韓国内の映画の興行成績 [11月11日(金)~11月13日(日)] ►映画終了後、場内から拍手が・・・という経験はある? やっぱり楽しいインド映画! ►「感動」や「おもしろさ」がなくても良い映画はある
▶1つ前の記事で予告したように記事のスリムを図って、今回から字数も少なく、ブログ更新も早くするため<韓国内の映画の興行成績>と<NAVER映画>を元にした人気順位の2つを分割することにしました。前者のデータ(KOFICによる)が更新されるのは毎週月曜なので、順調にいけば以前のように火曜には更新できるはずです。
<NAVERの人気順位>の方は、韓国では新登場の映画の公開は多くが水曜日、一部が木曜日なので、木曜あたりに更新すると最新情報を提供できると思います。
また映画関係以外に(主に韓国関係の)本の紹介や感想等等の記事も入れていこうと思います。
▶11月11日毎日新聞夕刊の<シネマの週末・チャートの裏>で、映画ジャーナリスト・大高宏雄さんが「鬱憤を吹き飛ばす体験」との見出しで次のように記していました。
評判のインド映画「RRR」で、得難い経験をした。公開3週目、日曜日の東京・新宿のシネコンである。映画が終わると、「ワー」といったような歓声が起こった。かなりの人数だった。瞬発的に、前列席から拍手が湧き上がり、それが自然発生的に中央席あたりまで広がった。
今年、最高の映画館体験であった。(以下略)
「RRR」については、→コチラに書いたように私ヌルボが3週間前観に行った時には約500席もあるのに観客は5、6人だけでした。しかしこの新聞記事については「さもありなん」です。
思えば映画終了時に自然に拍手が起こった作品は過去2回ありました。あ、60年以上前の東映時代劇等は別にしてです。
1回目は「ラジュー出世する」。42年ぶりのインド娯楽映画として1997年に日本公開された際観に行きました。観客はそんなに多くはなかったのですが、約4時間の長尺で途中休憩に入った時にも拍手と笑い声が起こったことを憶えています。大ヒットした「ムトゥ 踊るマハラジャ」の日本公開は翌98年でした。
2回目は2001年の映画「ウォーターボーイズ」。高校水泳部が文化祭でシンクロナイズドスイミングにに取り組む話で、埼玉の川越高校水泳部がモデル。横浜駅至近の今はない映画館で観た時のことです。
▶今回の記事中で注目の韓国映画は「同じ下着を着るふたりの女」(右画像)です。いつも娘を罵り暴力を振るう中年の毒親シングルマザーとその20代の娘の話です。(ストーリーは下の記事を読んで下さい。) おそらく「おもしろい」とか「感動した」とかの対極にあるような作品のようですが、NEVER映画で映画記者・評論家の平均評点を見ると8.0/10と高く、観るべき価値はありそうかなと・・・。実は今月初めに東京フィルメックスで上映たのですが、個人的事情で観られませんでした。この手の作品は一般劇場公開は望み薄だしなー、とほほ・・・。
▶自分で良い映画だと思っても他の人にあまり薦めようとは思わない映画もあれば「観て観て!」と強く勧めたい映画もあります。11月14日に観た「ペルシャン・レッスン 戦場の教室」はまさに後者! 多くの人に観て感動を味わってほしい作品・・・なのですが、首都圏で観られるのはkino cinema立川高島屋S.C.館とkino cinema 横浜みなとみらいのわずか2館とは!
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月11日(金)~11月13日(日) ★★★
日本でも公開中の「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」が1位
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・ブラックパンサー・・・・11/09・・・・・・793,464 ・・・・・1,086,881 ・・・・11,631 ・・・2,538
/ワカンダ・フォーエバー(米)
2(1)・・自白(韓国) ・・・・・・・・・・・10/26・・・・・・・81,382・・・・・・・680,803・・・・・・6,801 ・・・・・835
3(5)・・エブリシング・エブリホエア・・10/12・・30,322 ・・・・・・289,930・・・・・・3,104 ・・・・・313
・オール・アット・ワンス(米)
4(4)・・映画クレヨンしんちゃん・・9/28・・・・・・29,580・・・・・・・789,965・・・・・・7,923 ・・・・・427
謎メキ! 花の天カス学園(日本)
5(2)・・リメンバー(韓国)・・・・・・10/26 ・・・・・・・11,669・・・・・・・402,016・・・・・・3,884 ・・・・・413
6(6)・・人生は美しい(韓国) ・・・・・9/28 ・・・・・・・・9,459・・・・・1,144,568 ・・・・10,676 ・・・・・221
7(新)・・劇場版 ソードアート・オンライン・・11/10・・7,231・・・・・・9,831・・・・・・・・111 ・・・・・・84
-プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ(日本)
8(3)・・ブラックアダム(米)・・・・・10/19・・・・・・・・6,138・・・・・・・776,138・・・・・・8,008 ・・・・・278
9(9)・・アインボ ・・・・・・・・・・・・・・10/26・・・・・・・・4,683 ・・・・・・・・40,514・・・・・・・・320 ・・・・・104
:アマゾンの精神(ペルー・蘭・米)
10(53)・・デシベル(韓国)・・・・・・・11/16 ・・・・・・・2,666 ・・・・・・・・・7,487 ・・・・・・・・・72 ・・・・・・13
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン
1・7・10位の3作品が新登場です。
1位「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」はアメリカのアクション・冒険&ドラマ。日本でも11月11日から公開されています。韓国題は「블랙 팬서: 와칸다 포에버」です。
7位「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ」は10月22日日本公開。韓国題は「극장판 소드 아デシベル트 온라인 -프로그레시브- 짙은 어둠」です。
10位「デシベル」は韓国のアクション。
湯が沸騰したやかんの音、窓の開いた音、遊び場の子供たちの笑い声・・・。そしてしばらくすると、巨大な轟音と共に一戸建て住宅が爆発したというニュース速報が伝えられます。そのニュースを見ていた元海軍副艦長(キム・レウォン)に電話かかって来ました。「騒音が大きくなると爆発する。次のターゲットはサッカースタジアムだ」。事態を把握することもなく、観客で一杯のサッカースタジアムを次のテロのターゲットとして指名したのはまさしく爆弾設計者(イ・ジョンソク)でした。騒音が大きくなる瞬間に爆発するという特殊爆弾の脅威は続き、史上最大の都心爆弾テロを防ぐためにすべての秘密を手に握った爆弾設計者を探さなければならないのですが・・・。原題は「데시벨」です。
【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・同じ下着を着るふたりの女(韓国)・・11/10・・1,917 ・・・・・・・・・3,791・・・・・・・・・・32 ・・・・・・・48
2(1)・・プロメア(日本)・・・・・・・・・・・・・・・10/20 ・・・・・1,435 ・・・・・・・・・9,274・・・・・・・・・102 ・・・・・・・27
3(3)・・アルカラス(伊・西)・・・・・・・・・・・・11/03 ・・・・・・・878 ・・・・・・・・・4,072・・・・・・・・・・36 ・・・・・・・27
4(48)・・第1子(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・11/10・・・・・・・650・・・・・・・・・・1,708・・・・・・・・・・16 ・・・・・・・55
5(50)・・フォーリング・フォー・フィガロ(英)・・11/10・・609・・・・・・・・・・・953 ・・・・・・・・・・・8 ・・・・・・・26
1・4・5位の3作品が新登場です。
1位「同じ下着を着るふたりの女」は韓国のドラマ。キム・セイン監督の長編デビュー作で、初上映の<第26回釜山国際映画祭(2021)>でニューカレンツ賞等を受賞し、韓国内では主要映画祭合わせて9冠に輝き注目されました。海外でもベルリン国際映画祭等15の映画祭に招待された作品で、日本でも今月初め<第23回東京フィルメックス(2022)>で上映されました。
本作は、中年シングルマザーの母親スギョン(ヤン・マルボク)と20代の娘イジョン(イム・ジホ)の、暴力と依存の悪循環に陥った親子関係を描いた作品です。その2人はある日突然の事故を契機に対立が表面化します。その事故というのはスーパーの駐車場での出来事でした。いつものように言い争っている最中、スギョンが運転していた車がイジョンを轢いてしまったのです。スギョンは車が急発進してしまったと言いますが、イジョンは母が故意だと確信しています。日頃からこの2人の中は悪く、スギョンはイジョンを執拗に虐待しています。イジョンにとっては母はいつも自分勝手に暮らし、自分の行動を合理化しようとするラスボス[最後にして最強の敵]に他なりません。感情的対立が露わになるにつれて2人のミゾは深まるばかり。心のサイズは違っても共に同じ下着を着ているのに・・・。2人の関係はもう元に戻せないのでしょうか・・・? 原題は「같은 속옷을 입는 두 여자」です。
4位「第1子」は韓国のドラマ。育児休暇を終えて職場復帰した女性が仕事と家庭の狭間で経験するさまざまなジレンマを通して世の中と向かい合う現代の母親像を描きます。
最初の子供が生まれ、1年後ジョンア(パク・ハソン)は会社に復職します。社会人1年生のジヒョン(コン・ソンファ)は契約延長のためにジョンアの座を獲得しようとします。ファジャ(オ・ミネ)は、他の地域で家族の生計を立てなければならない責任を負っているため、ジョンアの第1子の面倒を見ることになります。
そんなある日、ジョンアは子供が消えたという連絡を受けます。彼女をはじめとする3人の女性たちは、ジョンアの第1子と絡み合うことになります・・・。
本作のテーマは<トルボム(돌봄)>。つまり乳幼児や障碍者、病者等の面倒をみること。それも家族等直接かかわりのある人の問題ではなく社会全体でどう関わるかという、手っ取り早く言えば社会的弱者に対するソーシャルケアの問題で、これは日本とも共通しますね。女性の就業機会を増やすのは当然としても、それに伴う多々の障害を除去していくのも容易ではなさそうです。韓国題は「첫번째 아이」です。
5位「フォーリング・フォー・フィガロ」はイギリスのコメディ&ラブロマンス。
「いつもオペラ歌手になりたかったです。ファンドマネージャーだけで死にたくありません」。
ロンドンの元気なファンドマネージャーのミリーは、ずっと前から夢見てきたオペラ歌手に挑戦するために突然退社を宣言してスコットランドの小さな町に旅立ちます。そして怪しい元オペラの歌姫メガンによる過酷なスパルタレッスンを受けることになり、万年オペラ歌手志望生のマックスとも出会いますが何とも気むずかしい人物。今後行われるオペラコンテストに備えて2人の間には奇妙な競争が始まります・・・。 韓国題は「피가로~피가로~피가로」です。
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