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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [8月4日(金)~8月6日(日)]

2017-08-09 12:44:06 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今年上半期はこの7年間で1番多い48本の映画を(映画館で)観たのに、以後急速にペースダウン。先週以来全然観ていません。個人的事情もありますが、「これは観なくちゃ!」という作品がほとんどなくて・・・。まあそういう<端境期>はしばしばあるものです。

▶そんな時には、という気分で、買ったままのDVDで「殺人の追憶」を観てみました。なんと「忘れていたこと」や、最初観た時には「気づかなかったこと」の多いことか! モチーフとなったのは華城連続殺人事件(→ウィキペディア)なのですが、その10人の女性が殺害された時期の1986~91年というのはまさに全斗煥の軍事独裁政権が民主化闘争の高まりにより倒され、大統領直接選挙制に転換した大きな時代の転換期。今この作品を観ると、そんな時代を感じさせる所が随所に見られます。いや、全体的にそんな雰囲気で覆われているという方がいいかも。たとえば食堂のTVニュースで報じられていたのが富川署性拷問事件(→ウィキペディア)。見ていたアジュマたちが「あの刑事去勢させるべきよ」などと話しています。これは今まで「気づかなかったこと」の一例。他にもいくつかありました。

▶韓国では「軍艦島」に続きソン・ガンホ主演の話題作「タクシー運転手」が始まりました。(→後述)

 「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は先週掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月8日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(3) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.39(217)
②(2) ファーミング・ボーイズ(韓国)  9,39(62)
③(4) 風の踊り手(韓国)  9.34(53)
④(5) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.26(502)
⑤(-) KING OF PRISM by PrettyRhythm(日本)  9.25(1,358)
⑥(6) モーディー  9.24(1,231)
⑦(7) 徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに(韓国)  9.23(525)
⑧(8) フリップ/反転  9.20(2,355)
⑨(9) ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣  9.14(658)
⑩(-) タクシー運転手(韓国)  9.10(21,425)

 今回の新登場は⑩「タクシー運転手」だけですが、この作品については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 風の踊り手(韓国)  10.00(1)
②(2) ダンケルク  8.50(8)
③(3) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
④(4) アメリカン・ハニー  7.50(6)
⑤(6) オクジャ(韓国・アメリカ)  7,25(12)
⑥(7) 君の名は。(日本)  7.17(6)
⑦(9) スパイダーマン:ホームカミング  7.00(7)
⑦(9) 恋物語(韓国)  7.00(7)
⑨(-) その後(韓国)  7.00(4)
⑩(-) The Emoji Movie  7.00(1)

 ⑩「The Emoji Movie」(仮)が今回の新登場ですが、この作品も後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月4日(金)~8月6日(日) ★★★

         「タクシー運転手」が「軍艦島」をも上回る快調なスタート


【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(17)・・タクシー運転手(韓国)・・・・・・・8/02 ・・・・・・・・・2,924,516 ・・・・・・・・4,361,106・・・・・・・・34,643 ・・・・・・・1,906
2(1)・・軍艦島(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・7/26 ・・・・・・・・・・・692,176 ・・・・・・・・6,076,789・・・・・・・・46,708 ・・・・・・・1,017
3(2)・・怪盗グルーのミニオン大脱走・・7/26・・・・・・・・・・535,446・・・・・・・・・2,616,353・・・・・・・・19,144・・・・・・・・・914
4(新)・・名探偵コナン・・・・・・・・・・・・・・・8/02・・・・・・・・・・・160,730・・・・・・・・・・・311,932・・・・・・・・・2,267・・・・・・・・・557
        から紅の恋歌(からくれないのらぶれたー)(日本)
5(3)・・ダンケルク・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/20 ・・・・・・・・・・・150,452・・・・・・・・・2,593,840 ・・・・・・・・22,501・・・・・・・・・430
6(5)・・映画クレヨンしんちゃん 襲来!!・・7/20 ・・・・・・・・・・26,756・・・・・・・・・・・316,178・・・・・・・・・2,298 ・・・・・・・・・142
        宇宙人シリリ(日本)
7(4)・・スパイダーマン・・・・・・・・・・・・・・7/05 ・・・・・・・・・・・・24,167・・・・・・・・・7,241,190・・・・・・・・58,994 ・・・・・・・・・120
        :ホームカミング
8(8)・・モーディー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/12・・・・・・・・・・・・16,270・・・・・・・・・・・253,561・・・・・・・・・1,898 ・・・・・・・・・・61
9(新)・・ボンジュール、アン・・・・・・・・・・8/03 ・・・・・・・・・・・・15,991 ・・・・・・・・・・・20,761 ・・・・・・・・・・168 ・・・・・・・・・・79
10(新)・・The Emoji Movie・・・・・・・・・・・8/02 ・・・・・・・・・・・・15,426 ・・・・・・・・・・・28,253 ・・・・・・・・・・207 ・・・・・・・・・133
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週公開の「軍艦島」の記録的な数字をさらに上回ったのが「タクシー運転手」。「軍艦島」の方は観客動員数は大幅に落ち込み、ネチズンの平均評点も5.17と低めなのに対して、コチラは9.10と上々の評価を得ています。
 今回の新登場は1・4・9・10位の2作品だけです。
 1位「タクシー運転手」は、上述のようにソン・ガンホ主演の期待の大作。時代は1980年5月。あの光州民主化闘争が展開されていた時です。ソウルのタクシー運転手マンソプ(ソン・ガンホ)は、「光州? ドント、ウォリー! アイ、ベスドライバー」と安請け合いをして外国人客を乗せます。夜間通行禁止時間になる前に戻って来れば10万ウォンくれると言うのも、溜まった家賃が払えると算段。乗せた客はドイツ人記者のピーター(トーマス・クレッチマン)。しかしマンソプは事情もわからにいまま光州に到着すると人々が群れています。運賃はなんとしてももらわなくちゃと思い機転を働かせてなんとか検問は潜り抜けたものの、危険を感じたマンソプ、ピーターにソウルに帰ろうと言いますがピーターは聞き入れず、大学生のジェシク(リュ・ジュニョル)とファン記者(ユ・ヘジン)の助けを借りて撮影を開始します。ところが状況はだんだんと深刻になっていき、マンソプは家に1人でいる娘のことも心配になってきます・・・。原題は「택시운전사」です。
 4位「名探偵コナン から紅の恋歌(からくれないのらぶれたー)」は、例によってヌルボにコメントする資格ナシ。韓国題は「명탐정 코난:진홍의 연가」です。
 9位「ボンジュール、アン」は、日本ではすでに7月7日から公開されています。韓国題は「파리로 가는 길(パリへ行く道)」です。
 10位「The Emoji Movie」(仮)はアメリカのアニメ。<Emoji>とは日本語の絵文字のこと。そのスマホの中の絵文字たちの秘密の世界<テキストポリス>が物語の舞台。そこの第1原則は、1人1表情! 各自が担当する表情を完全にやらなければなりませんが、多様な感情の持ち主ジンは、出動した初日あわててミスってしまいます。ジンのミスはスマホの初期化というテキストポリスの破滅を招き、テキストポリスの市場である<スマイル>は都市を危機に陥れたジンを破壊するためにワクチンを出動させます。ジンは友人たちと共に自分の運命を救うため、ソースコードを見つける道を求めます・・・。韓国では顔文字のことを이모티콘(イモティコン)といいます。の合成語で、このアニメの韓国題も「이모티:더 무비(イモティ:ザ・ムービー)」になっています。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・モーディー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/12 ・・・・・・・・・・・・16,270 ・・・・・・・・・・253,561 ・・・・・・・・・・・1,898・・・・・・・・・・61
2(新)・・ボンジュール、アン・・・・・・・・・・・・・8/03 ・・・・・・・・・・・・15,991・・・・・・・・・・・・20,761・・・・・・・・・・・・・168・・・・・・・・・・79
3(41)・・レディ・マクベス・・・・・・・・・・・・・・・・8/03 ・・・・・・・・・・・・・6,219 ・・・・・・・・・・・・8,773 ・・・・・・・・・・・・・・71・・・・・・・・・・53
4(2)・・ナザレのイエスは神の子か? ・・・7/13 ・・・・・・・・・・・・・5,589 ・・・・・・・・・・150,344 ・・・・・・・・・・・1,079・・・・・・・・・・33
5(新)・・ジンギス・カン ・・・・・・・・・・・1977/3/18・・・・・・・・・・・・・・2,254・・・・・・・・・・・・・6,900・・・・・・・・・・・・・・14・・・・・・・・・・・1

 2・3・5位の3作品が今回の新登場です。
 2位「ボンジュール、アン」は、上述のように日本では公開済みです。
 3位「レディ・マクベス」(仮)は、イギリスのドラマ。タイトルを見て大方の人はシェークスピアのあの悲劇関係かと思うでしょうがさにあらずで、19世紀のロシアの作家ニコライ・レスコフによる小説「ムツェンスク郡のマクベス夫人」(1864)がモトで、これはショスタコーヴィチが同名のオペラを作曲しています。(1936年の初演後20年以上事実上の上演禁止作。) 物語の主人公は17歳の少女カテリーナ。裕福な商人の家に嫁として売られた彼女は夫に従属を強いられ、すべての自由を奪われます。自分の命令に背く使用人セバスチャンから妙な快感を感じるようになり、やがてはすべてのタブーを破って自分の欲望に従うことに・・・。韓国題は「레이디 맥베스」、日本公開は年内のようです。
 5位「ジンギス・カン」は、1館のみの上映なので、例によってシルバー映画館でしょう。日本では1965年公開のアメリカ映画で、私ヌルボも観たなー。オマー・シャリフに、スティーヴン・ボイドか、ナツカシイな・・・。(遠い目 韓国題は「징기스칸」。今の韓国では<칭기즈 칸(チンギジュ・カン)>で、<징기스칸>だと例の羊肉料理になっちゃいます。

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