ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [3月13日(金)~3月15日(日)]

2015-03-17 23:32:26 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 今年は大阪アジアン映画祭は韓国映画が少なかったこともあって結局行かず。3月7日から始まっているシネマート六本木クロージング プレ企画<韓流祭>も、これまで観たもの以外でとくに観たいものもなく、全然足を運んでいません。(4月3日まで。)
 で、先週観た映画は「でーれーガールズ」(キネカ大森)だけ。ま、これは観て正解。昨年おもしろく読んだ「楽園のカンヴァス」の作家原田マハが原作で、なるほど岡山&倉敷が舞台。今読んでいる任文桓「日本帝国と大韓民国に仕えた官僚の回想」(ちくま文庫)にも岡山の六高時代のことが書かれているし、「本の雑誌」4月号には岡山にある巨大古書店の万歩書店の特集が載っているし、急に岡山づいちゃってます。そういえば、昨年風呂場読書で完読した奥泉光の「モーダルな事象」にも岡山が出てきたな。

 今やってる韓国映画で観たいものがなければ昔のものをと、韓国映像資料院のサイト(→コチラ)を開いてみると、下のような大きな画像が・・・。
 <高倉健・菅原文太レトロスペクティブ>と記されています。ちょうど先週の13日から今週19日まで「星が落ちる、高倉健と菅原文太追慕回顧展」という特集で2人の出演作をいろいろ上映しているのですね。(こういう分野では「親日」云々は関係ナシです。)
 そして、このサイトで今無料でネット鑑賞できるのが崔寅奎監督の家なき天使(집없는 천사)」(1941)。→コチラのページの下の「VOD 본편 감상」の、「감상하기」のボタンを押すのですが、その前に会員登録手続きが必要。そのめんどうな方法は→コチラの過去記事参照。日本統治下の作品なので、朝鮮語の部分には日本語字幕がついているので、(ヌルボのように)聴き取りが苦手という人もOK。・・・ということで、実はこれから観るところ。※この映画については→コチラのブログ記事にかなり詳しく書かれてます。

 先週は「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」の掲載はありませんでした。

           ★★★ Daumの人気順位(3月17日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①千と千尋の神隠し(日本)  9.3(1109)
②犬どろぼう完全計画(韓国)  9.2(1061)
③ポンヌフの恋人たち9.1(52)
④ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー  9.0(27)
⑤スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo(う~)!  8.9(220)
⑥あなた、あの川を渡らないで(韓国)  8.9(1225)
⑦セッション  8.9(401)
⑧妻への家路  8.7(105)
⑨6才のボクが、大人になるまで。  8.7(183)
⑩ワイルド  8.6(104)

 今回の新登場は⑦「セッション」だけです。サンダンス映画祭でのグランプリと観客賞ダブル受賞等多くの賞を受賞した作品です。名門音楽大学に入学したニーマン(マイルズ・テラー)は世界的なジャズ・ドラマーを目指す青年。伝説の鬼教師フレッチャー(J・K・シモンズ←アカデミー賞助演男優賞)に抜擢され、彼のバンドに入るのですが、そのレッスンたるや暴言が途切れることなく浴びせられる狂気のレッスン。「世界で最も無駄な言葉が「もう十分よくやった」だ」とはねー。韓国題は原題「Whiplash」そのままの「위플래쉬」。日本公開は4月18日で、すでに公式サイトもできています。(→コチラ。)

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②セッション  8.6(6)
③サンドラの週末  8.6(5)
④フォックスキャッチャー  7.8(6)
④イーダ  7.8(6)
⑥自由が丘で(韓国)  7.7(4)
⑦インターステラー  7.6(9)
⑧バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  7.6(6)
⑨フレンチアルプスで起きたこと(ツーリスト)  7.5(4)
⑩キングスマン ザ・シークレット・サービス  7.4(7)

 新登場は⑨「フレンチアルプスで起きたこと」だけです。昨年の東京国際映画祭では「ツーリスト」というタイトルで上映されたスウェーデン映画で、カンヌ映画祭ある視点部門で審査員賞を受賞し、今年1月のバンクーバー映画批評家協会賞の外国語映画賞を受賞した作品です。いつも仕事に追われているトーマスは、久しぶりに家族と休暇を利用して妻・娘・息子たちと一緒にスウェーデンを離れ、アルプスにあるスキーリゾートにやってきます。その2日目、ゲレンデを臨む屋外レストランで昼食を一緒に食べていると、突然山の上から大量の雪が押し寄せてくる光景が眼前に迫ってきて、「え、雪崩!?」と頭も混乱しているうちに巨大な轟音と共に雪がレストランにも達しようかという状態。恐怖に包まれた妻と子はトーマスの姿を探すのですが、アレレ?ということになって・・・。パニック映画ではなくて辛辣なコメディ。これはおもしろそうな予感あり、です。韓国題は「포스 마쥬어: 화이트 베케이션」、日本公開は今夏です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[3月13日(金)~3月15日(日)] ★★★

         韓国の犯罪スリラー「殺人依頼」が1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(55)・・殺人依頼(韓国)・・・・・・・・・・・3/12 ・・・・・・・・・・・409,402 ・・・・・・・・・・・496,629・・・・・・・・・4,127・・・・・・・・646
2(1)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・388,770 ・・・・・・・・・4,820,463・・・・・・・・39,801・・・・・・・・569
       ザ・シークレット・サービス
3(新)・・チャッピー・・・・・・・・・・・・・・・・3/12 ・・・・・・・・・・・328,822 ・・・・・・・・・・・375,160・・・・・・・・・3,075・・・・・・・・536
4(20)・・セッション・・・・・・・・・・・・・・・・・3/12 ・・・・・・・・・・・236,728 ・・・・・・・・・・・294,585・・・・・・・・・2,375・・・・・・・・436
5(23)・・ソーシャルフォビア(韓国)・・3/12・・・・・・・・・・・・127,896 ・・・・・・・・・・・154,601・・・・・・・・・1,228・・・・・・・・368
6(4)・・ヘルモニ(韓国) ・・・・・・・・・・・・3/05 ・・・・・・・・・・・・79,177 ・・・・・・・・・・・414,486・・・・・・・・・3,298・・・・・・・・332
7(3)・・イミテーション・ゲーム・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・・68,413 ・・・・・・・・・・1,676,671・・・・・・・・13,180 ・・・・・・・300
       /エニグマと天才数学者の秘密
8(2)・・純粋の時代(韓国)・・・・・・・・・・3/05 ・・・・・・・・・・・・35,875 ・・・・・・・・・・・447,257・・・・・・・・・3,583・・・・・・・・327
8(70)・・天将雄師/Dragon Blade・・3/12 ・・・・・・・・・・・・30,923 ・・・・・・・・・・・・39,439・・・・・・・・・・・301・・・・・・・・264
10(5)・・バードマン・・・・・・・・・・・・・・・・3/05 ・・・・・・・・・・・・18,957 ・・・・・・・・・・・178,701・・・・・・・・・1,448・・・・・・・・146
       あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・3・4・5・8位の5作品です。
 1位「殺人依頼」は韓国の犯罪スリラー。凄腕のベテラン刑事のテス(キム・サンギョン)は、ある日偶然当て逃げ犯チョ・ガンチョン(パク・ソンウン)を捕まえる。しかし、単純な当て逃げ犯だと思っていたガンチョンの車から多くの血痕と髪の毛が発見され、彼が全国を震撼させた連続失踪事件の犯人であることが明らかとなる。やがてガンチョンの最後の犯行対象がテスの妹スギョンであることがわかり衝撃を受けるが、彼女の行方を訊ねてもガンチョンは頑として明かさない。またガンチョンに妻を奪われたスンヒョン(キム・ソンギュン)は悲しみと怒りを抑えられず突然姿を消す。この妹を失った刑事と、妻を失った男の怒りが交錯して・・・。3年後、テスは何者かが死刑宣告を受けて獄中にいるガンチョンを標的にしていることを知り、事態が新しく展開していきます。予告編(→コチラ)を見て思ったのは、連続殺人にはやっぱり雨がつきものなんだな、ということ。(「殺人の追憶」以来の定番か?) 原題は「살인의뢰」です。
 3位「チャッピー」は、ユニークなSF「第9地区」で注目されたニール・ブロムカンプ監督の、やはりアフリカを舞台にした近未来SF。2016年、高い犯罪率を減らすため南アフリカ政府は兵器メーカーから人工知能を搭載した最先端の攻撃ロボットを購入します。チャッピーとはそのロボットの名前。ところが、チャッピーはヨハネスブルグで自ら善悪を判断して動くロボットとして「産まれる」直前に2人のギャングに誘拐されてしまいます。したがって判断力等は無垢でまっさらな状態。ゆえにチャッピーは、そんな悪いギャングを「お手本」としてピストルを撃ったりヨタって歩いたりして「成長」していくのですが・・・、って、ジツはこれ子育ての話? この映画については3月3日TBSラジオの「たまむすび」で町山智浩氏がいろいろ語っています。このトークは毎度おもしろいです。音声(YouTube)は→コチラ、記事は→コチラ。町山氏、最後でこの作品と「セッション」を今年に入ってのベスト2作にあげています。韓国題は「채피」。日本公開は5月23日です。
 4位「セッション」については前述の通りです。
 5位「ソーシャルフォビア」は韓国のミステリー。近ごろ韓国で「ヒョンピ」という新語があるとか。「現(ヒョン)」と「Player Kill」の合成語で、ゲームやチャット等での相手側の所に行き、現実で喧嘩をすることなのだそうです。この作品のストーリーもそれが発端。警察試験を受ける準備をしていたジウン(ビョン・ヨハン)とヨンミン(イ・ジュスン)の2人は、ある日インターネット上で募集されていた「ヒョンピ」のネット放送に参加することに。9人のメンバーが集まり、ヒョンピの対象であるミン・ハヨンの家へと向かったのですが、彼らが発見したのはハヨンの首吊り自殺死体。このすべてがネットで生放送されて魔女狩りの対象となってしまった彼らは、ハヨンの自殺事件の疑惑解明に乗り出しますが・・・。原題は「소셜포비아」です。
 8位「天将雄師/Dragon Blade」は、ジャッキー・チェン製作・主演の大型時代劇アクション。前漢の時代、西域都護府の都護(長官)の任にあった霍安(ジャッキー・チェン)将軍は、陰謀によって濡れ衣を着せられ、匈奴の奴隷となってしまう。一方、ローマ帝国の内戦で将軍ティベリウス(エイドリアン・ブロディ)により命を狙われた将軍ルキウス(ジョン・キューザック)は中国西域に辿り着く。偶然に出会ったこの霍安とルキウスは互いに友情を深め合い、共にローマ帝国の軍勢に立ち向かうのであった、・・・というスケールのでかい物語で、10ヵ国に及ぶ700名のキャスト・スタッフを集め、70億円近い制作費をかけ、ロケ地は中国西域からトルコまで及び、40度を越える熱暑の中でも撮影し、砂嵐による中断もあった等々、こうした制作過程だけでも十分にドラマチックじゃないの? 韓国題は「드래곤 블레이드」。日本公開は未定、ですか?

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(25)・・セッション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/12・・・・・・・・・・・236,728・・・・・・・・・・・・294,585・・・・・・・・・2,375 ・・・・・・・・436
2(4)・・ソーシャルフォビア(韓国)・・・・・・・・・3/12・・・・・・・・・・・・127,896 ・・・・・・・・・・・・154,601 ・・・・・・・・1,228 ・・・・・・・・368
3(新)・・宇宙ロボット シア・・・・・・・・・・・・・・・3/12・・・・・・・・・・・・・・8,018 ・・・・・・・・・・・・・11,135・・・・・・・・・・・・75 ・・・・・・・・185
4(2)・・オズ めざせ!エメラルドの国へ・・2/12・・・・・・・・・・・・・・4,224 ・・・・・・・・・・・・289,970・・・・・・・・・2,115 ・・・・・・・・・44
5(1)・・セイント・ヴィンセント ・・・・・・・・・・・・・3/05・・・・・・・・・・・・・・3,825・・・・・・・・・・・・・83,783・・・・・・・・・・・651 ・・・・・・・・・51

 先週の順位との間に矛盾があり、本ブログ記事では1・2・3位の3作品が新登場です。
 1位「セッション」と2位「ソーシャルフォビア」については前述の通り。
 3位「宇宙ロボット シア」は、中国のゲーム原作アニメ。原題が「賽爾號2」ということはシリーズ第2作。ゲームというのは→コレかな? 宇宙全体の力を統制するファントム惑星の王マイルスが宇宙海賊たちに拉致されます。マイルスの息子モンタは、拉致される前に父がくれた水晶ネックレスに導かれ、無敵の宇宙ロボットシオたちがいるシオ号に向かい、彼らと力を合わせて宇宙海賊を探すための旅に出ることになります。果たして無事に父マイルスを探して宇宙を救い出せるでしょうか? ・・・2011年の<人民網日本語版>に「中国産のアニメ映画、どうしたら米日に対抗できるのか?」という記事(→コチラ)に中国アニメが苦戦している状況が書かれていましたが、その後かなり上向いてきているのかな? 韓国のようすを見るとそんな感じ。韓国題は「우주로봇 씨어」です。日本公開はまずなさそう。


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