ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [5月13日(金)~5月15日(日)]と人気順位 ►マ・ドンソク主演「犯罪都市」の続編公開 ►緊迫の会話劇「Mass」(米)の日本公開希望

2022-05-20 01:22:13 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事中の韓国映画の中で一般的な注目作はやっぱり「犯罪都市2」ですね(右画像)。「犯罪都市」(2017)から4年後という設定の続編ですが、今回は舞台をベトナムにまで拡げます。ももちろんマ・ドンソクが活躍するのは同じ・・・って何か新味もあるのかな? もちろん日本でも公開確定のようですが、いつになるかは不明。

▶韓国映画以外でぜひ日本で公開してほしい作品は《記者・評論家による順位》で⑦位に入っているアメリカ映画「マス(Mass)」(仮)です。ストーリーは下の記事を読んでくださいね、ということで、要は大部分が教会内の一室で2組の夫婦が話をするだけ(!)という会話劇なのですが、設定からして緊迫感が漂う目が離せない作品のようです。数多くの映画賞を獲得し、釜山国際映画祭でも上映された作品。観た人のレビュー中に「本作がアカデミー賞作品賞にノミネートされなかったのはテーマが重なる部分が多い「ドライブ・マイ・カー」が選ばれたからだ」という記述があったのは(当否は措くとして)なるほどなーと思った次第です。

▶本ブログで「ぜひ日本で公開してほしい」と書いたり内心で思ったりしていた作品がそれなりにすでに公開されたり近日公開となったりしています。下の2作品のポスターはいずれも5月16日徒歩圏内のkino cinema 横浜みなとみらいで見かけて撮ったものです。この他にも中国の作家閻連科[えん・れんか]の小説「人民に奉仕する」を原作とする韓国映画が「愛に奉仕せよ」というタイトルに変わって6月24日公開されます。小説は先月読み、さすがノーベル文学賞の有力候補と思いました。(が映画の方はそんなに期待はしてません。)
     
【 「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」(5月20日公開)と、「リコリス・ピザ」(7月1日公開)。】

    ★★★ NAVERの人気順位(5月18日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 役割たち(韓国)  9.94(31)
②(-) ログブック(韓国)  9.69(39)
③(2) しなやかに(韓国)  9.50(16)
④(6) アクション童子(韓国)  9.40(15)
⑤(3) SING/シング:ネクストステージ  9.39(2,661)
⑥(新) 犯罪都市2(韓国)  9.36(108)
⑦(4) マリムさんをよろしく(韓国)  9.32(121)
⑧(-) 手紙と線路と小さな奇跡(韓国)  9.25(6,135)
⑨(5) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.25(1,490)
⑩(7) コーダ あいのうた  9.14(934)

 ⑥「犯罪都市2」が新登場ですが、この作品については後述します。
 ②「ログブック」は2014年4月16日のセウォル号沈没事故の時に真っ先に救助活動に当たった民間潜水士たちについてのドキュメンタリーです。もう8年経ったのですね。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(-) ファースト・カウ  8.40(10)
③(2) 偶然と想像(日本)  8.40(5)
④(3) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑤(4) アフター・ラヴ  7.60(5)
⑥(5) ベルファスト  7.50(10)
⑦(新) マス  7.50(2)
⑧(6) パラレル・マザーズ  7.43(7)
⑨(8) 8月のエバ  7.40(5)
⑩(9) スペンサー ダイアナの決意  7.38(8)

 ⑦「マス」(仮)が新登場です。アメリカのドラマ。ある教会内の一室で2組の夫婦がずーっと喋っている場面が続く会話劇です。両夫婦とも6年前のある事件で高校生の息子を失くしたという共通点があります。ジェイ(ジェイソン・アイザックス)&ゲイル(マーサ・プリンプトン)夫妻はその悲しみから立ち直れず、セラピストの勧めでリチャード(リード・バーニー)&リンダ(アン・ダウド)夫婦と会って話し合うことになったのです。観客は彼らの話を聞くうちにその事件のことを知り、また両夫婦の立場が決定的に異なることがわかります。それはそれぞれの息子が被害者と加害者であるということ。親たちははたしてその深い溝を越えて理解し合うことができるものなのか・・・。原題の「Mass」は<多数/大量>と<(教会の)ミサ>の2つの意味を含んでいるとか・・・。韓国題は「매스」。冒頭にも記しましたが、日本公開を期待したい作品です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月13日(金)~5月15日(日) ★★★
       「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」が他を圧倒して2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ドクター・ストレンジ ・・・・・・5/04 ・・・・・808,954 ・・・・・4,906,570 ・・・・・52,379・・・・2,495
       /マルチバース・オブ・マッドネス
2(新)・・犯罪都市2(韓国)・・・・・・・・・5/18 ・・・・・131,736 ・・・・・・・182,937・・・・・・・1,980・・・・・・463
3(2)・・バッドガイズ ・・・・・・・・・・・・・5/04 ・・・・・・58,825 ・・・・・・・330,859・・・・・・・3,159・・・・・・720
4(4)・・親の顔が見たい(韓国)・・・・・・4/27 ・・・・・・23,729・・・・・・・・393,163 ・・・・・・3,778・・・・・・444
5(3)・・映画おしりたんてい ・・・・・・・5/05 ・・・・・・19,194・・・・・・・・137,231 ・・・・・・1,276・・・・・・500
       スフーレ島のひみつ(日本)
6(5)・・ファンタスティック・・・・・・・・4/13 ・・・・・・14,743・・・・・・1,184,371 ・・・・・12,200・・・・・・300
       ・ビーストとダンブルドア
7(24)・・オペレーション・ミンスミート・・5/11 ・・13,365・・・・・・・・・25,723 ・・・・・・・・254・・・・・・459
       -ナチを欺いた死体-
8(40)・・オンマ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/11・・・・・・10,417・・・・・・・・・16,040 ・・・・・・・・141・・・・・・187
9(6)・・ソウル怪談(韓国)・・・・・・・・・・・4/22 ・・・・・・・9,248 ・・・・・・・109,060 ・・・・・・1,041・・・・・・143
10(新)・・おんぶ(韓国)・・・・・・・・・・・・・5/11 ・・・・・・・6,847 ・・・・・・・・13,364・・・・・・・・・122・・・・・・289
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 2・7・8・10位の4作品が新登場です。
 2位「犯罪都市2」は観客動員数約688万人を記録した「犯罪都市」(2017)の続編です。
 加里峰洞(カリボンドン)掃討作戦から4年後、衿川[クムチョン]署の対ヤクザの強力班はベトナムに逃走した容疑者を引き連れて来いとのミッションを受けます。強力班の<怪物刑事>マ・ソクト(マ・ドンソク)とリーダーのチョン・イルマン(チェ・グィハ)班長は容疑者に怪しさを感じて、彼の背後に無慈悲な悪行を重ねているカン・ヘサン(ソン・ソック)がいることを知ります。マ・ソクトと衿川署強力班は韓国とベトナムを行き来し、歴代級の犯罪を目論むカン・ヘサンを本格的に追い始めるのですが・・・。悪い奴を捕まえるのに国境はない! 痛快で強烈な犯罪掃討作戦が再び繰り広げられます・・・。原題は「범죄도시 2」です。
 7位「オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体-」はイギリスの戦争ドラマ。日本では2月18日に公開されているので説明等は省略します。韓国題は「민스미트 작전(ミンスミート作戦)」です。
 8位「オンマ」はアメリカのホラー。「死霊のはらわた」等カルト映画の監督として知られるサム・ライミのプロデュースによる作品です。英題(原題)は「UMMA」、韓国題は「엄마(オンマ)」=<お母さん>で、ポスターも画面いっぱいの(ちょっと不気味な)韓国人女性の顔なので韓国映画かと思ったらアメリカ映画でした。しかし監督はアイリス・シムは移民韓国人の家に生まれ育ったアメリカ人で、主演女優で過去ゴールデングローブ賞(テレビ部門)を受賞したサンドラ・オーも生まれも国籍もカナダですが両親とも移民韓国人です。本作はそんなアジア系アメリカ人等のアイデンティティや世代論などにも関わるようです。そして物語の基調にはハリウッド注目の<K-カルチャー>があるとか。具体的には祭祀(チェサ)、韓服、仮面(タル)、あやとり遊び等が登場して韓国の雰囲気を醸し出します。
 物語の舞台はアメリカのある田舎の農場。そこでアマンダ(サンドラ・オー)は10代の娘クリス(ファイベル・スチュワート)と2人で静かに暮らしてきました。彼らは養蜂場を持っていて蜂蜜を売って生計を立てています。アマンダは子供時代のトラウマのためあえて電気のような技術文明を忌避しているため、2人はテレビを見る代わりにボードゲームを楽しんでいます。ところがある日、叔父が彼女の所に韓国で最近亡くなったオンマの遺灰を届けると、その時から正体不明の現象が起こり始め、彼女たちの牧歌的なライフスタイル生活は崩壊します。アマンダにとってオンマに少しでも似ることは恐ろしく、そのため彼女は自分や娘が子供時代を思い起こすような過去を隠してきました。しかしオンマの遺灰が契機となってアマンダは自分が死んだオンマ自身になるという恐怖に取り憑かれてしまったのです。それは彼女の静かな生活がホラーに変わる時でした・・・。
 10位「おんぶ」は韓国の家族ドラマ。<おんぶ号>の船長ジョンボム(チョン・ジュノ)は釜山の海沿いの浦口の伊達男。分別のない弟ジョンフン(チェ・デチョル)の突然の結婚宣言と、せがれノマ(イ・エルビン)の初恋、友達との友情まで、愛する家族を守るために日々孤軍奮闘しています。そんなある日、自身の分身であり息子ノマにとっては母親のような存在の<おんぶ号>が奪われる危機に瀕する事態になってしまいます・・・。愉快に笑う場面もあればジーンと涙が滲む場面もある家族のドラマです。原題は「어부바」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・おんぶ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・5/11・・・・・・・・・6,847・・・・・・・13,364・・・・・・・・・122・・・・・・・289
2(1)・・偶然と想像(日本)・・・・・・・・・・・・・・5/04 ・・・・・・・・3,010・・・・・・・14,803・・・・・・・・・148・・・・・・・・54
3(11)・・WALK WITH ME・・・・・・・・・・・・・5/12 ・・・・・・・・1,626 ・・・・・・・・2,316・・・・・・・・・・22・・・・・・・・53
       マインドフルネスの教え
4(新)・・死霊匣 SHIRYOBAKO・・・・・・・・・5/12・・・・・・・・・・・714・・・・・・・・・1,123・・・・・・・・・・11 ・・・・・・・45
5(2)・・恋する惑星 ・・・・・・・・・・・・・1995/4/20・・・・・・・・・・・549・・・・・・・・94,211 ・・・・・・・・889・・・・・・・・14

 1・3・4位の3作品が新登場ですが、1位「おんぶ」のについては上述しました。。
 3位「WALK WITH ME マインドフルネスの教え」はイギリスのドキュメンタリー。世界中の人々に平和と幸福の教えを残したベトナムの禅僧ティク・ナット・ハン(1926~2022)はベトナム戦争中被災者や難民の救済を行ったり孤児たちの支援等の活動を続けてきました。しかし1973年のパリ平和会議の後ベトナム政府から帰国を拒否されたため1982年に南フランスのボルドー近郊に設立したプラムヴィレッジ瞑想センターを拠点に社会的活動を継続するとともに、その教えにひかれて集まる多くの人々に瞑想指導を始めました。そんな彼をマーク・フランシス監督が訪ね、美しい自然の中で共に歩き、食べ、働き、茶を飲みつつ3年にわたって過ごした日常を記録した作品です。またマインドフルネスとは彼が仏教の中心であると説いた瞑想の実践形態のことです。韓国題は「나를 만나는 길(私と出会う道)」。日本では2018年に公開されていたようです。
 4位「死霊匣 SHIRYOBAKO」はイギリスのホラー。ケイシーはおもちゃ博物館で管理係として働き始めます。彼はある日物寂しい気分を感じさせるジャック・イン・ザ・ボックスという寄贈品のおもちゃを見て、我知らずハンドルを回します。するとそこから飛び出したのは子供たちのおもちゃと呼ぶにはあまりにも不気味なピエロ人形でした。こうして1度開かれたピエロ人形はその後恐ろしい生き物になって接近する人々を1人2人と箱の中に引き入れます。ケイシーは人々が1人ずつ消えていく理由がジャック・イン・ザ・ボックスの呪いであることに気づき、その驚くべき秘密を調べますが・・・。はたしてケーシーはこの恐ろしい悪夢を終わらせる方法を見つけられるか? それとも自分も呪いの犠牲者になるのでしょうか・・・。韓国題は「잭 인 더 박스(ジャック・イン・ザ・ボックス)」。日本では2020年からレンタルDVDや配信はありますが劇場公開はありません。
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