さて、「大韓民国大統領」について。ドラマ「キングメーカー」、ドキュメンタリー「戦闘王」に続く大統領選挙がらみのドキュメンタリー作品です。韓国の政治関係のドキュメンタリーというと「例外なく」と言っていいくらい党派性が明確な作品がほとんどで、それも進歩系。「戦闘王」はやっぱりな~といった感じ。しかしウンザリする作品ばかりと決まってるわけでもなく、2012年にMBCを不当解雇されたチェ・スンホ監督による「共犯者たち」(2018年日本で一般公開)などはは(後に聞いたその後の展開も含めて)とても興味深く観ました。
ところが本作は[1]決まりきったドキュメンタリーは作らない。[2]政治を扱うが最も政治的ではないことを目指す。[3]主人公は大統領や大統領になりたいという人々ではなく国民であることを忘れない。[4]答えを出そうとせずに観客がそれぞれの問いや悩みを抱えて行ける映画を作る。[5]陣営に閉じ込められずにさまざまな声を聞く。・・・といった制作方針の下に国会議員、元補佐官、政治ユーチューブ、歴史学者等約20人余り、そして市民50人余を対象にインタビューを行ったとか。まあ良くも悪くも優等生的というべきか。
質問も大統領選挙で初めて投票した記憶から各自が考える大韓民国大統領の意味、正義、徳目、大統領に望む点等々だし・・・。それを「彼らの話を聞いてみると1期5年の大統領直選制30年の歴史と共に韓国の現代政治史が順調に流れてきたことが歴代大統領の映像資料等で一目瞭然にまとめる」と評しちゃってる評論家氏、ギョーギ良すぎでないの? 「韓国で大統領という存在の役割、意味、矛盾、歴史などに対する多角的考察だが、元大統領がインタビューで参加できないアイロニーは韓国政治史の苦い現実だ」等とそれなりにスパイスをふりかけて4/10ボイントしか付けなかったジャーナリストの方がまっとうでしょう。
また本作の脚本家氏は「市民へのインタビューでは「大統領」というテーマについて話すこと自体を嫌がる方がいた。政治の話をすることで自分に何か不都合なことがあるかもと心配する人がたくさんいたし、特に本人の姿が映画に撮られるということに負担を感じたのだ。韓国社会がまだ政治についてカメラの前で話すことに拒否感を持っているという考えのためだった」と語ってますが、それってフツーの感覚じゃないのかなー?
この作品、まずあらすじを読んでそのユニークさに惹かれました! それから主演なんですが、ポスター(右画像)見て誰かわかりますか? ニコラス・ケイジ。「リービング・ラスベガス」(1955)でアカデミー賞主演男優賞を受賞してもう四半世紀以上たったのか。私ヌルボの好みには合わない感じで「リービング~」も観てないんですけど、彼もあと2年で60歳、なかなかいい味出してるではないですか。・・・というところで→予告編も見てみてください。
★★★ NAVERの人気順位(2月23日(水)現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(新) 戦闘王(韓国) 9.66(287)
②(1) 孝行息子(韓国) 9.54(56)
③(3) SING/シング:ネクストステージ 9.42(2,513)
④(新) 劇場版 呪術廻戦 0(日本) 9.42(564)
⑤(-) コーダ あいのうた 9.22(744)
⑥(7) ミシン縫製工だった少女たち(韓国) 8.94(71)
⑦(新) 大韓民国大統領(韓国) 8.91(34)
⑧(9) スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム 8.87(19,286)
⑨(10) 休暇(韓国) 8.87(76)
⑩(6) 劇場版 こんにちはチャドゥよ:済州島の秘密(韓国) 8.81(165)
①④⑦の3作品が新登場ですが、①と④については→1つ前の記事で紹介しました。
⑦「大韓民国大統領」は韓国のドキュメンタリー。ドラマ「キングメーカー」、ドキュメンタリー「戦闘王」に続く大統領選挙がらみの作品です。この作品については冒頭に記した通りです。原題は「대한민국 대통령」です。
【記者・評論家による順位】
①(1) ドライブ・マイ・カー(日本) 8.44(9)
②(-) パワー・オブ・ザ・ドッグ 7.75(4)
③(-) ドント・ルック・アップ 7.60(5)
④(2) DUNE/デューン 砂の惑星 7.56(9)
⑤(3) ウエスト・サイド・ストーリー 7.50(8)
⑥(4) リコリス・ピザ 7.33(6)
⑦(5) スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム 7.09(11)
⑧(6) フランス 7.00(5)
⑨(新) ピッグ 7.00(5)
⑩(7) あなたの顔の前で(韓国) 7.00(2)
⑨「ピッグ」が新登場です。アメリカのドラマ。舞台はアメリカ、カリフォルニア州の北に接するオレゴン州。かつてはポートランドで料理人として腕を振るっていたロブ(ニコラス・ケージ)は、妻のローリー(カサンドラ・ヴァイオレット)を亡くしてからは森の奥深くで名前を捨ててトリュフ豚と暮らしています。トリュフとはゆがんだ球状をしたキノコの一種で食材として珍重されています。ところが地中に埋まっているため見つけにくいため、その匂いがオス豚のフェロモンと似ていることからその場所を嗅ぎ当てることができる<トリュフ豚>が利用されてきたのです。ロブはその豚と共に採取したトリュフをフードバイヤーの青年アミール(アレックス・ウルフ)に売却することで生計を立てていました。ところがある日、ロブはその大切な、愛すべき豚を何者かに盗まれてしまいます。ロブはアミールを通じて情報を得ますが、豚はすでにポートランドへと運び出されていて、結局彼はアミールの助けを借りて15年前に去ったポートランドに戻りますが、その先には思わぬ展開が待ち構えていました・・・。韓国題は「」。日本公開は未定のようです。
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