ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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駅の掲示板のハングル表示の問題

2014-06-16 05:17:09 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 7日(土)夜、ハングルサークルの勉強を終えた帰途の京浜急行横浜駅。ホームの行先掲示板に目が留まりました。


【こんなに遅い時間まで勉強をしていた・・・のではなく、2次会で盛り上がっていたといういつものパターン。】

 以前からハングルの表示が増えてきたなとは感じていたので、そのこと自体ではなくて、私ヌルボが気になったのは上大岡の表記についてです。
 「가미오오카」と、「오(お)」が2つしかないではないですか。
 日本人にとってはいうまでもないことですが、「大岡」の部分のかな表記は「おおおか」で、元横浜ベイスターズ(現アメリカ独立リーグ)の大家(おおか)投手や、岡(おか)とは表記も発音も違います。もっとも、実際の発音は「おー・おか」、あるいは「おーか」の「ー」を長めに発音していて、「お・お・おか」と区切っているわけではないので、このハングル表記でもいいのかなーとも思いますが・・・。

 韓国語学習者の皆さんは承知していることですが、韓国人はこの母音の長短の区別が苦手で、たとえば「おばさん」と「おばあさん」、「井田さん」と「飯田さん」等の違いを聞き分けるのがむずかしいといわれます。
 したがって、ハングルできまった長音表記法がないのも当然で、それで日本語の長音をどのように表記するかはむずかしいところです。

 「東京」の場合、ハングルでは도쿄と書くのがふつうですが、これをそのまま発音すると「トーキョー」ではなく「トキョ」になってしまいます。「도-쿄-」とか「도ː쿄ː」にしてくれと言っても、そんな表記は韓国の立場では不必要だし・・・。日本人にしてみれば「なんだかなー」ですが、しかたないですね。

 ところで、この京急のハングル表示で別に1つ気になったのは長い駅名の場合どうしているのかなということ。上の場合は金沢文庫も6文字に収まっていますが・・・。
 そこで「京浜急行 ハングル」で画像検索してみたら、また別の問題があることを知ってビックリ。

 どういうことかというと、「京急の駅はハングルに侵食されている」(!)という非難が一昨年あたりからけっこう出ているんですね。
 大半はいつもの(?)2ちゃんねる系というか嫌韓系というか・・・。

 その中でとくに問題とされているのが京急品川駅の表示。


 先の横浜駅の表示と違って漢字の表示がありません

 ある非難記事によると「急いでいる時に、こんなわけのわからない文字が30秒も変わらないで表示されていた」とのこと。(つい先月の記事です。)
 ※その書き方が、どうも以前→コチラで書いた四国の遍路道のハングルによる案内シール非難と共通するニュアンスが漂っているようです。

 そこでヌルボ、昨日(15日)たまたま京急で川崎まで行ったついでに品川駅まで足を伸ばして確認してきました。
 あ、京急川崎駅の表示はハングルはありませんでした。駅によってまちまちなんですね。
 そして品川駅で自分で撮った写真がこれ。


 なるほど、漢字表記はこの画面の時にはありません。たしかに、この表示が30秒も続くとすると日本人は当然困りますね。しかし、ヌルボが確認したところでは5秒続くかどうか程度の短い間でした。(同駅のいくつかの掲示板で確認しました。)
 通常の日本語表示と英語表示は約10秒です。
 むしろ、一番上の快速「나리타 공항」(成田空港)の後の(  )内に小さく書かれている「나리타 스카이 액세스 선 경유」(成田スカイアクセス線経由)という字がこの短い時間内では読めないだろうと思いました。(日本語を読み取るのもむずかしいかも。)

 ちなみに中国語(簡体字)も韓国語同様約5秒表示されています。


 コチラは日本語と見た目あまり変わらないからクレームはつかないでしょう。

 ちょっと調べてみると、駅などでの外国語サービスのあり方について「『おもてなし』の観点から英語以外の外国語でも情報提供を行うことがさらに望ましい」という主旨のガイドラインを国交省が示したのが2006年。
 その後鉄道各社が対応を進める中で、JR東海は「国際的共通語の英語をできるだけ大きな字で記すのが基本」と主張して、中国語や韓国語の表示はしていないとのこと。2009年の業務監査でも「来訪外国人の約7割がアジア圏からで、外国人を意識した表記について検討が必要」と指摘されても、「日本語や英語の表記がキュークツになる」等とし、看板に絵文字を併記する等の策で対応しつづけているそうで、嫌韓・嫌中の人たちから支持を得ているようです。

 <ガジェット通信>の関連記事(→コチラ)によると、外国人入国者中韓国は27%で、中国語圏(中国・香港・台湾)は計38%英語圏は計18%
 したがって「これだけで全入国者の83%を占める。つまり案内板を韓国語、中国語、英語で表記すれば、ほとんどの外国人観光客に対応できることになる。合理的な判断である。」とその記事は結論づけています。
 私ヌルボもそう考えるのが妥当だと思います。

 「わけがわからないハングルを目にすると頭がクラクラする」「気持ちが悪くなる」と書いている皆さんは、アラビア文字とかビルマ文字とか、その他世界のいろんな文字を見て目とアタマを慣らすといいでしょう。
コメント (21)
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