ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [7月16日(金)~7月18日(日)]と人気順位 ▶ロングヒットの「花束みたいな恋をした」、韓国でも公開 -感触は「わりと良い」(?)

2021-07-23 23:03:06 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶「花束みたいな恋をした」が韓国でも7月14日公開。この作品で私ヌルボがちょっと注目していたのは、若い男女の知合い方ツキアイ方、結婚前の同居やセックス、親との関係等々で日韓間の常識や倫理観の違いもありそうなので、そこらへんのギャップが評価や観客動員数に反映されたりもするのかな?ということ。そこで関係の数値を見たりレビュー等を読んだりしましたが、そんなに目立つような傾向は見出せませんでした。ネチズンの平均評点9.00を超え(私ヌルボの感触では)「わりと良い」といったところで、観客動員数もベスト10の7位。まあ今後に注目といったところです。
 なお、本作について映画ジャーナリストのチョン・シウさんがに長めのコメントを寄せていたので抜粋して紹介しておきます。
     現実感あふれる愛の生老病死  評点7/10
 恋愛の強大な敵、それは時間である。
 「花束みたいな恋をした」は時間と共に変貌する愛の「生老病死」をリアルに表現した映画だ。誰もが知っている感情だから近寄りやすいが、誰も知っているゆえに手を付けるのは容易ではない素材。映画は演出者が付与した情緒的な深さと俳優たちの好演によって幅広く訴えかける普遍性を持っている。倦怠期に入ったと思った日本の恋愛映画がまだ生きていることを知らせる花束のような映画でもある。

 最後の一文が喜んでいいのか何というか、苦笑いといったとこですね

▶今回は初登場の韓国映画でとくに注目作は見当たりませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月20日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 復活(韓国)  9.53(137)
②(3) 子供たちは楽しい(韓国)  9.29(209)
③(4) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.28(12,684)
④(8) クルエラ  9.24(6,855)
⑤(9) CCTV(韓国)  9.19(26)
⑥(新) 今度はうまくいくだろう(韓国)  9.08(79)
⑦(-) あの夏のルカ  9.06(855)
⑧(-) ジョゼと虎と魚たち(日本)  9.02(225)
⑨(新) 花束みたいな恋をした(日本)  9.00(157)
⑩(-) クレッシェンド  9.00(39)

 ⑥と⑨の2作品が新登場です。
 ⑥「今度はうまくいくだろう」は韓国のコメディ。元エロ映画監督、現チキン店社長のスンフン(ユン・ダフン)に新型コロナウイルスという人生最悪の危機が訪れ、家族のようだったチキン店の仲間たちまで送り出さなければならない状況になります。そんなスンフンの前にブロックバスター大作の雰囲気を感じさせるシナリオが現れ、今一度再起を夢見るものの、それはたやすいことではありません。行く先々ですげなく拒絶され、順調だった映画撮影にも予測不可能な状況が次々に広がっていきます。「ここを何とか持ちこたえれば、今度はうまくいく!」とスンフンは必死でくり返すのですが・・・。原題は「이번엔 잘 되겠지」です。
 ⑨「花束みたいな恋をした」、日本では1月29日に公開されたこの作品はロングヒットを続けていて、現在もテアトル新宿等で上映されています。韓国での評価等については記事冒頭に書きました。韓国題は「꽃다발 같은 사랑을 했다」です。

     【記者・評論家による順位】

①(-) Mank/マンク  8.14(7)
②(1) ノマドランド  8.00(8)
③(2) 水を抱く女  8.00(6)
④(5) イントロダクション(韓国)  7.67(3)
⑤(8) ホワイト・オン・ホワイト  7.00(4)
⑥(9) 私は私を解雇しない(韓国)  6.88(8)
⑦(-) 輝く瞬間(韓国)  6.83(6)
⑦(-) イン・ザ・ハイツ  6.83(6)
⑨(-) 一人暮らしの人々(韓国)  6.71(7)
⑩(-) ブラック・ウィドウ  6.70(10)

 新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月16日(金)~7月18日(日) ★★★
         「ブラック・ウィドウ」が2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ブラック・ウィドウ・・・・・・・・・・・7/07 ・・・・445,521 ・・・・・2,139,237・・・・・21,794 ・・・・1,577
2(4)・・ランジョン(韓国・タイ)・・・・・・・7/14 ・・・・305,155・・・・・・・・558,574・・・・・・5,794・・・・・1,403
3(24)・・エスケープ・ルーム・・・・・・・・・・7/14 ・・・・・78,599 ・・・・・・・112,446・・・・・・1,111・・・・・・・728
       :トーナメント・オブ・チャンピオンズ
4(3)・・クルエラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・・31,201 ・・・・・1,914,680・・・・・18,578 ・・・・・・385
5(2)・・非通知着信(韓国)・・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・17,561 ・・・・・・・935,160・・・・・・8,931・・・・・・・424
6(新)・・スペース・プレイヤーズ・・・・・・7/15 ・・・・・12,093 ・・・・・・・・・14,042 ・・・・・・・129・・・・・・・521
7(新)・・花束みたいな恋をした(日本)・・7/14・・・・・・8,668 ・・・・・・・・・20,806 ・・・・・・・197・・・・・・・198
8(6)・・あの夏のルカ ・・・・・・・・・・・・・・・6/17・・・・・・・6,183・・・・・・・・367,108・・・・・・3,357・・・・・・・142
9(新)・・オフィーリア 奪われた王国・・7/14・・・・・・4,759 ・・・・・・・・・・8,008・・・・・・・・・71・・・・・・・117
10(5)・・クワイエット・プレイス・・・・・・6/16 ・・・・・・4,681・・・・・・・・855,210・・・・・・8,488・・・・・・・105
       破られた沈黙
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 3・6・7・9位の4作品が新登場です。
 3位「エスケープ・ルーム:トーナメント・オブ・チャンピオンズ」(仮)は、アメリカのホラー「エスケープ・ルーム」(2019)の続編で、前作で生き残った者たちが本作でもアップグレードされた<ゲーム>の対象者にされてしまいます。出口のない脱出ゲームでかろうじて生き残ったゾーイ(テイラー・ラッセル)とベン(ローガン・ミラー)の2人は、ゲームを設計した謎の組織ミノスの実体を明らかにするためにニューヨークに向かいます。ところが2人は正体不明の男に巻き込まれて、地下鉄に閉じ込められてしまいます。瞬間、他の車両とは分離された車両には超高圧電流が流れ始め、そしてそこにいる6人すべてが先のゲームの生存者であることが明らかになります。命をかけた脱出ゲームが再開されたことを直感した彼らは、ニューヨークを背景に繰り広げられる極限状況で生き残るための死闘を繰り広げるのですが・・・。韓国題は「이스케이프 룸 2: 노 웨이 아웃(エスケープ・ルーム2:ノー・ウェイ・アウト)」ですが、原題「Escape Room: Tournament of Champions」をそのまま音訳して仮題としました。全米公開が7月16日なのに、韓国はそれより2日早く公開しています。これまで何度かそんな例がありましたが、なんで可能なんでしょうね? なお日本公開は未定のようです。
 6位「スペース・プレイヤーズ」は、アメリカの冒険・コメディ実写アニメ。あのマイケル・ジョーダン選手が主演した実写アニメ「スペース・ジャム」(1996)の25年ぶりの続編です。本作でもバスケットボールのスター選手レブロン・ジェームズが本人役で出演しています。物語はまさにSF。レブロンが頭を悩ませていた息子ドンがある日ひょんなことからワーナー・ブラザースのサーバーに吸い込まれ、謎の男に拘束されてしまいます。ドンを救うべく、レブロンもサーバーへ飛び込んでいきます。そしてレブロン父子はバックス・バニーたちと協力してバーチャルワールドの支配を企む悪者と対決することに・・・。韓国題は「스페이스 잼: 새로운 시대(スペース・ジャム: 新しい時代)」。本作も7月16日の全米公開より1日早い公開です。日本公開は8月27日です。
 7位「花束みたいな恋をした」については上述しました。
 9位「オフィーリア 奪われた王国」は、シェイクスピアの「ハムレット」を王子ハムレットの恋人オフィーリアの視点から描いたドラマ&ラブストーリー。知性と自由を持っオフィーリア(デイジー・リドリー)は王妃ガートルード(ナオミ・ワッツ)の寵愛を受けて王室の侍女になります。王室の規律にとらわれないオフェリアに一目惚れした王子ハムレット(ジョージ・マッケイ)は運命的な愛に落ちますが、身分の格差により2人の愛は危機を迎えます。先王の突然の死に王国は混乱に陥る中、オフィーリアはこの事件の背後に大きな陰謀が隠されていることを知りますが・・・。韓国題は「오필리아」。日本では劇場公開はなく、昨年5月以降WOWOWでの放映や配信、レンタルDVD等による鑑賞が行われています。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・オフィーリア 奪われた王国・・・・7/14 ・・・・・・4,759 ・・・・・・・・・・8,008 ・・・・・・・・・71・・・・・・・117
2(36)・・振り逃げ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・6/03 ・・・・・・3,008・・・・・・・・・12,229 ・・・・・・・・・93 ・・・・・・・・・3
3(62)・・ファーザー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/07・・・・・・・1,429・・・・・・・・・47,779・・・・・・・・402・・・・・・・・・・2
4(新)・・ブドウの木から・・・・・・・・・・・・・・・・7/15・・・・・・・1,182 ・・・・・・・・・・1,467・・・・・・・・・13・・・・・・・・・34
5(再)・・奇談(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・2007/8/01・・・・・・・1,089 ・・・・・・・645,757・・・・・・4,138・・・・・・・・・26

 1・4位の2作品が新登場です。
 1位「オフィーリア 奪われた王国」については上述しました。
 4位「ブドウの木から」(仮)はイタリア・カナダ合作のドラマ&コメディ。カナダの自動車会社CEOのマーク(ジョー・パントリアーノ)はこれまで仕事オンリーで忙しく生きてきました。ところが、ふと残された人生をどのように生きるべきかという悩みに陥った彼は、自分の信念に反する会社を辞めて故郷のイタリアのアチェレンツァに旅立ちます。美しい小さな町で純粋だった子供時代を思い出したマークは、祖父が残したブドウ畑を蘇らせ、ワインを作ることにしましたが、彼の無謀な挑戦に村の住民は夢からさめろと引き止め、家族の反対にもぶつかります。休止符が必要なあなたのための甘い人生リセットの旅が始まります・・・。韓国題は「와인 패밀리(ワイン・ファミリー)」ですが、英題「From the Vine」を直訳して仮題としました。日本公開はなさそう、かな?
 なお、5位「奇談」は、韓国の旧作ホラーの再上映です。時代は日本の統治期の1942年。物語の舞台は京城最高の医療技術が整った安生病院。京留学中だったエリート医師夫婦のイニョン(キム・ボギョン)とドンウォン(キム・テウ)が赴任し、院長の娘との政略結婚を控えた医大実習生のジョンナム(ジング)は、幼年時代の事故で足が不自由な天才医師のスイン(イ・ドンギュ)と共に京城での生活を始めます。しかし、それぞれ秘密の愛に陥った彼らは、だんだん破滅の恐怖と向き合うことになります・・・。原題は「기담」です。
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