ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [2月13日(金)~2月15日(日)]

2015-02-17 23:52:27 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 昨16日夜やっと「ハン・ゴンジュ」を観に行ってきました。開映(18:50)の1時間以上前に行ったらすでに残りはわずか13席。その後まもなく満席に。あと渋谷での上映は18~20日の各1回だけ・・・と思ったら、今!ヒュートラ渋谷の公式ツイッターで「韓国映画3作『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』『ハイヒールの男』『その怪物』の追加上映が決定しました!22~27日の日替わり上映です!タイムテーブルは当館HPにてご覧いただけます!」ですと。ハハハ。しかし、チケットはオンライン購入の方が確実。「ハン・ゴンジュ」だけでなく、韓国映画では「ある怪物」(原題「モンスター」)も「ハイヒールの男」(原題「ハイヒール」)も満席の可能性あり、ですよ。
 で、この作品の感想ですが思ったより抑制的な表現で、その点あまり韓国映画らしくない(?)ですが、内容的にはその方がむしろ訴える力があると肯定的に受けとめました。ただ予備知識全然なしで観ると、フラッシュバックの入れ方も少し不親切なこともあって、ゴンジュの置かれている具体的状況が真ん中あたりまで理解しにくいかも。(そんな感想が<DAUM映画>の中にもありました。) なお、<シネマコリア>のサイト中に加藤知恵さんによる「前へ進もうとする者へのエール」と題したこの作品のReviewが掲載されています。(→コチラ。) この映画をご覧になった方は必読です。なお、そこにも記されていますが、この作品を含む「未体験ゾーンの映画たち2015」は3月7日からシネ・リーブル梅田でも開催されます。
 ★オマケ。女生徒たちがアカペラで歌っていた歌は→コチラ(YouTube)です。

 先日ちょっと<大阪アジアン映画祭>(3月6~15日)を紹介しました(→公式サイト)が、首都圏からはもっと遠い福岡市総合図書館では<林権澤(イム・グォンテク)監督と韓国映画>(4月1~19日)(→コチラ参照)と銘打って以下の15作品を2回ずつ上映します。
 「望夫石(マンブソク)」「族譜」「曼陀羅」「キルソドム」「シバジ」「開闢」「酔画仙」「春香伝」「下流人生」「荷馬車」「成春香」「帰らざる海兵」「馬鹿たちの行進」「ハンネの昇天」「長雨」
 私ヌルボが観てない作品が5つ、かな? 近ければ全部観に行くんだけどな・・・。

 韓国映画以外では、イメージフォーラムで「SHOAHショア」一気に全作上映。実は未見なのでこの機会に観ておこうかな。

 韓国映画関係の見逃してはならないニュース。釜山国際映画祭は東京国際映画祭と比べると観客数で6倍強、作品数では3倍強も上回っている映画祭だそうです。それが昨年セウォル号事件を題材にしたドキュメンタリー映画「ダイビングベル」の上映をめぐって行政サイドからクレームがつけられて以降もめごとが続いているのですね。この件については、今月初めの「ハンギョレ」の<各国映画界で釜山国際映画祭の独立性を憂慮>という記事(→コチラ.日本語)を参照のこと。「最近では、釜山市が組織委員会の監査結果をもとに、イ委員長の辞任を要求したが、映画界周辺の激しい反発に直面して辞任を迫った事実を否定するなど、独立性の侵害が問題になった。また、映画振興委員会は、映画祭で上映する映画の事前審議を強化する方向に映画振興法改正を進めたことで、映画界から批判を受けている」・・・という中で、「ベルリン・ロッテルダム映画祭執行委員長等が釜山国際映画祭の独立性毀損の懸念を表明」という主旨です。昨日(2月16日)の「釜山日報」の記事(→コチラ.韓国語)には釜山市側と映画祭側の対立点とその背景を詳しく伝えています。行政と文化の異なる観点と論理の乖離が存在する、とのことですが・・・。で、それにつけても思い出されるのは籾井NHK会長の相次ぐナサケナイ発言。
 先頃報じられた<報道の自由度ランキング>(→コチラ)では韓国57位→60位に対して日本59位→61位。韓国を批判する人は日本に対しても厳しくしないとダメですね。やれやれ。

「朝鮮日報」2月13日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「リトル・フォレスト 夏・秋」
  正しい癒しの田舎ご飯 ★★★☆
 「夢より夢占い」
  夢との間に素敵な慰め ★★★☆
 「オズ めざせ!エメラルドの国へ」
  虹の彼方のどこかには ★★★
 「キングスマン ザ・シークレット・サービス」
  大量虐殺もゲームかね ★★★
 「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」
  拙い音楽と成長の痛み ★★★☆
 「ドラえもん:スタンド・バイ・ミー」
  ドラえもん~ こっちにも! ★★★
 「朝鮮名探偵:消えた役夫の娘」
  気軽な旧正月コメディ ★★★
 「7番目の息子」
  竜はいい感じだったが ★★☆
 8作品すべて以下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(2月17日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①クォ・ヴァディス(韓国)  9.5(146)
②千と千尋の神隠し(日本)  9.3(1084)
③犬どろぼう完全計画(韓国)  9.3(930)
④ドラえもん:スタンド・バイ・ミー(日本)  9.2(29)
⑤ユー・アー・ノット・ユー  9.1(33)
⑥ポンヌフの恋人たち9.1(51)
⑦ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー  9.0(26)
⑧あなた、あの川を渡らないで(韓国)  8.9(1174)
⑨妻への家路  8.8(29)
⑩オズ めざせ!エメラルドの国へ  8.7(23)

 ⑨「妻への家路」はチャン・イーモウ監督作品で、これまで当ブログでは「帰来(カミング・ホーム)」との仮題で表記してきましたが、この邦題で3月6日から公開されることがわかりましたので変更しました。
 ④と⑩の2作品が新登場です。
 ④「ドラえもん:スタンド・バイ・ミー」は韓国でも大人気。今回で5作目の公開ですがどれも高い評点がついています。韓国題は「도라에몽:스탠바이미」。
 ⑩「オズ めざせ!エメラルドの国へ」は、「オズの魔法使い」の作者ライマン・F・ボームのひ孫ロジャー・S・ボームが書いた「ドロシー・オブ・オズ」が原作のアニメ。日本では1月10日公開されています。韓国題は「오즈의 마법사: 돌아온 도로시」。

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②サンドラの週末  8.6(5)
③クラウズ・オブ・シルス・マリア  8.3(6)
④フォックスキャッチャー  7.8(6)
⑤キングスマン ザ・シークレット・サービス  7.8(5)
⑥自由が丘で(韓国)  7.7(4)
⑦インターステラー  7.6(9)
⑧ターナー、光に愛を求めて  7.2(5)
⑨イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密  7.2(4)
⑨夢より夢占い(韓国)  7.2(4)

 ⑤「キングスマン ザ・シークレット・サービス」、⑨「夢より夢解き、」⑨「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」の3作品が新登場です。
 ⑤「キングスマン ザ・シークレット・サービス」については後述します。
 ⑨「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」は、第二次世界大戦中ドイツ軍の暗号を解読する極秘任務に携わったイギリスの数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)の業績と苦難を描いた作品。彼はゲイだったため長い間不当な扱いをされた実在の人物です。ドイツ軍との戦いで劣勢を強いられていた連合軍の急務は、敵の暗号エニグマの解読。そこでイギリスが白羽の矢を立てたのが天才的数学者だった彼でした。しかしそのミッションは困難を極め、また彼はさまざまな困難に直面していきます・・・。韓国題は「이미테이션 게임」。日本公開は3月13日です。
 ⑨「夢より夢占い」は、韓国の独立系作品。人気のない公演に出続けている無名女優(シン・ドンミ)が今日も観客が一人もいない公演場へ。友人に電話しても以前のように簡単には会えない。有名俳優になった昔の同僚からは久しぶりの電話で「夢が叶っても大変だぞ」と警告される。一人寂しく公園にいた彼女の前に現れたのは、近所で自殺事件の捜査をした後、落ち着かない気持ちでいる刑事(ユ・ジュンサン)。2人で焼酎を飲みながら昨日の夢の話になる。女優の夢には最近よく昔の彼氏が出てくる。良い時代を共に過ごした2人だったが現実の厳しさの前に別れることに。かしか彼氏を忘れるどころか、彼は今も彼女の夢と現実の間に留まっている・・・。うーむ、「夢と現実の境界で作られた物語」というふれ込みですが、いかにもインディーズっほい作品だなー。原題は「꿈보다 해몽」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月13日(金)~2月15日(日)] ★★★

         「朝鮮名探偵」、3年ぶりの新作がトップ

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・朝鮮名探偵・・・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・729,592 ・・・・・・・・・・・961,525・・・・・・・・・7,592・・・・・・・・811
       :消えた役夫の娘(韓国)
2(新)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・547,383 ・・・・・・・・・・・713,540・・・・・・・・・5,880・・・・・・・・706
       ザ・シークレット・サービス
3(1)・・セシボン(韓国) ・・・・・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・216,677 ・・・・・・・・・1,091,759・・・・・・・・・8,635・・・・・・・・522
4(2)・・ベイマックス ・・・・・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・141,289・・・・・・・・・・2,475,829・・・・・・・・19,504・・・・・・・・434
5(28)・・ドラえもん ・・・・・・・・・・・・・・・・2/12 ・・・・・・・・・・・139,634 ・・・・・・・・・・・157,147・・・・・・・・・1,157・・・・・・・・432
       :スタンド・バイ・ミー(日本)
6(3)・・国際市場(韓国)・・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・・・・120,879・・・・・・・・・13,352,030・・・・・・・103,724 ・・・・・・・418
7(新)・・オズ めざせ!エメラルドの国へ・・2/12 ・・・・・・88,716・・・・・・・・・・・103,503・・・・・・・・・・・759・・・・・・・・330
8(27)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・・・2/12 ・・・・・・・・・・・・・69,884 ・・・・・・・・・・・・80,143・・・・・・・・・・・591・・・・・・・・187
       江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の二日間〜
9(45)・・7番目の息子・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・・・48,006 ・・・・・・・・・・・・74,742・・・・・・・・・・・595・・・・・・・・358
10(5)・・江南 1970(韓国)・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・・・29,858 ・・・・・・・・・2,167,223 ・・・・・・・・17,531・・・・・・・・209
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 前週トップの「セシボン」は今ひとつ伸びず。「建築学概論」のような初恋物という感じで最近のレトロブームには乗り切れなかったのでは、というのが「朝鮮日報」の分析。替わって1位の「朝鮮名探偵」シリーズ第2作はどうかな? 評点は1作目より少し下のようですが・・・。
 今回の新登場は1・2・5・7・8・9位の6作品です。
 1位「朝鮮名探偵:消えた役夫の娘」は、上記のように「朝鮮名探偵:トリカブトの秘密」(2011)に続く犯罪コメディ時代劇のシリーズ第2作。朝鮮王朝第22代王の正祖19年。ある時は王の密命を受けたデキる特使だったが恨みを買ってしまい、無人島に流されてしまった朝鮮一の名探偵キム・ミン(キム・ミョンミン)。会いに来てくれる人と言えば相棒のソピル(オ・ダルス)か、毎日一緒に妹を探してほしいとやってくる少女だけ。そんな中、キム・ミンは朝鮮に不良の銀塊が流通しているとの知らせを聞き、眠っていた探偵本能が再び湧き上がる。島を抜け出し、不良の銀の流通事件と少女の行方不明の妹を探すため両方の本格的な捜査にとりかかる朝鮮名探偵キム・ミンとソピル! しかし正体不明の美女ヒサコ(イ・ヨンヒ)を通し捜査はさらに大混線。はたして事件の解決、名誉の挽回に至るのか? 原題は「조선명탐정: 사라진 놉의 딸」。「놉」(とりあえず「役夫」)の訳語には難儀しましたがな。「差別語」になるとまずいしねー。
 2位「キングスマン ザ・シークレット・サービス」は、「キック・アス」の原作コミックの作者マーク・ミラーのコミックを、同じく「キック・アス」のマシュー・ヴォーン監督により映画化した英国スパイ・アクション。キングスマンとはイギリスの諜報機関の名称。そこのベテラン工作員のハリー(コリン・ファース)が、頭も良く身体能力も高いのに学校は中退し海兵隊も中途でやめてストリートギャングをしている甥っ子のゲイリー(タロン・エガートン)を強引にスカウトし、過酷な試練を課して鍛え上げます。そして組織の一員として生まれ変わったゲイリーはハリーと共に世界危機を目論むヴァレンティン(サミュエル・L・ジャクソン)率いる悪の組織に立ち向かいます・・・。韓国題は「킹스맨: 시크릿 에이전트」。日本公開は今夏とのことです。
 5位「ドラえもん:スタンド・バイ・ミー」については上述しました。
 7位「オズ めざせ!エメラルドの国へ」についても上述の通りです。
 8位「名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の二日間〜」は、日本では劇場公開作ではなく、昨年末にTV放映されたもののようですね。韓国題は「명탐정 코난 : 코난 실종사건 - 사상 최악의 이틀」です。
 9位「7番目の息子」は、SF作家ディレイニーの「魔使いの弟子」(創元文庫)の映画化作品。魔使いとは自分が魔法を使うのではなく、人に邪悪を行う魔女やゴーストの力を封じて人々を守るのが仕事。中でも強大な力を持つというセブンス・サンすなわち7番目の息子の7番目の息子。その長老グレゴリー(ジェフ・ブリッジズ)はかつて魔女マルキン(ジュリアン・ムーア)を封印しましたが、彼女は時を経ては蘇り、再び民を恐怖に陥れるとともにグレゴリーへの復讐を企てます。そこでグレゴリーが見出した新たなセブンス・サンがトム(ベン・バーンズ)。トムはグレゴリーが課した厳しい修行に耐え、魔女との戦いに備えます・・・。韓国題は「7번째 아들」。日本公開は未定、かな?

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・千と千尋の神隠し(日本)・・・・・2002/6/02・・・・・・・・・・・・・20,330 ・・・・・・・・・・・・138,242・・・・・・・・・1,092・・・・・・・・142
2(2)・・シェフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・・7,968 ・・・・・・・・・・・・144,413・・・・・・・・・1,179 ・・・・・・・・・61
       三ツ星フードトラック始めました
3(3)・・フォックスキャッチャー ・・・・・・・・・・・・2/05・・・・・・・・・・・・・・2,336 ・・・・・・・・・・・・・19,987・・・・・・・・・・・160 ・・・・・・・・・35
4(17)・・ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール・・・・・・・・・2/12・・・・・・・・・・・・・・1,610 ・・・・・・・・・・・・・・2,937・・・・・・・・・・・・22 ・・・・・・・・・26
5(22)・・リトル・フォレスト 夏・秋(日本)・・・・・2/12 ・・・・・・・・・・・・・1,312・・・・・・・・・・・・・・・1,992・・・・・・・・・・・・15 ・・・・・・・・・10
 4・5位の2作品が新登場です。
 4位「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」は、グラスゴー出身のポップバンドのベル・アンド・セバスチャンの中心人物であるスチュアート・マードックの初監督映画。拒食症のため入院中の少女イヴは病院で1人ピアノに向かい曲を書いています。ある日、彼女は病院を抜け出してライブハウスへ。そこで出会ったのがアコースティックギターを抱えた少年ジェームズ。そして音楽仲間のキャシーを紹介されます。そんな彼ら3人のる恋や友情を描いた青春ミュージカル・コメディです。韓国題は「갓 헬프 더 걸」。日本公開は8月です。
 5位「リトル・フォレスト 夏・秋」は日本では昨夏公開。私ヌルボは観てませんが、韓国ネチズンの平均評点は8.9となかなか高レベル。「冬・春」は2月19日から。12日のニュースによると、主演の橋本愛がベルリン映画祭に着物で出席してドイツ語で挨拶したそうですよ。韓国題は「리틀 포레스트: 여름과 가을」です。


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