ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [5月3日(金)~5月5日(日)]

2019-05-08 23:51:15 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸「ストライキ前夜」と「アグリードール」で時間を使いすぎ、丸1日遅れになってしまいました。
 この1週間は、先週の反動で(笑)映画4本鑑賞。
 その中でダントツの1本は5月1日横浜シネマリンで観た「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」です。12:05の1回の上映で、余裕をもって30分以上前に行ったところが、すでに待ってる客が一杯! 全102席で私ヌルボは№89。そして15分前に満席とは、この映画館で過去そのやうなことはあったでせうか?? 1日=<映画の日>というだけではないかも・・・、と思っていたら、10連休初日(4月27日)も満席だったそうです。(その後は未確認。) また3日に届いたアップリンクのメールマガジンには「先週末から始まった『ビル・エヴァンス タイム・リメンバード』ですが、1週間の上映回全て満席という驚異的な大ヒットスタートを切りました。今週末からは回数を拡大して上映します。」とありました。そういえば、すぐ近くの座席で「上映館を検索したらここが見つかってわざわざから来た」と話していた2人連れがいましたね。で、その映画ですが、やっぱり一にも二にも彼の音楽自体の魅力! それにしても、いくら日本で人気のジャズピアニストとはいえ、1980年つまり39年も前に世を去った彼が今もなおこんなに多くの人を引きつけるのかとあらためて驚いた次第です。

▸3日は同じ横浜シネマリンで「天皇の軍隊」(2015)を観ました。少し前の作品ですが初見。思ったほど政治的主張が強くないように思ったのは、日本人監督(フランス在住の渡辺謙一監督)とはいえフランス人を主対象としたフランス映画(2009年か)で、基本知識をまずおさえておこうという意図で構成されているからでしょう。とくに天皇、そして憲法9条&再軍備を中心に日本戦後史のアウトラインをわかりやすくたどっていて、これはそのまま高校の授業でも使えるかも、と思いました。(しかし今の教育現場はどうだか・・・。あの1975年10月31日の、昭和天皇が初の公式記者会見の場で原爆について語った時の映像(→YouTube)もあったりするからねー。私ヌルボはもちろん「なんら問題はない」と思いますが・・・。)

▸先週4日、神保町のブックカフェ<チェッコリ>で<伝説の独立映画>「ストライキ前夜(파업전야)」(1990年)を鑑賞。先週の記事で「30年近くを経て今年のメーデーに韓国で正式に劇場公開」されることになり、話題を呼んでいる」と書きました。私ヌルボ、昔から人の顔を憶えるのが苦手で、とくに大勢が登場する映画作品はなかなかタイヘン。この作品もそうで、オマケに睡眠不足のため肝心の部分でちょっと寝ちゃったかも・・・。しかし、後述のように映画史的には注目作かもしれませんが、はたして少なくとも今の人たちの感動をよぶかは疑問がありそう。→<シネマコリア>の記事では作品紹介に続けて、本作を1998年に観たというソチョンさんが「『五月-夢の国』とほぼ同じスタッフの作品だが、完成度はかなり落ちる。人物の描き方が柔軟でなく画一的になっており、いかにもプロパガンダ的な作品なのだ。・・・・ 歴史的意義という意味以外には価値を感じなかった。」と記されていますが、わかるような気がします。のネチズンの評点をみると、10段階評価中最多は10点(62%)で、次は1点(13%)で、「感動した」という人が多い一方、1点を付けた人も相当数。そのコメントを見ると「政権が代わるたびに政治偏向した映画が続々公開。どんな映画であれ政権の性向と関係なく公開できる環境になってほしい」とか、「実像は水準以下の映画。運動圏映画なら無条件で名作となるのか?」といったものがめに留まりました。

         ★★★ NAVERの人気順位(5月7日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) ビューティフルマインド(韓国)  9.82(85)
②(2) 痛いほど愛する(韓国)  9.69(133)
③(3) グリーンブック  9.62(5,566)
④(4) カペナウム  9.60(2,704)
⑤(5) 僕のワンダフル・ライフ  9.54(1,997)
⑥(7) アベンジャーズ/エンドゲーム  9.41(59,396)
⑦(6) RBG 最強の85才  9.38(146)
⑧(8) ザ・ハント ナチスに狙われた男  9.35(57)
⑨(9) ポーランドに行った子供たち(韓国)  9.33(509)
⑩(10) ポロロ劇場版 宝島大冒険  9.30(1,925)

 今回新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(2) 女王陛下のお気に入り 8.20(10)
②(3) 魂のゆくえ  8.00(7)
③(5) ラブレス  7.60(5)
④(-) ストライキ前夜(韓国)  7.71(7)
⑤(4) アベンジャーズ/エンドゲーム  7.62(13)
⑥(7) スターリンの葬送狂騒曲  7.40(5)
⑦(8) カペナウム  7.33(9)
⑧(9) 川辺のホテル  7.33(3)
⑨(10) グリーンブック  7.29(7)
⑩(-) 運び屋  7.20(5)

 ④「ストライキ前夜」が新登場です。光州民主化闘争関係の初期の映画として知られる「五月-夢の国」(1988)を撮った独立映画集団チャンサンコンメ[長山串鷹]が1990年に制作した<伝説的>作品。元は16mmフィルムだったのを、4Kデジタルリマスタリング作業を経て今回の上映となったものです。時代は1988年、国際的な好況に乗って成長を続ける東星(トンソン)金属の労働者たちが劣悪な労働環境を打破するために組合を作って立ち上がるまでを描きます。・・・が、前述の<シネマコリア>の記事や<レイバーネット>の記事によると「1990年にソウル・釜山など全国11都市で一斉に公開されたが、煽動性を問題視した当局(盧泰愚政権)によって、フィルム・機材の押収、観客への暴行・不法連行、鑑賞した労働者への辞職強要、鑑賞した軍人への保安隊異動などの事件が引き起こされた」等々のことが書かれています。87年の6月抗争後にもそういう弾圧があったのですね。作品のくわしい内容は→<輝国山人の韓国映画>参照。原題は「파업전야(覇業前夜)」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月3日(金)~5月5日(日) ★★★
           「アベンジャーズ/エンドゲーム」が2周目で驚異の1千万人超え!

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・アベンジャーズ/エンドゲーム・・4/24・・・・・2,333,075・・・・・10,952,464・・・・・・・95,030 ・・・・・・2,490
2(16)・・僕の特別な兄弟(韓国)・・・・・・・5/01・・・・・・・・・・419,152 ・・・・・・・660,868・・・・・・・・5,427・・・・・・・・785
3(2)・・ポロロ劇場版 宝島大冒険(韓国)・・4/25 ・・・・・・・172,087 ・・・・・・・580,317・・・・・・・・4,446・・・・・・・・797
4(新)・・名探偵ピカチュウ(日・米) ・・・・5/09 ・・・・・・・・・117,536 ・・・・・・・119,718 ・・・・・・・・・998・・・・・・・・641
5(49)・・アグリードール・・・・・・・・・・・・・5/01 ・・・・・・・・・・18,835 ・・・・・・・・37,541 ・・・・・・・・・273 ・・・・・・・331
6(新)・・パンズ・ラビリンス・・・・2006/11/30・・・・・・・・・・・・6,463 ・・・・・・・482,424 ・・・・・・・2,877・・・・・・・・・38
7(61)・・ミス・スティーブンス・・・・・・・・5/02 ・・・・・・・・・・・5,532 ・・・・・・・・・8,945・・・・・・・・・・72・・・・・・・・・64
7(新)・・フレンズ:巣脱出・・・・・・・・・・・5/01 ・・・・・・・・・・・5,532 ・・・・・・・・10,178・・・・・・・・・・69・・・・・・・・157
9(4)・・キャプテン・マーベル・・・・・・・・・3/06 ・・・・・・・・・・・5,078 ・・・・・・5,796,057 ・・・・・・51,448 ・・・・・・・・58
10(8)・・闘う建築家 安藤忠雄(日本)・・4/25 ・・・・・・・・・・・4,637 ・・・・・・・・18,102・・・・・・・・・150・・・・・・・・・53
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 2週目に入っても「アベンジャーズ/エンドゲーム」の勢いは衰えるどころか公開14日目の5月4日には動員観客数1千万人を超え、今日(7日)にはさらに100万人上積みされました。今後どこまで伸びるか注目。しかし、前回も書きましたが、このスクリーン独占のあおりで上映機会が狭まった(or奪われた)他の作品にとってはい迷惑です。
 今回の新登場は2・4・5・6・7位(2作品)の計6作品です。
 2位「僕の特別な兄弟」は、韓国のドラマ。非常に優れた頭脳を持ってはいるものの、弟のトング(イ・グァンス)がいなければどこにも行けない身体障碍者のセハ(シン・ハギュン)と、抜きんでた水泳の実力をそなえてはいるが兄のセハの助けなしでは何もない弟のトングは、全然血のつながりはありません。しかし、これまで20年一心同体で暮らしてきた<特別な兄弟>です。ところがある日、兄弟がねぐらにしている<責任の家>を運営していた神父が亡くなって支援金が絶たれ、2人は引き離される危機に直面します。セハは<責任の家>を守ってトングと別れずにすむように区役所のプールでアルバイトをしている就職浪人のミヒョン(イ・ソム)を水泳のコーチとして迎え入れ、トングを水泳大会に出場させて人々の耳目を集めることに成功します。これで別れないですむという希望が見えましたが、それもつかの間、思わぬ人物が兄弟の前に現れ、兄弟は新たな危機にさらされます・・・。原題は「나의 특별한 형제」です。
 4位「名探偵ピカチュウ」は、ポケモン初めて日・米合作のハリウッド実写映画ということで注目。日本では6日早く5月3日から公開されています。韓国題は「명탐정 피카츄」です。
 5位「アグリードール」(仮)は、アメリカの人気キャラクター、アグリードールたちが主人公のアメリカのファミリーアニメ。私ヌルボ、苦手ジャンルなのでよくわかりませんが、日本ではこのキャラクターはどれくらい知られているのでしょうか? →コチラの画像のようにブサイクなご面相の人形で文字通りuglyではありますが、明るく愛嬌がある感じ。約20年前ニューヨークのアートスクールを卒業したデイビッド・ホーヴァスさんが一時韓国に帰国していた恋人のキム・ソンミンさんに送ったラブレターに描いたイラストをソンミンさんがぬいぐるみにして贈ったのが始まりとのこと。(→コチラ参照。) 以後人気が高まったアグリードールは2006年アメリカでToy of the yearを受賞する等の評価を得るとともに、uglyという言葉も否定的な意味一辺倒ではなくなってきたとか。つまりありのままの自分を肯定的に受け入れようということ。・・・という経緯を経て今回の劇場アニメ化へ。こんな背景もあってか韓国ではアメリカより2日早く公開。それに合わせて→中央日報等韓国各紙もキム・ソンミンさんのエピソードとともに紹介記事を載せています。で、物語は(ちょっとわかりくかったので(^^ ;)省略します。韓国題は「어글리 돌」。日本公開は未定のようです。
 6位「パンズ・ラビリンス」は、2006年のスペイン・メキシコ合作のダーク・ファンタジーの再上映。韓国題は「판의 미로 - 오필리아와 세 개의 열쇠(オフィリアと3つの鍵)」です。これは名作!
 7位その1の「ミス・スティーブンス」は、アメリカのドラマ。演技に特別な才能がある<要注意生徒>のビリー、完璧主義者の女王様マルゴー、可愛くフレンドリーなサム。こんな生徒たちを週末3日間開催される演劇大会に引率するのは、魅力的な英語の先生ミス・スティーブンス(リリー・レーブ)。毎日顔は見ていても互いによく知らない生徒同士。またスティーブンス先生自身も心に喪失感を抱えています。ビリーは何か傷を隠しているような先生に同質感を感じてか、目で追います・・・。そんな生徒たちと先生の、心のふれあいと成長をすくいとった作品。韓国題は「미스 스티븐스」。日本公開は未定のようです。
 7位その2の「フレンズ:巣脱出」は、ドイツのアニメ。カモメの家族の巣で育ったマヌーは、カモメではなく実はアマツバメの子。カモメの飛行学校で飛び方を教わるものの、その飛行法には適応できず、<醜い赤ちゃん鳥>になってしまいます。カモメ隊長のカリフは劣等生マヌーを巣から追い出そうとします。マヌーは、再びカモメ家族の一員になるために、仲間の助けを借りて空を飛ぶ大会の1等に挑戦することにします・・・。韓国題は「프렌즈: 둥지탈출」です。アマツバメはツバメとは別の鳥で、一度も着地することなく10ヵ月間も連続飛行するとのことですよ。つまり寝ている間にも飛んでるとか!

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・パンズ・ラビリンス・・・・・・2006/11/30 ・・・・・・・・・6,463 ・・・・・・・482,424 ・・・・・・・・・2,877・・・・・・・・・38
2(23)・・ミス・スティーブンス ・・・・・・・・・5/02 ・・・・・・・・・5,532 ・・・・・・・・・8,945・・・・・・・・・・・・72・・・・・・・・・64
3(1)・・闘う建築家 安藤忠雄(日本)・・・・4/25・・・・・・・・・・4,637 ・・・・・・・・18,104・・・・・・・・・・・150・・・・・・・・・53
4(新)・・カサブランカ ・・・・・・・・・・1949/01/16・・・・・・・・・・1,070 ・・・・・・・・16,122・・・・・・・・・・・・38 ・・・・・・・・・・1
5(2)・・イタズラなKiss[台湾版] ・・・・・・・・3/27・・・・・・・・・・・970 ・・・・・・・426,695 ・・・・・・・・・3,490 ・・・・・・・・・11

 1・2・4位の3作品が新登場です。
 1位「パンズ・ラビリンス」と2位「ミス・スティーブンス」については上述しました。
 4位「カサブランカ」は、映画ファンなら誰でも知ってる(?)名作の再上映。シルバー映画館での上映かな? 韓国題は「카사블랑카」です。
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