「毎日新聞」で4月4日から毎週木曜日連載してきた「新世紀 世界文学ナビ」 韓国編」は、今日の10回目で今年1月22日に世を去った女流作家・朴婉緒(パク・ワンソ)を取り上げたのを最後に<韓国編>を終えることになりました。
本ブログの1週間前の記事で「私ヌルボ、キリのいいところで10回まで続けるのかな、と何となく思ってましたが、この際もっと続けて、心おきなく大勢の韓国作家を紹介してくれることを期待しましょう」と書いたんですがねー。
このシリーズに登場した10人の作家を列挙します。
第1回・金愛爛((キム・エラン)、第2回・金英夏(キム・ヨンハ)、第3回・金衍洙(キム・ヨンス)、第4回・申京淑(シン・ギョンスク)、第5回・孔枝泳(コン・ジヨン)、第6回・金薫(キム・フン)、第7回・チョン・イヒョン、第8回・殷熙耕(ウン・ヒギョン)、第9回・林哲佑(イム・チョルウ)、第10回・朴婉緒(パク・ワンソ)
最終回で朴婉緒さんを取り上げたのはちょっと意外でした。ごく最近亡くなったとはいえ故人ですから・・・。
彼女については、本ブログでも2月5日の記事<韓国作家・故朴婉緒(パク・ワンソ)さんのこと ※動画はぜひ見て!>で記しました。そこにも書いたように、自伝的小説「그 많던 싱아는 누가 다 먹었을까」は、私ヌルボも「新女性を生きよ」(梨の木舎.1999年)というタイトルになっている翻訳書で読んで大きな感銘を受けました。(「싱아」は正確にはどう訳すのか疑問でしたが、きむふなさんは「オヤマソバ」と訳してますね。この植物名は知りませんでした。) その他、「두부(豆腐)」という随筆集も以前読んだことがあります(韓国書)。
この「毎日」の記事で、しめくくりの言葉の中できむふなさんは次のように書いています。
「日流」が言われる韓国では、年間数百の日本文学が翻訳されています。対して、日本に紹介された韓国文学は年に10作ほどです。韓国の人々の深い息遣いが感じられる文学作品が、より多く日本の読者に届くことを願っています。
・・・これはヌルボとしてもまったく同感です。この件については、2010年9月12日の記事<諸外国で読まれている日本の絵本-とくに韓国で!>でもふれましたが、そこでヌルボが参考にしたのが舘野さん(日本出版文化国際交流会理事)の記事。戦後の韓国・北朝鮮の文学作品の翻訳状況を具体的に記した<日本における韓国文学書の翻訳出版——刊行状況と課題をめぐって>、そして、現代の両国の出版状況を記した<なぜ韓国で日本の小説はよく読まれるのか――日韓の出版事情を比較する>を読むと、両国間の文学書翻訳の極端な<落差>を痛感せざるを得ません。
残念ながら10回で終えたこのシリーズですが、それでもこれまでほとんど関心を持たれなかった隣国の文学に興味を向ける役割を果たしたとすればけっこうなことです。
次は「中国編」。これも日本ではまだまだ知られていないですね。本ブログ関連記事(→コチラ)
を参照されたし。あ、「今アジアでノーベル賞に最も近いといわれる」莫言(モー・イェン)や、女流作家残雪のことを全然書いてなかったなー・・・。
本ブログの1週間前の記事で「私ヌルボ、キリのいいところで10回まで続けるのかな、と何となく思ってましたが、この際もっと続けて、心おきなく大勢の韓国作家を紹介してくれることを期待しましょう」と書いたんですがねー。
このシリーズに登場した10人の作家を列挙します。
第1回・金愛爛((キム・エラン)、第2回・金英夏(キム・ヨンハ)、第3回・金衍洙(キム・ヨンス)、第4回・申京淑(シン・ギョンスク)、第5回・孔枝泳(コン・ジヨン)、第6回・金薫(キム・フン)、第7回・チョン・イヒョン、第8回・殷熙耕(ウン・ヒギョン)、第9回・林哲佑(イム・チョルウ)、第10回・朴婉緒(パク・ワンソ)
最終回で朴婉緒さんを取り上げたのはちょっと意外でした。ごく最近亡くなったとはいえ故人ですから・・・。
彼女については、本ブログでも2月5日の記事<韓国作家・故朴婉緒(パク・ワンソ)さんのこと ※動画はぜひ見て!>で記しました。そこにも書いたように、自伝的小説「그 많던 싱아는 누가 다 먹었을까」は、私ヌルボも「新女性を生きよ」(梨の木舎.1999年)というタイトルになっている翻訳書で読んで大きな感銘を受けました。(「싱아」は正確にはどう訳すのか疑問でしたが、きむふなさんは「オヤマソバ」と訳してますね。この植物名は知りませんでした。) その他、「두부(豆腐)」という随筆集も以前読んだことがあります(韓国書)。
この「毎日」の記事で、しめくくりの言葉の中できむふなさんは次のように書いています。
「日流」が言われる韓国では、年間数百の日本文学が翻訳されています。対して、日本に紹介された韓国文学は年に10作ほどです。韓国の人々の深い息遣いが感じられる文学作品が、より多く日本の読者に届くことを願っています。
・・・これはヌルボとしてもまったく同感です。この件については、2010年9月12日の記事<諸外国で読まれている日本の絵本-とくに韓国で!>でもふれましたが、そこでヌルボが参考にしたのが舘野さん(日本出版文化国際交流会理事)の記事。戦後の韓国・北朝鮮の文学作品の翻訳状況を具体的に記した<日本における韓国文学書の翻訳出版——刊行状況と課題をめぐって>、そして、現代の両国の出版状況を記した<なぜ韓国で日本の小説はよく読まれるのか――日韓の出版事情を比較する>を読むと、両国間の文学書翻訳の極端な<落差>を痛感せざるを得ません。
残念ながら10回で終えたこのシリーズですが、それでもこれまでほとんど関心を持たれなかった隣国の文学に興味を向ける役割を果たしたとすればけっこうなことです。
次は「中国編」。これも日本ではまだまだ知られていないですね。本ブログ関連記事(→コチラ)
を参照されたし。あ、「今アジアでノーベル賞に最も近いといわれる」莫言(モー・イェン)や、女流作家残雪のことを全然書いてなかったなー・・・。