ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行③ 2日目(前半)=市庁の地下にある遺跡→九老工団生活体験館

2016-12-14 23:41:11 | 韓国旅行の記録
 →<中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行① 1日目(前半)=閑散としていた朴正熙記念図書館>
 →<中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行② 1日目(後半)=安倍首相とのかすかな接点(??)>

○11月26日(土) 前半

 ベッドで寝たままボケッと眺めるTV画面。ニュースで注目は、今夕の朴槿恵退陣要求集会に参加するため地方の農協組織がトラクターを大挙動員してソウルに向かってるというもの。映像を見ると取り締まりの警察も難儀しているようす。どうなるのかな?

 天気は重たい曇り空で、予報では雪が降りそう。・・・と伝えるKBSニュース広場(6:00~7:50)のお天気おねーさんカン・アランさん。(右画像) もしかしてと検索すると、やっぱり。イ・ジュンギとの仲良しショットが今春報じられてましたね。(→コチラ。) 2014の<全国春香選抜大会>でミス春香に選ばれて注目された彼女、今は<お天気女神(날씨여신)>とか<骨盤美女(골반미녀)>とか言われて国営放送の気象キャスターとしては異例の人気、・・・のようですね。ついでに彼女のFACEBOOKは→コチラ。イ・ジュンギとのその後の展開はわからず。

 カン・アランについ深入りしちゃいましたが(笑)、土曜朝のKBS1の番組といえばニュース広場に続く「南北の窓(남북의 창)」(7:50~8:20)を見なくては! 1989年から続く北朝鮮情報いろいろの番組です。
今回のクローズアップは、今年8月29日~9月2日咸鏡北道地域を襲った台風10号による洪水被害とその復興のようす。
    
 右は11月16日の北朝鮮・朝鮮中央TVの「水害復旧祝賀放送」の画面。アナウンサー2人の笑顔がいかにも北朝鮮的ですね(笑)。
    
 多数の家屋が損壊しましたが(左)、その後復旧が進みます(中)。右の映像のバックには北朝鮮の歌「조선은 결심하면 한다(朝鮮は決心すればやる)」(→YouTube)が流されています。
     
 そして新しく造られた住宅を背に、インタビューに答える女性は「うれし涙で目も見えないわ。・・・朝鮮労働党万歳! 社会主義万歳!」と喜び一杯。人々は皆笑顔で踊りを踊っています(左)。一方、本番組の単独入手映像(右)は入居できなかった人たち。「戻って暮らせと言われてもどうすりゃ暮らせるんだ? 腹ペコで死にそうなのに食い物もないし・・・」と訴えています(右)。
 ※日韓の報道によると、川の堤防が決壊等のため約30万人(?)が被災し、死者・行方不明者は計約540人、住居を失った人は約7万人とされています。
 ※脱北者で北朝鮮の食文化研究者李愛蘭(イ・エラン)さんは<北朝鮮大洪水に隠れた真実>と題された記事(→コチラ)の中で「今回の洪水は、金正恩政権が招いた人災中の人災である」という中見出しに続けて「洪水の原因も核実験の揺れで弱くなったダムの決壊を避けるために予告もなく水門を開けて放水したため」と理由づけています。
 ・・・うーむ、このネタだけでも独立した記事になりそうだな。「南北の窓」ではこの水害関係以外にもハナ院での健康管理や北朝鮮でのビタミンブーム等について伝えていましたが委細は省略。

 9時過ぎにホテルを出て乙支路4街→乙支路入口の2駅だけ地下鉄で移動し、朝食はほぼ定番の武橋洞プゴククチプへ。2001年以来(?)6、7回目くらいか? しかし客が満杯で数人が並んでいるというのは初めて。以前はガイドブック・韓国グルメ本等には載ってませんでしたが、辛くも赤くもないのがヌルボのような日本人の好みにあってクチコミで人気店になっていったということかな?
     
 畏友Y氏の口にも合ったようで、ごちそうさまと店を出て、そのまま歩いてソウル市庁へ。

 市庁のお目当ては、地下にあるという遺跡展示室。ところが庁舎内はガラ~ンとしたいかにも休日っぽい雰囲気。そこの人に用件を問われたので話すと、「ああ、それならいったん外に出て、階段(下左)を下って市民廰へ」とのこと。
    
 上右がその軍器寺遺跡展示室(군기시 유적 전시실)の入口。朝鮮王朝時代武器の製造を行っていた部署ですが、私ヌルボが疑問に思ったのはなんで「司」でなく「寺」の字を用いているのか?ということ。寺でもないのに。また読みが「사(サ)」でなく「시(シ)」になっているのも疑問。後で朝鮮王朝の行政機関の表(→コチラ)を見ると「司」と「寺」がごちゃまぜになっていて、どう区別されているのか全然わからず。検索すると韓国サイトでも「軍器司(군기사)」と表記している記事があるし(→コチラ等)、私ヌルボ、確実な資料見るまで信じないからねっ!(とムキになることもでもないか。)
    
 けっこう広い展示室。透明な床越しに見られるようにもなっています。600年以上続いている都の中心地だから掘れば何かしら出てくるのでしょうね。

 次の目的地に向かうべく市庁駅へ。
 すると、地下道に<군기시 유적 전시실(軍器寺遺跡展示室)>と記されたけっこう大きな案内板があるではないですか(左)。このあたりは何度も来ているはずなのに初めて見ました。最近貼られたのか、それても単にヌルボが鈍感なだけなのか?

 市庁駅から加山デジタル団地駅へ。次の目的地というのは九老工団労働者生活体験館です。このいかにもマイナーそうな施設を何で知ったのかというと・・・忘れました。あ、「コンスニ」(女性労働者)等について→コチラの記事を書いた時か。

 駅の表通り(東)を北に少し歩くと案内板が見えました(下左)。
  

 迷うことなく到着(上中)。今ここから出てきたとおぼしき子供たちの団体が目に入りました。

 建物に隣接して再現された昔の商店があります(上右)。と、ここで気になったのがその商店に貼られていた昔の映画のポスター(右)。

 下の段の「馬鹿たちの行進(바보들의 행진)」(1975)は3回ばかり観たな。
 上左の「離れの客とお母さん(사란방 선님과 어머니)」もおなじみ、と思ったらレレレのレ、申相玉監督作品(1961)と違うではないの。これは1978年の趙文真(チョ・ムンジン)監督作品・・・って知らなかったワー。
 右上の李星究(イ・ソング)監督の「春香伝(춘향전)」(1971)も、上中の「夢の木(꿈나무)」(1978)も同様。どれもこの地域がカツラや衣料品関係等の工場地帯生活だった70年代の映画で、当時青年だった人たちにとっては懐かしい作品だったのかも。(・・・って映画を観るような時間とお金があった??)

 生活体験館の中に入ると、往時の写真がいろいろ展示されています(左)。
 館員の若い女性に日本から来たことを告げると、提示室を暗くして日本語字幕付きの映画を映写してくれました。

    
 1日前、朴正熙大統領記念館で見た60~70年代の産業の発展・輸出の大幅な伸びの「偉業」称揚と、同じ時代の表と裏というか光と影というか、まさに両面といったところですね。
    
 女性労働者の内緒話(左)。青い管に耳を近づけると、その声が聞こえるということは後になって知りました。右は「蜂の巣(벌집)」とよばれた2、3坪ほどの狭い部屋。
 生活体験館の地下には、そんな部屋が並んでいます。
  
 貼ってあるポスター、置かれている本やギター等々によってその部屋の住人の人となりがうかがわれます。
 この生活体験館を出る時、ポラロイド写真を撮ってくれました。我々に1枚ずつくれて、1枚は館内に貼られます。
 またハンディな本を1冊無料でいただきました(左)。衿川(クムチョン)区が発行した「G밸리시간사전99(Gバレー時間事典99)」で、目を通してみると九老工団やこの地域に関する99のキーワードを説明したなかなか良い内容です。Gバレーとは九老(Guro)のGとシリコンバレーのバレーを合成したもので、近年のゲーム産業等デジタル団地化推進を象徴する言葉になっているようです。九老デジタル団地近くに九老Gバレーモールもあるし・・・。また九老工団駅が2004年九老デジタル団地駅となり、その翌年には加里峰駅が加山デジタル団地駅に改称されたのもこのような変化を物語っていますね。

 ・・・というわけで、現地でいろんなことを知り、また新たな興味をかきたてられた1日でした。・・・じゃない! まだ半日残ってるよ~!

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