台風7号の影響で最大限の影響を受けそうな地域には気の毒だが、強風と大量の雨でこの1か月余りの猛暑とか酷暑が一休みとなった。
扇風機しかなかったオジサンの書斎の室温がエアコンルーム並みの26℃となり、かなり過ごしやすい。
しかしこの恩恵も今日だけのようで、明日は「台風一過で再び猛暑になるという。
さて、一般の国民からすれば岸田文雄の総裁選不出馬宣言は唐突に思った人も多かったかもしれない。
その裏情報の前にこの3年余りを振り返る記事があった。
「裏金、国葬、旧統一教会…岸田政権は「負のレガシー」に迷走した どれも影には元首相 識者と振り返る3年間 」
低支持率にあえいでいた岸田文雄首相が14日、9月の自民党総裁選に立候補せず、首相を退くと突如表明した。「聞く力」を掲げたはずが、その意思決定は、唐突感と強引さが目立ち、打つ手はことごとく裏目に。最後は「政治家の意地」と自ら幕を引いたものの、結局、この国のリーダーとして何がやりたかったのか。約3年にわたった岸田政権の施策を識者らに振り返ってもらった。 ◆給料は上がらない、物価は上がる…何か対策できなかったか 突然の不出馬表明を人々はどう受け止めたのか。 「生活が向上したという実感は全くなかった」と話すのは会社員梶山早紀さん(32)。2021年10月の首相就任後、国民を悩ませてきた物価高を念頭に「給料は上がらないのに、食材の値段はどんどん高くなった。有効な打開策はなかったのか」と続けた。 午前中の記者会見では、身を引く理由に「国民の政治不信」を挙げた岸田氏。不信を招いた旧安倍派などの自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件について、大阪府の男性(76)は「首相が辞めても、政治への不信感はぬぐえず、理由にはなり得ない。出馬辞退は党内情勢から仕方なかったのでは」と突き放した。 ◆どうして自民党だけこれほどカネが必要なのか…国民の疑念は届かず 裏金事件を巡り、岸田氏はトップダウンで派閥の解散を表明し、衆院政治倫理審査会にも首相として初めて出席した。だが、真相究明には踏み込まず、先の国会で成立した改正政治資金規正法に至っては、パーティー券購入者の全面公開は見送られ、企業・団体献金の見直しも手付かずのまま。抜け穴だらけの「ザル法」との批判は根強い。 それでも会見では「(政治とカネの問題で)改革マインドが後戻りしない」ように後継総裁に岸田氏が注文する場面も。政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「首相には『やるべきことはやった。でも、自民党と国民が認めてくれなかった』という思いがありそうだ。それで政権を放り出したのでは。後継総裁には迷惑な話だ」と語る。 「派閥解消など思い切った決断もしたが、それはあくまで党内の理屈の話だ。国民は『政治にこれほどのカネがなぜ必要なのか』『どうして自民党だけが』という点に疑念を抱いていたのに、首相の意識とは大きなギャップが存在した」 ◆旧統一教会問題「ごまかしと非難されても仕方ない」自浄ポーズ 裏金事件と同様、旧安倍派の「負のレガシー」に迷走したのが、安倍晋三元首相の国葬と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る対応だった。国民の過半数が反対していた国葬を強行。教団との決別を宣言したものの、一昨年9月に公表した党内の点検結果には「不十分」との指摘が相次いだ。その後も、自身や盛山正仁文部科学相と教団の関係が取り沙汰された。 ジャーナリストの鈴木エイト氏は「首相退陣のために水面下で動いてきた教団に屈せず、昨年10月に解散命令を請求したこと自体は評価できる」と話す一方、「『未来に向けて関係を断ち切る』と宣言したのに、党内調査では『教団との接触を指示した人物は誰か』『教団関係者を秘書に登用したか』といった最も重要な事柄が抜け落ちていた」と強調し、こう続けた。 「党のダメージが大きすぎると考えたのだろうが、ごまかしと非難されても仕方ない。盛山氏を含む一連の報道は、解散命令を阻止したい教団側のリークとみられるが、首相の説明不足でマイナスの印象を与えてしまった」と対応のまずさを振り返った。 ◆就任当初には「新しい資本主義」を掲げていた 暮らしはどうか。2022年2月のロシアのウクライナ侵攻以降、世界的に食料やエネルギー価格が高騰。日本では円安による物価上昇が続き、家計や企業の負担となった。 淑徳大の金子勝客員教授(財政学)は「岸田首相が掲げた『新しい資本主義』は当初と現状は全く異なる。所得の再分配を強化して消費拡大を目指すはずが結局、円安・インフレが強まり、中小企業や農業、非正規労働者、高齢者といった弱者が厳しい状況に陥っている」と指摘する。「資産所得倍増」をうたい貯蓄から投資へのシフトを呼びかけたが、今月には金融市場が大混乱。「株価が乱高下するリスクに国民をさらすことになった」 ◆原発回帰へ…「矛盾を先送りにしたまま無責任」 大きく転換したのが原発政策だ。東京電力福島第1原発事故後、政府は原発依存度を低減する方針を示してきたが、23年に原発の60年超運転や次世代革新炉の開発・建設を目指す基本方針を閣議決定するなど「原発回帰」にかじを切った。 既存原発の再稼働についても前のめりだ。東電柏崎刈羽原発6、7号機は、テロ対策の不備によって昨年末まで運転禁止命令が出されていた。今年1月には能登半島地震があったが、3月に政府が新潟県に対し、再稼働方針への理解を求めると、直後の4月には7号機に核燃料が装填(そうてん)された。 「基本方針は閣議決定で、核燃料装填も地元合意がないまま進められた。すべては、方針ありきのトップダウンで『理解しろ』という態度。ボトムアップの合意形成がないのは非民主的で、憤りを覚える。『聞く力』とはなんだったのか」と指摘するのは新潟国際情報大の佐々木寛教授(政治学)だ。「エネルギー政策は中長期的な視点が必要だが、矛盾を先送りにしたまま無責任に去ることになる」とあきれる。 ◆広島出身でも「核の傘」肯定 広島出身で「核兵器のない世界」の実現を掲げた岸田氏。だが昨年の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の共同文書「広島ビジョン」は、米国の「核の傘」の下で核抑止を肯定する内容だった。 広島県原爆被害者団体協議会の箕牧智之理事長(82)は「おらが県の選挙区出身ですから、関心を持って見てきた。ところがG7で核抑止論を持ち出されて正直がっかり」と漏らす。今月6日の広島での平和記念式典後の面会の場で核兵器禁止条約への参加を求めたが、岸田氏は否定的な姿勢を崩さなかった。「核兵器廃絶は大半の国民の願いのはず。私たち被爆者の思いとはどんどん離れていくように感じる」と残念がる。 ◆「政権維持が目的化し、政策はそのための手段に」 出身派閥の「宏池会」は自民党内ではリベラルとして知られるが、首相としては「軍拡」にまい進した。防衛費は23年度から5年間で総額43兆円とこれまでの1.5倍に。財源として所得税などの増税を決める一方、一回限りの定額減税の実施を突如打ち出し、場当たり的と批判された。 「彼自身の考えがどこにあるのかつかめない。ブレることだけはブレないというスタンスで首相を終えることになる」。東京工業大の中島岳志教授(政治学)はこう岸田氏を評する。 典型的なのは憲法9条に対する姿勢だ。改憲議論の中で9条に自衛隊明記に関する論点を整理するよう指示したばかりだが「宏池会は9条を守るスタンスだったはず。政治家として重要な芯になるテーマについても明確な考えがないということだ」と指摘する。 岸田氏は首相として何を目指したのか、中島氏はこう強調する。「岸田氏は首相になりたいだけの人だった。政権維持が目的化し、政策はそのための手段でしかなくなっていた」 |
「岸田氏は首相になりたいだけの人だった。政権維持が目的化し、政策はそのための手段でしかなくなっていた」という評価は今までの首相経験者からは一切聞こえてはこなかったことである。
ところが、国際関係ジャーナリストの北野幸伯は想定される「次期首相候補」を異なる観点から分析していた。
「石破か河野か小泉か。岸田メガネの『次の首相』にお願いしたいたった2つだけのこと」
■外交だけは合格点“増税失脚メガネ”の功罪と次の首相への2つの願い 岸田文雄首相は14日午前に記者会見し、9月に行われる自民党総裁選に出馬しない意向を表明した。昨年11月に表面化した自民党派閥の政治資金問題などで支持率低迷が続く中、岸田首相は総裁選で自民党が変わる姿を示すことが重要と説明。「最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くことだ」と語った。新総裁選出後に退任する。 というわけで、今回は、 岸田さんの功績(省略) 岸田さんの悪かったところ 新総理に望むこと を考えてみましょう。 ■首相就任後ただちに消えた国民の声を「聞く力」 次に、岸田さん、何が悪かったのかを考えてみましょう。 皆さん、真っ先に思い浮かぶのは、「裏金問題」でしょう。しかし、「岸田さんは、裏金問題で失脚した」と考えないようにしていただきたいです。岸田さんは、【 増税路線で失脚した 】と考えて欲しいのです。なぜ? 岸田さん、当初は「聞く力」を強調されていました。国民の声をノートに書き留めている。1年間にノート3冊になるそうです。それを繰り返し繰り返し読む。「国民に寄り添っている」ことをアピールしていました。 ところが、「聞く力」は、総理に就任すると、即座に消えたようです。なぜ?日本国民はここ数年間、控えめにいっても「ひどい目」にあってきました。2019年、消費税率が8%から10%に引き上げられた。 2020年、2021年、新型コロナパンデミック大不況が世界と日本を襲い、バタバタとお店がつぶれていきました。私の近所でも、いきつけのお店、レストランがいくつか消えて、悲しかったです。2022年、2023年、ウクライナ戦争インフレ。これは、「新型コロナパンデミック」「ウクライナ戦争」など、岸田さんとまったく関係ない外的要因が生み出した悲劇です。 ■岸田首相が出してきた「長い増税リスト」の全容 しかし、ここで岸田さんは、「どうやって国民を救済するのか?」の選択肢があったでしょう。では、岸田さんは、何をしたのか?【 長い増税リスト 】を出してきたのです。 たばこ増税 本体は健康の観点からたばこの消費を抑制するためのものだが、防衛費の財源として24年より増税予定。 所得増税 防衛費を確保するため24年から増税は決定しているが、定額減税が所得税から行われるため矛盾するとして時期検討中。 復興特別所得税の延長 3.11復興目的に37年までの予定だが、防衛費増のために14~20年延長が議論中。 給与所得控除の廃止 現行は30%控除されているが3%に減率することでサラリーマンには大打撃の可能性。 配偶者控除の廃止 扶養控除のない15歳以下との公平性確保と女性の「年収の壁」問題解消のために廃止を検討。 生命保険料控除の廃止 生命保険は元本よりも大きなお金がもらえる可能性がある点が個人投資と変わらないとされ、見直しを検討中。 退職金の非課税枠を廃止 「勤続年数×40万円」の控除が認められていたが、雇用の流動性を妨げているとして廃止が検討されている。 扶養控除の縮小 扶養控除の縮小が見直される見込み。 一方、児童手当を高校生まで支給対象に広げ控除縮小とのバランスが問われている。 法人増税 防衛費確保のため付加税方式で4%~4.5%を予定。 中小企業などへの配慮として、上乗せ分を計算する際、法人税額から「所得が2400万円の相当の税額」を控除予定。 法人税の控除縮小 賃上げによる税優遇措置で3%以上賃上げした大企業の控除縮小案が中小企業への優遇と同時に検討されている。 大企業には実質的に増税になる可能性がある。 後期高齢者医療保険の負担増 出産育児一時金の一部を75歳以上も負担するようになる。 段階的に負担対象者を増やす方針で、 24年4月からは年収211万円超の人を対象に月平均430円を徴収。 25年4月からは年収153万円超の人を対象に月平均430円を徴収。 生前贈与の持ち戻し期間延長 生前贈与制度に関するもので死亡の3年前から7年前に課税対象期間を延長する。 結婚・子育て資金の贈与特例廃止 1千万円以下は非課税だった結婚・子育て資金の一括贈与特例を廃止。 教育資金一括贈与廃止 教育資金の一括贈与が26年3月末で廃止予定。 介護保険料負担増 1割負担から2割負担に移行する対象者を大幅に拡大する見込み。 国民年金納付期間延長 少子化による財源不足の補填策として保険料の納付期間を5年延長して65歳までとする。 公的医療保険の上乗せ 「異次元の少子化対策」として財源を探し回った結果、歳出改革後の足りない分を「支援金制度」という名目で 国民一人約500円程度の増額が検討されている。 森林環境税の創設 23年度に終了予定の特別復興住民税に替わり、森林環境贈与税とは同額の森林環境税が新設される。 厚生年金支給減額 現行で平均14万6000円支給されている厚生年金額を見直す。 保険料負担は重くなる一方、受給額が減額される。 走行距離課税の新設 車の走行距離に合わせて課税しようというもの。 しかし従来の車とハイブリッド、電気自動車等の問題やカーシェアリングなど課題は残る。 ケアプランの有料化 介護保険サービスを受ける際のケアプラン(介護計画)費用の有料化を検討中。 出所はこちら→時事ネタ第23号 こんなにあるぞ!ステルス増税(税理士法人プライムタックス) この「長い増税リスト」を見て、皆さんどうですか?正直、「岸田さんがこのまま総理をつづけていたら、負担がどんどん大きくなりつづけ、冗談ではなく〇される」と思いませんか? |
改めて増税リストを見ると、国民の生活が少しも楽になってはいないことがわかる。
最後に魑魅魍魎の政界ではこんなことが行われてきたということを紹介しておく。
「岸田首相、突然の『不出馬表明』は、やっぱり『麻生太郎』が仕掛けていた…!ここにきて浮上する『次期総裁』意外な政治家の名」
■「お盆明け」から早まった岸田首相の不出馬会見 8月13日、パリオリンピックでメダルを獲得した日本選手団66人が、首相官邸を訪れた際、柔道の斉藤立選手が岸田首相にサインを求め、断られた一幕が、自民党のある議員との間で話題になった。 「よく日本のメジャーリーガーが、いつ他の球団に移籍するかわからないから、サインするとき、球団名を書かないって言うよね。岸田さんも、もうすぐ総理総裁じゃなくなる可能性が高いから、『内閣総理大臣岸田文雄』って書けなかったんじゃないの」 この言葉は、翌日の14日に現実のものとなる。岸田首相による自民党総裁選挙への不出馬会見だ。 考えてみれば、その前兆は、パリオリンピックが始まった頃からあった。岸田首相に近い議員から「お盆明けが要注意」との一報がもたらされていたからである。 「精度は高い」と感じた筆者は、他のオンライン記事に、「お盆が過ぎた後、不出馬を表明する可能性は少なくない」と書いた。 当の岸田首相は、8月2日、自民党本部で、総裁選挙の鍵を握る人物の1人、麻生太郎副総裁と会談している。岸田首相と麻生氏のサシでの会談は、6月18日のホテルオークラ、同25日の帝国ホテル、そして7月25日の党本部に続くものだ。 6月の2度にわたる会食では、岸田首相が麻生氏の支持を求めたのに対し、麻生氏は色よい返事をしなかったとされている。 7月25日の会談は、岸田首相が今一度、麻生氏の支持を求める会談、そして8月2日の会談は、麻生氏が岸田首相に引導を渡す、もしくは岸田首相が「不出馬」を伝える会談となった可能性が高い。 では、なぜ岸田首相が、「お盆明け」ではなく、8月14日という日に不出馬会見をしたのかだが、1つは、8月20日に自民党総裁選挙管理委員会の会合で選挙日程が決まる前に、自らの判断で身を退く考えを示したかったこと、もう1つは、その夜、麻生氏と茂木敏充幹事長の会食が予定されていたためと推察する。 選挙日程が決まり、総裁選挙に名乗りを上げる有力者が出てくれば、「岸田さんでは衆議院選挙や参議院選挙は戦えない」と引きずり降ろされる可能性がある。 思い返せば、2021年10月、「第100代内閣総理大臣」に就任した10日後に衆議院を解散し、今年1月には、「政治とカネ」の問題を受けて、それまで率いてきた岸田派の解散を他派閥に先がけて表明した岸田首相である。 自民党総裁としての最後の決断も、引きずり降ろされる前に先手を打つ、岸田流のサプライズだったと言っていい。 実際、自民党内には、総裁選挙で支持を表明するため、岸田首相とアポイントを取っていた議員もいる。議員からすれば、何の前触れもなく、主役が舞台から誰にも相談することなく降りてしまったことになる。 また、麻生―茂木会談の前に身を退く記者会見を開いたのは、政権発足以降、「三頭体制」を組みながら、最後の最後まで首を縦に振らなかった麻生氏、そして自民党を揺るがせた「政治とカネ」の問題では汗をかこうとせず、総裁である自分を支えるどころか、「ポスト岸田」をも狙おうとする茂木氏に「政治家の意地」を見せたかったから、と筆者は見る。 ■出馬していれば、岸田首相は敗北していた 岸田首相の不出馬は、アメリカ大統領選挙でのバイデン氏撤退の顛末とかぶる。 バイデン氏の場合、高齢批判にもめげることなく戦う意思を示していたものの、7月18日、ワシントンポストが「オバマ氏がバイデン氏の撤退に言及」と報じたことで、ハリス氏にバトンを渡す決断を余儀なくされた。 岸田首相の場合も、先月下旬までは主戦論で臨んでいたのが、敵対してきた菅義偉元首相だけならいざしらず、頼みの麻生氏が岸田首相への支援要請に首肯しなかったことが決定打となった。 もっとも、仮に岸田首相が本人の意思を貫徹し、出馬したとしたら、敗北は避けられなかっただろう。 今回の総裁選挙は、自民党衆参国会議員票367票と地方党員票367票の合計734票で争われる。1回目の投票で過半数の票を得る候補がいなかった場合、国会議員票367票と地方党員票47票で決選投票となる見通しだ。 前回、2021年9月29日の総裁選挙では、岸田首相が1回目の投票でトップ(議員票146、地方党員票110)となり、2位につけた河野太郎氏を決選投票で破り、総理総裁の座を射止めた。 最終的に岸田首相が獲得したのは257票(議員票249、地方党員票8)、河野候補が170票(議員票131、地方党員票39)であった。 しかし、「政治とカネ」問題の後始末などをめぐり、内閣支持率が15%~20%と低迷する現状では、旧岸田派以外の国会議員票と地方党員票は見込めない。 仮に、旧岸田派40人に加え、唯一現存する派閥、麻生派の50人余りが支持したとしても、国会議員票は90票~100票に留まる。地方党員票で言えば、岸田首相への投票が期待できるのは、地元の広島県くらいしか思い浮かばない。 ■永田町で流れる「岸田―石破密約説」 振り返れば、岸田首相は1000日を超える在任期間の中で、安倍政権ですら実現できなかった防衛3文書の改訂と防衛費増額に踏み切り、官製春闘と揶揄されながらも賃上げを実現し、日米および日韓関係の強化にも成功した政治家だ。 さらに、曲がりなりにも派閥解消を成し遂げ、「異次元の少子化対策」などにも着手してきた。 人柄も誠実で、話しやすい政治家なのだが、「この低支持率では、迫る衆参両院議員選挙や都議会議員選挙で勝てない。特に地方は敏感になっている」(自民党旧安倍派衆議院議員)という実情は拭えない。 出馬して大敗し、汚点を残すよりも撤退し、政治家としてのプライドを守った方が賢明、という意識が働いたとすれば、その点でもバイデン氏と同じだ。 ■石破氏にとってはラストチャンス かつてキングメーカーとして権勢をふるった田中角栄氏が、生前、総理総裁の条件として述べた言葉に次のようなフレーズがある。 |
ある朝刊に岸田文雄の総裁選不出場に関して「任期満了」ではなく「人気満了」という読者の投稿があったが、昨日は、某民放テレビのコメンテーターが画面に表示されていた次6人ほどの期首相候補らしき人物を見て「いずれも帯に短したすきにも短し」と本音を言っていたが、「軽量級の連中」ばかりではこの先が思いやられる、とオジサンは思う。