動までに、今回の補助リレーのようにケースに収納されておらず、リレー単体で制御盤内に設置されているものを調査・抽出し、制御盤内での作業時に接触または衝撃を与える可能性があるものに対して、注意喚起の表示をいたします。
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これは、どういうことか?
地震のような衝撃が加わって、補助リレー等に誤作動を生じ、D/Gからの給電がうまく行われず、電源を早期に喪失していた可能性があるのではないか、ということである。つまり、10年6月17日の事故と似たような理由で給電が途絶えてしまっていた(電源喪失)のではないか、ということだ。
これは推測に過ぎないので、電源喪失は他に原因があるのかもしれないが、津波だ、という説明は当初から信じ難いものだった。何度も指摘したが、無視され続けたわけだが。
◎第二の点について
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/3ecfb64c88554a0258aa06000ad5692b
(再掲)
「電源喪失長時間継続時操作」というものがある。基本的にICを止める操作というのはマニュアルには書かれていない。また停止条件とは、「原子炉圧力が1.04MPa以下」だ。
7.13MPaで自動起動したICが、原子炉圧で約7分の1に低下するまでは、止めない、ということである。この基本が全く守られていない。
まだウソがある。ICを止めたのは、原子炉損傷を防ぐため、と会見などで出鱈目を言っていたが、ウソである。ICの冷却能力がそんなにあるわけがない。
シリーズの参考記事にも書いたが、冷却材(つまりは水である)の温度低下が、55℃/hrを超えない降下にせよ、ということである。これは、基本的にSRV(主蒸気逃がし安全弁)操作の基準である。前記SRVとICで減圧せよ、ということは、ICは運転したままで、SRVを間欠操作して、原子炉圧力を下げるということなのである。SRV開弁は数回に分けて、短い時間で行い、55℃基準を超えない程度でやれ、というのが、マニュアルである。
そして、SRV減圧の場合、
『S/P(圧力抑制プール)水温を監視、CCS系のS/P冷却モードにより熱容量制限曲線を超えないように操作』
と書かれていた。
つまり、どの時点でもICは動いたまま、ということだ。間欠操作を行うべきは、SRV開弁であり、その際のS/P(S/C)冷却モード(東電説明では、多分トーラス冷却モードということなのであろう)の動・不動などだろう。原子炉損傷を防ぐ、という意味は、熱容量制限曲線を超えないように、ということだろう。
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/eb8ccb431388676cf2ba18cd2df09ce7
(再掲)
東電が当初原子炉の損傷を防ぐ為、と記者会見で説明していたのは、ただの誤魔化しである。「55℃/hrの温度低下を超えない」という条件で動作をさせるのは、「SRVの開閉」操作である。
弁のON、OFFを行うべきは、ICではなく、SRVである。
大体、300℃近い温度の原子炉及び容器が、たった8分やそこらで55℃も温度低下が起こると思うか?
◎第三の点について
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/cc3adee362ad2c312ddc499248ac5ee6
(再掲)
④SRVの動作情報がないのは何故か
2号機や3号機にはあるが、1号機には見かけなかったように思う。通常、MSIV全閉となった後、原子炉圧力が上昇してくるわけだが、これの動作記録が見かけないのである。動作設定がICでは7.13MPaだが、SRVでは7.23MPaだからだ、という東電側説明もあるようなのだが、どうも腑に落ちないわけである。ICを止めると原子炉圧力が上昇してくるわけで、その時SRVが動作しない方が疑問なのだ。実際、2号機と3号機ではSRVの自動調節が機能しており、原子炉圧は一定のレンジに保たれていたわけである。それなのに、1号機においては、どういうわけか手動でICにより調節しろ、SRVは使わないぞ、という設定になっていたということでしょうか?
1号機では、ICを手動停止、HPCIも動いてない、SRVも動作してない、ということになると、何もしてないのに原子炉圧力や温度が変動したり、完全閉鎖空間内で高熱量が発生し続けているにも関わらず、不思議な調節機能が働いていたのでしょうか。それとも、SRVだけは自動調節が働いていたと?「給水するものがない」のに、SRVだけ自動開閉していたと?そうであるなら、S/Pは水温上昇となるであろうし、原子炉内水位は低下してゆくだろう。新たな給水がないと燃料棒露出は避けられないはずでは。
それと、15時過ぎの圧力急減がIC以外にも理由があったということはないのでしょうか?
例えばSRVを誤って開のままにしていたとか、人的操作は間違ってはいなくとも「開固着」状態になったまま気付くのが遅れたとか、そういう何かの理由がないのかな、と。2号機や3号機では、RCICとSRVが動いていても、そんなに急激な圧力減少にはなっていないので、1号機には特有の理由が存在していた可能性があるのではないか、ということです。
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まあ、当方のようなズブの素人が何を言おうと、指摘しようと、誰も振り向きはしない。
ある程度の資料があれば、誰でも気付く程度のことを、東電は隠し続けていたわけだ。こっちがただの素人だから、どうせ分かるまい、反論できるわけがない、ということだな。そうやって騙し続けてきたんだ。
1号機のSRVの動作記録がないことは、ぼくですら気付くことなのに、東電の事故調も政府事故調も無視したのですよ。素人でも分かることを、事故調が無視するというのは、異常ですよ。これはもう、国というもの、政府というもの、信じることなど不可能だ、ということです。国民を騙す為に存在する、ということだ。
こういう隠蔽と悪行を行ったのが、日本を支える東電のような大企業と経産省・エネ庁・保安院・原子力委員会・安全委員会等々が、結託して行った、ということが、何よりも深い罪なのだ。当日の失敗や現場の失敗なんかよりも、赦しがたいのが彼らの行ったことだ。
この期に及んでなおシラを切り続ける、そして、彼らには何らの罰も与えられることもないという、日本の行政・司法のシステムそのものが、根底から崩壊しているということだ。これこそメルトダウン、いや、地の底までメルトスルーなのである。
彼らは、この国が本当に滅んでしまうくらいでなければ、自覚することがないのだ。
世の中の人々にも伝えることができないんですよ。
いくらうちみたいな弱小ブログが言っても、何の影響もなけりゃ、信じてももらえない、ということだ。