ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [3月30日(金)~4月1日(日)]

2018-04-03 23:47:51 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸1日(日)川崎チネチッタにずっと懸案だった「バーフバリ 伝説誕生」を観に行ったら、映画の日ということもあってかほとんど満席! それにしても昨年4月8日公開の作品がこれほどの入りとは。どうも「劇場版」みたいに(?)公開当初よりも口コミとかで注目度が高まっている? 検索すると、なるほど<異例のヒットとなりつつあるインド映画「バーフバリ」がとにかく強い7つの理由>という記事(→コチラ)がありました。で、映画の内容はどうだたかというと、アハハ。これはスゴイ! しか~し。私ヌルボとしては、この手の特殊効果を駆使した超大作などというのはアメリカのブロックバスターだけで十分というのが正直なところ。やっぱりこれまで印象に残っているのは、誰もが挙げるヒット作「ムトゥー 踊るマハラジャ」(1998日本公開)、その前年の日本公開で私ヌルボがインド映画の魅力に開眼した「ラジュー出世する」、近年(といっても2013年)の感動作「きっと、うまくいく」といったところで、これら凌駕する作品はなかなか出てこないのでは? (まあ、最新の特殊効果を使おうが使うまいが、インド映画の魅力はちゃんと盛り込まれてますけどね。)

▸4月1日公開されたばかりの<隠れた傑作 韓国映画ランキング>というブログ記事(→コチラ)に目を通してみました。なかなか興味深いランキングですが、大きな特色は、一番古いのが2011年日本公開の「ビー・デビル」で、つまり10作品がすべて2010年代のものということ。またメロは「建築学概論」だけで、一応ドラマに分類されるのは「レッドファミリー」くらい。その他の多くは人が殺されたり、すごいアクションがあったりしてハラハラドキドキするというものばかり。なるほど、私ヌルボが2010年代の韓国映画のベスト10を選ぶとしたら「新しき世界」「テロ,ライブ」等は入ると思います。本ブログでは、2010年に<150本の中から選んだ・・・ ★韓国映画ベスト20★>というランキングを作ってみたことがありました。(→コチラ)。そこでは1900年代の作品が9つもあります。一方、2006年以降の作品でベスト10に入れたのは「息もできない」(3位)と「グエムル 漢江の怪物」(9位)だけ。また、なんとスリラー、ホラー、アクションといったジャンルの作品はほとんどありません。(皆無!?) 個人的嗜好ということも当然あるでしょうが、上述の「バーフバリ」同様、年を取って時代についていけないといったことの表れかもしれません。
 <隠れた傑作 韓国映画ランキング>中に昨年12月韓国公開の「鋼鉄の雨」がありました。「本年のマイベスト10入り間違いなしの傑作です。この映画の為にネトフリに加入しても絶対損はありません!」とまで賛辞がついています。うーむ、Netflixねー。考えてみます。
 なお、選外の作品の中に「フィッシュマンの涙」があって、「韓国版シェイプオブウォーター?」と書かれているのはちょっと笑えます。
 なおなお、<韓国映画のおすすめの人気ランキング50選【2018年最新版!】>(→コチラ)という記事も見つかりました。「風の丘を越えて ~西便制」(1993)以外はすべて今世紀の作品ですが、ジャンルはいろいろ。1位は意外、2位は疑問。しかし3位は同感も同感! よくこれを3位にしてくれました。(ヌルボのベスト20に入ってないのは、その時点でまだ観てなかったからです。)

▸四谷三丁目の韓国文化院では<1950~60年代に製作された名作韓国映画特集>と銘打って次の4作品が上映されます。①「誤発弾」(1961)=4月10日上映 ②「5人の海兵隊員」(1961)=4月24日上映 ③「地獄花」(1958)=5月18日上映 ④「漂流島」(1960)=5月29日上映 いずれも15時と19時の2回上映。入場無料で事前の申し込みは不要、先着300人まで鑑賞できるというのがウレシイ!
    
「朝鮮日報」3月30日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

女사도가 본 예수의 부활
마리아(루니 마라)는 아버지 명을 거역하고 예수를 따라 예루살렘으로 향한다.

 《週末の劇場街》で紹介
  「マグダラのマリア」



   女使徒が見たイエスの復活

 [写真説明] マリア(ルーニー・マーラ)は父の命令に逆らい、イエスに従ってイェルサレムに向かう。


 「ルージュの手紙」
   理解・憐れみ・許し・愛・人生 ★★★



 「7年の夜」

   熱すぎて少し手に余る ★★★



 「バチェラーズ」

   適当にけだるく温かい ★★☆

 上の作品については以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(4月3日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) 僕らはソリに乗る(韓国)  9.51(47)
②(5) お母さんのノート(韓国)  9.42(90)
③(-) ワンダー  9.40(1,785)
④(4) グレイテスト・ショーマン  9.38(12,197)
⑤(2) バナナソングの奇跡(韓国・インド)  9.34(50)
⑥(6) 血の年代記(韓国)  9.31(221)
⑦(-) バチェラーズ  9.26(80)
⑧(8) ゴッホ~最期の手紙~  9.19(5,131)
⑨(-) ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男  9.13(782)
⑩(-) ビー・バップ・ア・ルーラ(韓国)  9.04(484)

 ⑦「バチェラーズ」(仮)が今回の初登場。アメリカのドラマ&コメディ。妻と死に別れて悲しみに暮れていたビル(J・K・シモンズ)は、心機一転して私立学校の教職を求めて17歳の息子ウェス(ジョッシュ・ウィッジンズ)とともにカリフォルニアの田舎町からロサンゼルスに出ます。そこでの2人の女性カリン(ジュリー・デルピー)とレイシー(オデイヤ・ラッシュ)との出会いによって、父子は人生の再スタートは切ることになります・・・。韓国題は「해피 어게인」。日本公開は未定のようです。

     【記者・評論家による順位】

①(2) フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法  8.50(10)
②(-) レディ・プレイヤー1  8.36(11)
③(3) ファントム・スレッド  8.22(9)
④(-) パターソン  8.20(10)
④(4) スリー・ビルボード  8.20(10)
⑥(5) シェイプ・オブ・ウォーター  8.18(11)
⑦(7) 君の名前で僕を呼んで  7.80(10)
⑧(8) アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル  7.75(8)
⑨(9) タンジェリン  7.71(7)
⑩(-) 共同正犯(韓国)  7.67(9)

 ②「レディ・プレイヤー1」が今回の初登場です。この作品については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月30日(金)~4月1日(日) ★★★

         韓国ホラー「昆池岩[コンジアム]」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(5)・・昆池岩[コンジアム](韓国) ・・・・・3/28 ・・・・・・・・・983,040 ・・・・・・・1,367,437・・・・・・・10,747・・・・・・・・1,124
2(新)・・レディ・プレイヤー1・・・・・・・・3/28 ・・・・・・・・・741,753・・・・・・・・・986,725・・・・・・・・8,536・・・・・・・・1,079
3(2)・・いま、会いにゆきます(韓国)・・・・3/14 ・・・・・・・・・253,327・・・・・・・2,321,019・・・・・・・18,590・・・・・・・・・・736
4(20)・・7年の夜(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・3/28 ・・・・・・・・・232,694 ・・・・・・・・418,188・・・・・・・・3,149・・・・・・・・・・812
5(1)・・パシフィック・リム ・・・・・・・・・・・3/21 ・・・・・・・・・・70,409・・・・・・・1,052,213・・・・・・・・8,772・・・・・・・・・・502
       :アップライジング
6(7)・・君の名前で僕を呼んで ・・・・・・・・3/22 ・・・・・・・・・・25,895 ・・・・・・・・125,150・・・・・・・・1,037 ・・・・・・・・・164
7(6)・・ミニ特攻隊X(韓国)・・・・・・・・・・・3/22 ・・・・・・・・・・25,288・・・・・・・・・・83,236 ・・・・・・・・・623 ・・・・・・・・・347
8(新)・・マグダラのマリア ・・・・・・・・・・・3/28 ・・・・・・・・・・10,101・・・・・・・・・・15,960 ・・・・・・・・・113 ・・・・・・・・・111
9(4)・・リトル・フォレスト(韓国)・・・・・・2/28 ・・・・・・・・・・・8,715 ・・・・・・・1,496,077・・・・・・・11,854 ・・・・・・・・・124
10(10)・・小公女(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・3/22 ・・・・・・・・・・・7,695・・・・・・・・・・42,297 ・・・・・・・・・337 ・・・・・・・・・・88
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 韓国の映画ファンは日本よりもホラーやスリラーが好きかもしれないと思います。私ヌルボは、とくに好き好んで観るジャンルではないのであまり詳しくありませんが、日本のスリラーと聞いて思い出すのは「リング」(1998)くらいか。これは先に鈴木光司の原作を読みました。もう20年も前になるんですね。翌年には同タイトル(英題は「The Ring Virus」)で韓国版リメイクも作られています。(※アメリカ版の「The Ring」は2002年。) リメイクといえば、「黒い家」(1999)も韓国版リメイクが2007年に作られました。後は「呪怨」(2000)がタイトルだけ知っている程度。・・・と日本のホラーのことを考えてみたのは、今回のベスト10トップが韓国ホラーの「昆池岩[コンジアム]」だったから。そして4位に2011年以来のロングセラー「7年の夜」の映画化作品が4位に入っているからです。
 今回の新登場は2・4・8位の3作品です。
 2位「レディ・プレイヤー1」は、アーネスト・クラインのSF冒険小説「ゲームウォーズ」(SF文庫)を、スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化した作品。
舞台は西暦2041年。現実世界は荒廃していたものの、革新的なネットワーク<オアシス>が張り巡らされていて、誰もが自分の望むキャラクターとなり、どこへでも行けて何でもできるというそのバーチャル世界は若者たちを虜にしていました。17歳の若者ウェイド・ワット(タイ・シェリダン)も<オアシス>に接続することが唯一の楽しみでした。ところがある日、その<オアシス>の画面に、<オアシス>を開発し運営している億万長者のジェームズ・ホリデー(マーク・ライランス)死去のニュースが流されます。そして「“オアシス”内に隠された3つのミッションで優勝した者に遺産のすべてを譲る」とのビデオメッセージが現れます。その後ウェイドが最初のミッションを解くと、<オアシス>の支配をもくろむ巨大組織が登場します。ウェイドは仲間と共に巨大組織に戦いを挑みます・・・。韓国題は「레디 플레이어 원」。日本公開は4月20日です。
 4位「7年の夜」は韓国のドラマ&スリラー。上述のように、2011年に刊行され爆発的なベストセラーになった鄭裕静(チョン・ユジョン)の原作以来待望されていた映画化がやっと実現しました。私ヌルボ、この小説は<2012年に読んだ「圧倒的!」な本5冊>という記事(→コチラ)で2位にリストアップしています。(最近のメガヒット「神と共に」の原作漫画は4位。) この小説はその後フランス・ドイツ・中国等々各国で翻訳され、日本では昨年11月書肆侃侃房から「七年の夜」という書名で刊行されました。物語の発端は、村を水没させて造ったセリョン湖というダム湖で行方不明になっていた少女セリョン(ソン・セビョク)の遺体が発見されたという事件。(順天市の住岩[チュアム]ダムが原型。<ソウルナビ 映画>はセリョン号と誤訳しています。この頃多いような・・・。) 元プロ野球のキャッチャーだった大男のヒョンス(リュ・スンニョン)は、一瞬の判断の誤りによって破滅へと追い込まれ、結局死刑の宣告を受けます。ヒョンスを追いつめたのはセリョンの父親のヨンジェ(チャン・ドンゴン)。歯科医院長で大地主という村の有力者でした。事件当時12歳だったヒョンスの息子ソウォン(コ・ギョンピョ)はその後世間から「殺人魔の息子」と呼ばれ、親戚の家を転々として暮らします。物語が動き出すのはその7年後。セリョン村に戻ってきたソウォンに、なおも復讐に燃えるヨンジェは魔の手を伸ばします・・・。原題は「7년의 밤」です。
 右画像は「7年の夜」の原書。原作の評価が高いこともあって、コチラの映画の方は全体的に厳しい評価になっているようです。構成が重層的で複雑なこともあって、映画のストーリー展開はむずかしいとは思いますが・・・。
 8位「マグダラのマリア」は、新約聖書に記されているマグダラのマリアの視点から見たイエスの処刑と復活を描いたイギリス映画。<罪深い女>とされる彼女ですが、どのように罪深かったのかは不明確なようです。やっぱり<性的不品行>? この映画では「決められた結婚を拒んだため家族からも無視された」となっています。そのマグダラのマリア(ルーニー・マーラ)は、
ある日村にやって来たイエス(ホアキン・フェニックス)から直接洗礼を受け、唯一の女性使徒としてイエスの旅に加わることになります。その後イエスの死と復活を見届け、復活の訪れを弟子(使徒)たちに告げる役割を果たします。・・・ということは、「大地震が起こり、墓の入り口を塞いでいた大きな石が転がり、イエスの亡骸を納めていた墓の入り口が開いた」という場面もあるのかな? 韓国題は「막달라 마리아:부활의 증인」。日本公開は未定というか、なさそうというか・・・。キリスト教風土が日韓間で大きな差があるので。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・小公女(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/22 ・・・・・・・・・・・7,695 ・・・・・・・・・・・42,297・・・・・・・・・・・337・・・・・・・・・・88
2(17)・・バチェラーズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/28 ・・・・・・・・・・・4,220 ・・・・・・・・・・・・7,998・・・・・・・・・・・・58・・・・・・・・・・98
3(4)・・フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法・・3/07 ・・・・・・・3,087 ・・・・・・・・・・・84,064・・・・・・・・・・・702・・・・・・・・・・29
4(21)・・夜は短し歩けよ乙女(日本) ・・・・・・3/29 ・・・・・・・・・・・1,886 ・・・・・・・・・・・・3,015・・・・・・・・・・・・26・・・・・・・・・・45
5(4)・・ルージュの手紙・・・・・・・・・・・・・・・・・3/22・・・・・・・・・・・・・949 ・・・・・・・・・・・・9,810・・・・・・・・・・・・75・・・・・・・・・・21

 2・4位の2作品が新登場です。
 2位「バチェラーズ」(仮)については上述しました。
 4位「夜は短し歩けよ乙女」は、私ヌルボ、森見登美彦の原作は読みましたが、映画(アニメ)は観ていません。原作、悪くはなかったですが、その後ここまで人気が出るとは思いませんでした。韓国のネチズンの平均評点は8.44で、記者・評論家は6.50と高い方。評論家のイ・ヨンチョル氏が「<風流>とはたぶんこんなもの」と書いてるのはなるほどね。韓国題は「밤은 짧아 걸어 아가씨야」です。
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