ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [6月18日(金)~6月20日(日)]と人気順位 ▶ベスト10唯一の韓国映画は<女校怪談シリーズ>の新作 ▶「キャラクター」は十分楽しめた(感動を求める作品じゃないし、ね…)

2021-06-24 23:51:52 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶6月、蒸し暑くなってくるとスリラーやホラー映画がほぼ洋の東西を問わず(?)定番のように公開されています。日本では6月18日に公開されたアメリカのホラー「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」は、韓国では今観客動員1位になっています。ただ、このところ韓国では自国作品が振るわず、大半はベスト10の多くはアメリカと日本(多くはアニメ)の作品が占めています。6月18日(金)~20日(日)のベスト10でも韓国映画はわずか1作品だけだったのですが、その作品名が「女校怪談 六番目の話:母校」でした。私ヌルボにとって大変懐かしいタイトルです。韓国ホラー<女校怪談シリーズ>の第1作「女校怪談」が日本でシネカノンの配給により公開されたのは2000年。もう21年も経つのですね。「美術館の隣の動物園」「シュリ」「ペパーミント・キャンディー」等と同じ頃で、韓国映画への関心が高まり始めた頃で、ブームになる直前といった時期でした。シリーズ6作中日本で公開されたのはその第1作だけですが、いかにも韓国の高校を思わせる内容でした。具体的には、ナムウィキの記事(→コチラ.韓国語)にあるように「幽霊が学校にやってきたのではなく、学校(のありよう)が幽霊を作ったのだ」というい社会批判的なメッセージも込められている作品」ということです。そのような「学校が子供の避難所、心が開放される場所ではなく、拷問や戦いの場になっている」という状況はその後どうなって来たのか知りたいところです。ナムウィキによれば、「後続作は原作のこのような主題意識を無視したまま「学校+恐怖」という外見だけに注目して作成されたせいで、単純に学校を舞台にしただけのホラー映画になってしまって評価も興行も落ち込んだ」とのことですが・・・。

▶この1週間で観た映画は次の3本です。
 ・「デカローグ/5.ある殺人に関する物語」★★★★☆
 ・「デカローグ/6.ある愛と娘に関する物語」★★★★ (各話1時間弱のTVドラマで、上映時間が短い分密度が濃いです。セリフから人間関係をまず理解していくのが作品によっては大変で、後から他の人のレビューやパンフ(\1,000。コンパクトだがこれまた密度が濃い)を見て初めて知ったこともいくつかありました。どれももう1度観たくなります。
 ・「キャラクター」★★★★ (評判通り楽しめた。ただ、それを越えた感動となると・・・。中盤辺りでの妻(高畑充希)の言葉でラストを予測したらその通りになる等、展開もあまり意外性はなかった。俳優陣の好演は多くのレビューに記されています。とくに今作が俳優デビューのFukaseが強く印象に残ります。次作はどうなるのかな? )

         ★★★ NAVERの人気順位(6月22日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 学校に行く道(韓国)  9.59(133)
②(3) 封鎖修道院カルトゥシオ(韓国)  9.34(74)
③(2) クルエラ  9.31(5,020)
④(4) 復活: その証拠(韓国)  9.30(419)
⑤(6) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.28(12,449)
⑥(7) 草間彌生∞INFINITY  9.24(17)
⑦(新) あの夏のルカ  9.23(368)
⑧(8) 私のお姉さんチョン・ジヒョンと私(韓国)  9.15(179)
⑨(-) えんとつ町のプペル(日本)  9.05(115)
⑩(9) SNS 少女たちの10日間  9.05(20)

 ⑦「あの夏のルカ」が新登場ですが、この作品については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(2) ノマドランド  8.00(8)
②(3) 帰れない二人  7.67(6)
③(4) アイダよ、何処へ?  7.67(3)
③(4) イントロダクション(韓国)  7.67(3)
⑤(7) ミナリ  7.58(12)
⑥(8) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑦(9) ファーザー  7.13(8)
⑧(10) ホワイト・オン・ホワイト  7.00(4)
⑨(-) いい光、いい空気(韓国)  7.00(2)
⑨(-) クルードさんちの新時代  7.00(2)

 新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月18日(金)~6月20日(日) ★★★
         韓国映画は5位の<女校シリーズ>久々の新作のみ

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(6)・・クワイエット・プレイス・・・・・・・6/16 ・・・・271,670・・・・・・・・379,695・・・・・・3,800・・・・・1,124
       破られた沈黙
2(1)・・クルエラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・162,726 ・・・・・1,225,477 ・・・・・11,807 ・・・・・・898
3(新)・・あの夏のルカ ・・・・・・・・・・・・・・・6/17・・・・115,818 ・・・・・・・133,393 ・・・・・・1,219・・・・・・・854
4(2)・・死霊館 悪魔のせいなら、無罪・・6/03 ・・・・51,068 ・・・・・・・720,884 ・・・・・・7,236 ・・・・・・614
5(新)・・女校怪談 六番目の話・・・・・・・・・6/17・・・・・48,576・・・・・・・・・65,532 ・・・・・・・・588・・・・・・・603
       :母校(韓国)
6(4)・・ワイルド・スピード ・・・・・・・・・・・5/19・・・・・33,016 ・・・・・2,253,632 ・・・・・21,714・・・・・・・489
       /ジェットブレイク
7(新)・・ヒットマンズ・ボディガード2・・6/23 ・・・・32,029 ・・・・・・・・34,202 ・・・・・・・・381・・・・・・・394
8(3)・・ラース・オブ・マン ・・・・・・・・・・・・6/09・・・・・16,545 ・・・・・・・218,982 ・・・・・・2,083・・・・・・・506
9(7)・・劇場版「鬼滅の刃」 ・・・・・・・・・・・・1/27・・・・・・8,030 ・・・・・2,139,164 ・・・・・20,554・・・・・・・187
       無限列車編(日本)
10(13)・・思い、思われ、ふり、ふられ<実写>(日本)・・6/16・・4,472・・10,422 ・・・・・・・・・88・・・・・・・149
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 3・5・7・10位の4作品が新登場です。
 3位「あの夏のルカ」はアメリカのアニメ。ピクサーの制作で、コロナ禍で劇場公開がなくなってDisney+での配信のみとなった「ソウルフル・ワールド」同様に、日本では6月18日にDisney+だけでアメリカと同時公開となりました。物語の舞台は1950年代の北イタリアの港町ポルトロッソ。そこの住民たちは海に住むシー・モンスターを恐れており、シー・モンスターたちも人間を恐れていました。そして2つの世界は海面で隔てられ、決して交わることはありませんでした。主人公のルカは好奇心一杯のシー・モンスターの少年で、海底に沈んでいる人間のものに興味を持ち、海以外の世界のことを知りたく思っていました。そして自称人間世界の専門家アルベルトと一緒に冒険を敢行しますが、水に触れるだけで海の怪物に変身する秘密のためにらはらするばかりです。 新しい友だちジュリアと一緒にジェラートとパスタを思う存分食べ、スクーター旅行を夢見る夏はただ楽しいだけなのですが、はたして彼らはいつまで秘密を隠し通せるでしょうか・・・? 韓国題は「루카」です。
 5位「女校怪談 六番目の話:母校」は1998年に始まる韓国の人気ミステリー&ホラー、<女校怪談シリーズ>の第6作です。第5作が09年公開だったので、ずいぶん間をおいての新作です。高校時代の記憶を失ったウニ(キム・ソヒョン)は母校に教頭(韓国では教監)として赴任してから、訳の分からない幻影と幻聴に苦しめられ始めます。被害者であるにもかかわらず問題児として追い出されたハヨン(キム・ヒョンス)は何かに惹かれるように入った学校の閉鎖されたトイレで、死霊の声を聞くことに。そこで同じ苦しみを抱えるウニと顔を合わせます。2人は校内で起こる怪奇現象がトイレにいる存在と関係があることを知り、死の恐怖に陥るのですが・・・。今、記憶の中に隠された衝撃的な真実が明らかになります! 原題は「여고괴담 여섯번째 이야기 : 모교」です。
 6位「ヒットマンズ・ボディガード2」(仮)は、アメリカのアクション&コメディ。「ヒットマンズ・ボディガード」(2017)の続編です。狂人殺し屋ダリウス(サミュエル・L・ジャクソン)の警護を務めた後、毎晩彼の悪夢を見ているボディガードのマイケル(ライアン・レイノルズ)の前に現れたのはダリウスの妻の無鉄砲女ソニア(サルマ・ハイエク)でした。「夫が拉致された」と告げ、いきなり彼を救うために行くべきだとマイケルに言うのですが・・・。1人でも手に余るのに、その彼の妻までプラスされる!?  さらに悪いことに、ヨーロッパ全域を危機に追い込む事件が連続的に発生し、インターポール[国際刑事警察機構]の秘密の依頼まで追加されることに・・・。韓国題は「킬러의 보디가드 2(キラーのボディガード2)」。日本では前作は本作は劇場未公開でしたがNetflixで配信されています。本作もそうなるかな? なお原題は「Hitman's Wife's Bodyguard(ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード)」ですが、長すぎるので韓国題を参考に<2>だけ付けて仮題としました。
 10位「思い、思われ、ふり、ふられ<実写>」は(例によって)私ヌルボは観ていません。浜辺美波の出演した映画も観ていません。避けてるわけじゃなく、たまたま。芸名っぽい名前が実は本名というということも今知りました。本作は日本ではとくに高い評価を得た作品ではなかったようですが、韓国ではネチズンの平均評点は8.59と比較的高ポイントが付いています。レビューには「とりあえず半分ほどは俳優たちのビジュアルで劇場に入ったが、ロマンスだけに偏らず人物ごとに成長の物語があってよかった」「観覧客の夏によく似合った清涼ロマンス。生き生きして爽やかな感性は、やはり日本のハイティーン物が最高」等々の賛辞が記されていました。韓国題は「사랑하고 사랑받고 차고 차이고」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・夏は一番寒い季節[少女佳禾] ・・・6/17・・・・・・2,391・・・・・・・・・・3,469・・・・・・・・・・・30・・・・・・・・87
2(新)・・クライミング(韓国) ・・・・・・・・・・・6/16・・・・・・1,799・・・・・・・・・・3,911・・・・・・・・・・・26・・・・・・・・95
3(3)・・復活: その証拠(韓国) ・・・2020/10/08・・・・・・・・842・・・・・・・・・50,022 ・・・・・・・・・414・・・・・・・・15
4(15)・・ミナリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/03・・・・・・・・546 ・・・・・1,132,605・・・・・・・10,201 ・・・・・・・・8
5(-)・・モーリタニアン ・・・・・・・・・・・・・・・・3/17・・・・・・・・371・・・・・・・・・41,895・・・・・・・・・・371・・・・・・・・・2

 1・2位の2作品が新登場です。
 1位「夏は一番寒い季節[少女佳禾]」は中国のドラマ。少女佳禾[ジャホ](ダン・アンシー.鄭恩熙)は3年前にお母さんを殺されました。その後彼女とお父さんの人生は滅茶苦茶です。彼女は友人らのいじめに遭い、お父さんとも自分の気持ちを話さなくなりました。そんなある日、偶然自分のお母さんを殺した少年于鐳[ユレイ](ガン・リー.李感)と遭遇します。予想よりも早く釈放された彼を見て彼女は怒りに包まれ、復讐したい気持ちで彼に意図的に接近するのですが・・・。韓国題は「그 여름, 가장 차가웠던(その夏、一番寒かった)」です。
 2位「クライミング」は韓国のアニメ。ジャンルはミステリー&ホラーです。3ヵ月前、交通事故を経験した女性セヒョンは世界クライミング大会を控えて、回復しないコンディションと競争に対する圧迫で悪夢に悩まされています。そんなある夜、事故当時故障していたセヒョンの携帯電話に電話がかかってきます。「あなたは私で、私はあなたよ」。他でもない、まさに<私>から。連絡を取り合うほど相互に接続されていることを感じる2人。結局セヒョンは別のセヒョンの妊娠が自分にも影響を与えていること知り、それ以後悪夢のような奇妙なことが起こり始めます・・・。原題は「클라이밍」です。
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