ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [4月14日(金)~4月16日(日)]

2018-04-18 17:57:51 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸昨日(17日)の朝刊で往年の大女優・崔銀姫(チェ・ウニ)さんが16日亡くなったことを知りました。→朝日新聞の記事等日本の各紙は1978年夫の申相玉(シン・サンオク)監督と別ルートで北朝鮮に拉致されたことを主に取り上げています。(86年共に脱出。) 韓国メディアでは各紙とも詳しく報じていますが、中でも→「朝鮮日報」(韓国語)や→「中央日報」(韓国語)がとくに興味深い内容でした。どの記事も共通しているのは、「波乱万丈」とか「映画のような」という言葉で彼女の人生を形容していることです。享年91歳、たしかにその通りです。右画像は北朝鮮で金正日と共に写っている写真です。
 ※「朝鮮日報」やKBSラジオでは崔銀姫を金芝美(キム・ジミ)・厳鶯蘭(オム・エンナン)と共に60年代、最初の<トロイカ>として人気を集めた、と報じていました。しかし「朝鮮日報」の記事には「厳鶯蘭じゃなくて文貞淑(ムン・ジョンスク)と記憶しているが・・・」という読者のコメントもあります。
 ※私ヌルボの印象に残っているのは、最初に観た「常緑樹」(第1回大鐘賞映画祭主演女優賞受賞作)と、「離れの客とお母さん」です。韓国映画と言えばキョーレツなアクションと血みどろの云々といったものをまず思い浮かべる皆さんには、半世紀以上前のこうした作品のことを知ってほしいものです。
 ※申相玉・崔銀姫夫妻の北朝鮮拉致事件については、2人の共著「闇からの谺」(文春文庫)は必読!

▸14日(土)川崎チネチッタで懸案の1つ「リメンバー・ミー」を鑑賞。気がつけば字幕版の上映館は残り少なくなってました。ふー。なるほど、韓日ともファンの高評価がうなずけるアニメ。しかし、これ以上技術的にハイレベルになったら、物語自体の感動を損なってしまうのでは?と思ってしまいました。なお、全然関係ないけどミゲル少年の眉毛もアナ雪と同じ8時20分の心配顔風でしたね。モアナもラプンツェルもほぼ同様。皆同じDNAの持ち主なんだな(笑)。

▸16日(月)は昨秋のコリアン・シネマ・ウィーク2017>で観た時は最初の方で少し寝てしまった「グッバイ・シングル」をシネマート新宿で見直しました。これは良い作品だと思います。キム・ヘスが演じているかなりすっとんだ性格の女優もおもしろく、肩の凝らない楽しい映画とも言えますが、10代(それも中3)の女の子の妊娠といった問題を扱っていて考えさせられます。その女の子を演じたキム・ヒョンス17歳。「過速スキャンダル」のパク・ボヨンを思い出しました。
    
「朝鮮日報」4月13日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

그럼에도 불구하고, 사랑
평생 휠체어 타는 신세가 됐지만 로빈(가운데)은 불평하지 않고 할 수 있는 일을 찾아 나선다.

 《週末の劇場街》で紹介

  「ブリーズ」



   それにもかかわらず、愛

 [写真説明] 一生車いすの身となったが、ロビン(中)は不平も言わず、できることをさがす。

 「レディ・プレイヤー1」
   何でも上手いこの監督 ★★★★



 「ランペイジ 巨獣大乱闘」

   爽快な活劇、貧弱な構成 ★★☆



 「虎より怖い冬のお客様」

   どこかでよく観た感が ★☆

  上の作品については以下の記事の中で紹介しています。「レディ・プレイヤー1」の監督はスピルバーグです。

         ★★★ NAVERの人気順位(4月17日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(2) トック(韓国)  9.59(1,315)
②(1) ポンゲマンと神秘の島(韓国)  9.44(221)
③(4) グレイテスト・ショーマン  9.38(12,330)
④(5) バナナソングの奇跡(韓国・インド)  9.31(54)
⑤(-) リメンバー・ミー  9.23(14,091)
⑥(7) 血の年代記(韓国)  9.23(239)
⑦(6) お母さんのノート(韓国)  9.23(109)
⑧(-) ブリーズ  9.21(101)
⑨(-) あの日、海(韓国)  9.20(5,109)
⑩(8) ゴッホ~最期の手紙~  9.19(5,142)

 ⑧⑨の2作品が今回の新登場です。
 ⑧「ブリーズ」は、イギリスのドラマ。新しいところでは「ブラックパンサー」や「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」に出演しているアンディ・サーキスの初監督作で、実話に基づいた作品です。時代は1950年代。青年ロビン(アンドリュー・ガーフィールド)は、クリケットの試合を観に来ていたダイアナ(クレア・フォイ)と恋に落ちます。その後ロビンは軍隊生活を経て紅茶関連の職に就いてアフリカに赴く等々いろいろありましたが、結局2人は1957年アフリカで結婚します。ところがその翌年、ロビンはポリオを患って首から下が麻痺してしまい、人工呼吸器で息をする状態に陥ってしまいます。まだ28歳の彼を、ダイアナは懸命に支えますが・・・。韓国題は「달링(ダーリン)」。日本公開は未定のようです。
 ⑨「あの日、海」については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法  8.50(10)
②(2) レディ・プレイヤー1  8.36(11)
③(3) ファントム・スレッド  8.22(9)
④(4) パターソン  8.20(10)
④(4) スリー・ビルボード  8.20(10)
⑥(6) シェイプ・オブ・ウォーター  8.18(11)
⑦(-) リメンバー・ミー  7.83(6)
⑧(7) レディ・バード  7.82(11)
⑨(8) 君の名前で僕を呼んで  7.80(10)
⑩(9) アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル  7.75(8)

 今回の新登場作品はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績4月13日(金)~4月15日(日) ★★★

         日本よりひと月早く公開された「ランペイジ 巨獣大乱闘」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・ランペイジ 巨獣大乱闘 ・・・・・・4/12 ・・・・・・・・・608,120 ・・・・・・・・686,626 ・・・・・・・・5,990・・・・・・・・・909
2(9)・・クワイエット・プレイス・・・・・・・4/12 ・・・・・・・・・207,454 ・・・・・・・・265,698 ・・・・・・・・2,327・・・・・・・・・677
3(3)・・レディ・プレイヤー1・・・・・・・・・3/28 ・・・・・・・・・191,429 ・・・・・・・2,066,121・・・・・・・18,172・・・・・・・・・585
4(2)・・風、風、風(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・4/05・・・・・・・・・185,854 ・・・・・・・1,009,651 ・・・・・・・・8,253・・・・・・・・・623
5(1)・・昆池岩[コンジアム](韓国) ・・・・・3/28 ・・・・・・・・・166,139 ・・・・・・・2,567,355・・・・・・・20,519・・・・・・・・・608
6(35)・・その日、海(韓国)・・・・・・・・・・・・・4/12 ・・・・・・・・・145,809・・・・・・・・・178,268・・・・・・・・1,509・・・・・・・・・569
7(4)・・トック(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・4/05 ・・・・・・・・・・51,643・・・・・・・・・247,765・・・・・・・・1,893・・・・・・・・・354
8(新)・・マネー・バッグ(韓国)・・・・・・・・・4/12 ・・・・・・・・・・27,364・・・・・・・・・・40,109 ・・・・・・・・・323・・・・・・・・・463
9(新)・・スパーク ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/12 ・・・・・・・・・・24,595・・・・・・・・・・26,508 ・・・・・・・・・199・・・・・・・・・310
10(5)・・いま、会いにゆきます(韓国)・・・3/14・・・・・・・・・・・21,716 ・・・・・・・2,586,483・・・・・・・20,676 ・・・・・・・・219
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週「アメリカの大型アクションとか、人気アニメとかは端境期なのかな?」と書いたところで最先端の視覚効果を駆使した「ランペイジ ~」が新登場で1人勝ち1位。しかし数字的には今ひとつか?
 今回の新登場は1・6・8・9位の4作品です。
 1位「ランペイジ 巨獣大乱闘」は、アメリカのアクション。類人猿の専門家デイビス(ドウェイン・ジョンソン)は、人づきあいは避けて暮らしていますが、幼い時に助けてやって以来面倒を見てきたアルビノゴリラのジョージとは気持ちが通じ合っています。ところがある日、それまで素直だったジョージが謎のガスを吸い込むと巨大な怪獣に変わり、狂乱状態になってしまいます。実はその背後には財閥企業によるプロジェクトがあり、ジョージだけでなく、オオカミ、ワニ等々も巨大化・狂暴化して、軍隊まで出動しますが・・・って、これはもう大変なことに・・・。韓国題は「램페이지」。日本公開は5月18日です。
 6位「その日、海」は、4月16日のセウォル号沈没4周年に合わせて公開されたドキュメンタリー。2014年のその日。事故の発生時間が8時30分頃なのか8時50分頃なのかと陳述は分かれました。航路を記録したデータもそれぞれ異なって記録されたり消失したとのこと。4年間の科学的分析と資料収集をふまえて事故当日の出来事を明らかにしていきます・・・。原題は「그날, 바다」です。
 8位「マネー・バッグ」は韓国のドラマ&アクション。体以外には何も持っていないミンジェ(キム・ムヨル)は、母の手術費のため家の保証金までおろしますが、そのお金をチンピラ(キム・ミンギョ)に奪われてしまいます。その金はチンピラから高利貸しのペク社長(イム・ウォニ)に渡り、さらに選挙を控えたムン議員(チョン・グァンニョル)に渡ります。赤字人生が続くペク社長はキラー(イ・ギョンヨン)を雇ってムン議員を<処理>する計画を立てて、賭博の抵当で手に入れたチェ刑事(パク・ヒスン)の銃をキラー渡そうとしますが、宅配便の運転手(オ・ジョンセ)が間違ってその銃をキラーの隣のミンジェに渡してしまい・・・。・・・って、なんかコメディっぽい展開? 原題は「머니백」。
 9位「スパーク」は、カナダのアニメ。平和なバナ星の支配権を武力で奪取した悪党ツォンは、別の惑星を破壊して奪おうという恐ろしい陰謀を企てます。この事実を知った女王は、それをくい止めるためキツネのビックスとブタのチャンクに秘密のメッセージを送ります。一方、彼らの友人であるサルの少年スパークは、バナ星での生活にうんざりして1人バナ星を発ちます。そしてクラウケンと呼ばれる巨大な宇宙モンスターを捕えてツォンの企てを知ります。もしツォンがクラウケンの力を悪用したら大変なことになります。スパークは宇宙の一番遠いところまで行きますが、そこで彼は大きな危険に遭遇します・・・。韓国題は「스파키」。日本公開はなさそう、かな?

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(16)・・ライフ・オブ・パイ ・・・・・・・・・2013/1/01・・・・・・・・・・14,384・・・・・・・・・1,614,423 ・・・・・・・・16,094・・・・・・・・・・87
       /トラと漂流した227日
2(7)・・ブリーズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/12・・・・・・・・・・11,801 ・・・・・・・・・・・18,241・・・・・・・・・・・145・・・・・・・・・146
3(新)・・特別版 Free!・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/12・・・・・・・・・・・2,881 ・・・・・・・・・・・・4,632・・・・・・・・・・・・38・・・・・・・・・・66
       -Take Your Marks-(日本)
4(20)・・虎より怖い冬のお客様(韓国) ・・・・4/12・・・・・・・・・・・2,763・・・・・・・・・・・・・5,415・・・・・・・・・・・・44・・・・・・・・・134
5(22)・・天国でまた会おう・・・・・・・・・・・・・・4/12・・・・・・・・・・・2,166・・・・・・・・・・・・・3,520・・・・・・・・・・・・29・・・・・・・・・・56

 1~5位の全部が新登場ということが以前あったかな?
 1位「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」は、2012年のアメリカ映画の再上映。韓国題は「라이프 오브 파이」です。
 2位「ブリーズ」については上述しました。
 3位「特別版 Free!-Take Your Marks-」は日本のアニメですが、私ヌルボは例によって語る資格なし。それ以前に、知らなかったです。認知度はどんなものなんですかねー? 韓国題は「극장판 프리! - 테이크 유어 마크」です。
 4位「虎より怖い冬のお客様」は、韓国のロマンス&ドラマ。動物園からトラが脱出した冬のある日、ガールフレンドの家に居たキョンユ(イ・ジヌク)はよくわからない理由で彼女に追い出されます。行き場のなくなったキョンユは、キャリーバッグ1つだけ引きずって代行運転のアルバイトを始めます。そんなある夜、キョンユがずっと夢見ている小説家になっているユジョン(コ・ヒョンジョン)が彼の前に現れます・・・。・・・うーん、もうちょっとその後の展開を知りたいところですが、トラは出てこないみたい。原題は「호랑이보다 무서운 겨울손님」です。
 5位「天国でまた会おう」(仮)は、「その女アレックス」等々日本でもファンが多いフランスのミステリー作家ピエール・ルメートルの同名小説(ハヤカワ文庫.ゴンクール賞受賞)の映画化作品。舞台は第1次大戦直後、1919年のフランス。まじめな青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまいます。西部戦線で彼に救われた青年がエドゥアール。画才に恵まれた彼ですが、顔に大怪我を負い、家族とのつながりを断ってしまいます。世間は戦死者は称揚する一方、生き延びた彼らのような青年たちには冷淡でした。支え合いながら生きる彼らは、やがて国家を揺るがす前代未聞の詐欺を企てます・・・。韓国題は「맨 오브 마스크」です。観た人の感想の中に、「戦争映画として始まり途中でサスペンスに変わりコメディとファンタスティックも加わるというジャンル分け不能の作品で、笑っていいのやら泣いていいのやら」とありました。この原作は未読ですが、先に映画を観てみたいような・・・。しかし日本公開は未定のようです。