ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [7月9日(金)~7月11日(日)]と人気順位 ▶「哭声/コクソン」のナ・ホンジン監督が手がけた新作「ランジョン」 - タイの田舎町、巫女に神が憑依して…。(すごく怖いって?)

2021-07-15 22:49:51 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶先週の記事で最近観た映画の寸評と評点を書かず、この<韓国内の映画の興行成績>から切り離して別記事にすることを仄めかしましたが、順序が相前後してコチラの記事が先になってしまいました。6月22日以降今まで18本の映画を鑑賞しました。1回だと大変なので2~3回に分けて記事にする心づもりです。

▶今回の記事中の韓国映画で注目は何と言っても「ランジョン」です。正確にはタイとの合作ですが・・・監督はこれまで「チェイサー」(2008)・「哀しき獣」(2010)・「哭声/コクソン」(2016)といったヒット作を手がけてきたナ・ホンジン監督。「哭声/コクソン」と同様シャーマニズムを基調とした作品ですが本作は舞台がタイの地方の村で、タイトルもタイ語で<シャーマン(巫女)>の意味。詳しくは下の記事をご覧ください。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月14日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(-) 復活(韓国)  9.53(137)
②(4) ブータン 山の教室  9.40(167)
③(6) 子供たちは楽しい(韓国)  9.29(208)
④(8) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.28(12,598)
⑤(9) 草間彌生∞INFINITY  9.28(18)
⑥(5) 復活: その証拠(韓国)  9.27(422)
⑦(7) アイ・ウィル、ソング(韓国)  9.29(48)
⑧(10) クルエラ  9.25(6,654)
⑨(新) CCTV(韓国)  9.17(23)
⑩(-) 私のお姉さんチョン・ジヒョンと私(韓国)  9.13(181)

 ⑨「CCTV」が新登場です。韓国のホラー。10年前、8人が死亡、1人が行方不明になった前代未聞の殺人劇。その現場がCCTVに撮られていたため、< CCTV殺人事件>と呼ばれたこの恐ろしい事件には唯一の生存者がいました。その人物をあるユーチューバーが訪ねて行きます。ねらいは、YouTubeチャンネルの注目度を高め、チャンネル登録者の増加につなげること。ところが、生存者とのインタビューが始まると事件後の10年間隠されていた残酷な事実が明らかになり、実はまだ終わっていなかった復讐が10年ぶりに終わりを迎えることに・・・。原題も「CCTV」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ノマドランド  8.00(8)
②(2) 水を抱く女  8.00(6)
③(3) 夏時間[ハラボジの家](韓国)  7.83(12)
④(4) 帰れない二人  7.67(6)
⑤(5) イントロダクション(韓国)  7.67(3)
⑥(6) ミナリ  7.58(12)
⑦(8) ブータン 山の教室  7.00(5)
⑧(9) ホワイト・オン・ホワイト  7.00(4)
⑨(-) 私は私を解雇しない(韓国)  6.88(8)
⑨(新) ランジョン(韓国・タイ)(韓国)  6.88(8)

 ⑨「ランジョン」が新登場です。この作品については後述します。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月9日(金)~7月11日(日) ★★★
         「ブラック・ウィドウ」が新登場で他を圧倒し1位に位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・ブラック・ウィドウ・・・・・・・・・・7/07・・・・・984,518 ・・・・・1,366,504・・・・・13,904 ・・・・2,526
2(1)・・非通知着信(韓国)・・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・65,594 ・・・・・・・894,240・・・・・・8,539・・・・・・・680
3(2)・・クルエラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・・60,589 ・・・・・1,856,051・・・・・17,989 ・・・・・・540
4(新)・・ランジョン(韓国・タイ) ・・・・・・7/14 ・・・・・44,211・・・・・・・・・47,685・・・・・・・・516・・・・・・・496
5(3)・・クワイエット・プレイス・・・・・・・6/16 ・・・・・22,766 ・・・・・・・842,641・・・・・・8,361・・・・・・・382
       破られた沈黙
6(4)・・あの夏のルカ ・・・・・・・・・・・・・・・・6/17・・・・・16,900 ・・・・・・・357,196・・・・・・3,272・・・・・・・360
7(新)・・富川国際ファンタスティック映画祭2021・・11,681 ・・・・・・・13,457・・・・・・・・・67・・・・・・・・・6
       ファンタスティック短編傑作選1
8(10)・・怪奇マンション(韓国)・・・・・・・・6/30 ・・・・・5,006・・・・・・・・・26,682・・・・・・・・270・・・・・・・・62
9(8)・・死霊館 悪魔のせいなら、無罪・・6/03 ・・・・・3,845・・・・・・・・796,247・・・・・・7,993・・・・・・・・58
10(5)・・ヒットマンズ・ボディガード2・・6/23・・・・・3,513・・・・・・・・378,058・・・・・・3,721・・・・・・・140
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
 1位「ブラック・ウィドウ」は、日本でも1日遅れの7月8日公開されています。全国の多くの映画館で一斉に・・・、と思ったら島根県と高知県は上映館ナシなんですね、今のところ。うーむ。韓国題は「블랙 위도우」です。
 4位「ランジョン」は韓国・タイ合作のドラマ&スリラー。公開前から注目度が高く、先行上映ですでに多数の劇場で公開されています。「哭声/コクソン」のナ・ホンジン監督が企画・制作した作品です。タイ東北部のイサーン地域の田舎町を舞台にした、これもシャーマニズムを素材とした映画。ということは、本作も「哭声」と同じようなフンイキか?とも思いましたが、監督は「前作のイメージを払拭しようと思った」とのことです。監督はタイのバンジョン・ピサヤタナクーン監督。タイトルはその地のバヤン神という氏神[祖先神]を祀る巫女(or霊媒、シャーマン)を指す言葉だそうです。イサーンの人々は、家の中、森、山、木、畑等まですべてのものに魂が宿っていると信じています。物語の主人公は巫女のニム。先祖代々バヤン神を祀る巫女の家門に生まれた女性ですが、姉のノイが巫女になることを拒んだため彼女がかわって巫女となりました。ところが今、ニムはノイの娘のミンの状態が尋常ではないことを直感します。ミンは日増しに異常な症状が深刻化してきています。ニムは悪魔祓いの儀式を行うことになります。巫女を取材するためにニムと同行していた撮影チームは憑依(降神)がミンに相続される瞬間を捉えるためにミンとニム、そして家族に広がるミステリアスな現象をカメラに収め始めます・・・。原題は「랑종」です。このようにフェイク・ドキュメンタリーの体裁をとった作品で、あらすじを読んだだけではわかりませんが観た人たちの多くが「すごく怖い」と語ってます。映画誌「シネ21」のナム・ソヌ記者は「徐々に佳境に入る憑依。締め付けられる恐怖。劇場から逃げたかった」と寸評を記しています。
 7位「富川国際ファンタスティック映画祭2021 ファンタスティック短編傑作選1」は、目下(7月7日~17日)の<第25回富川国際ファンタスティック映画祭>の1部門です。(上記の「ランジョン」もこの映画祭のコンペティション部門<富川チョイス>の中で初上映されました。) 原題は「BIFAN2021 판타스틱 단편 걸작선 1」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(42)・・ギリシャは呼んでいる・・・・・・・・・・7/08・・・・・・・1,454 ・・・・・・・・・2,483・・・・・・・・・・・22 ・・・・・・・47
2(2)・・輝く瞬間(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・6/30・・・・・・・・・964 ・・・・・・・・14,048・・・・・・・・・・119 ・・・・・・・60
3(1)・・チェルノブイリ:アビス・・・・・・・・・6/30・・・・・・・・・551 ・・・・・・・・23,488・・・・・・・・・・197 ・・・・・・・39
4(6)・・学校に行く道(韓国)・・・・・・・・・・・・・5/05・・・・・・・・・424 ・・・・・・・・25,331・・・・・・・・・・191・・・・・・・・・4
5(5)・・クレッシェンド ・・・・・・・・・・・・・・・・6/24・・・・・・・・・975・・・・・・・・・・5,942・・・・・・・・・・・49・・・・・・・・31

 1位「ギリシャは呼んでいる」(仮)が新登場です。イギリス・ギリシャ合作のコメディ&ドラマ。イギリスのマイケル・ウィンターボトム監督が有名なコメディアンのロブ・ブライドンと俳優としても活躍しているスティーブ・クーガンをそのまま役名として起用したグルメ取材旅行シリーズの4作目です。イギリス、イタリア、スペインに続く今作では、スティーブとロブはオブザーバー紙の提案でオデュッセウスの冒険を追う5泊6日の旅に出ます。トルコのアソス遺跡をはじめとギリシャのアテネ、そしてオデュッセウスの故郷イサカ等々を巡る旅です。が、たぶん今回も俳優の物真似やおしゃべりがかなりの部分を占めるのでは?(かなりの映画通・西洋史通でないとついていけない?) 韓国題は原題そのままの「트립 투 그리스(The Trip to Greece)」ですが、日本では第2、3作が「イタリアは呼んでいる」「スペインは呼んでいる」だったので、それに準じて仮題としました。日本公開は未定のようですが、たぶん公開あり、かな?。
コメント
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