ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [6月29日(金)~7月1日(日)]

2018-07-03 23:31:16 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸あっという間に1年の半分が過ぎてしまいました。最初に「年をとると時が過ぎるのが早いなあ」と思ったのはたしか30代に入った時でした。今や、その時の比ではありません。逆に言えば、それだけ密度が薄くなったということ。体力も思考力も・・・。ブログ記事の更新が遅くなっているのもそのためかもしれません。
 さて、今年上半期観た映画は計45作品。昨年よりも4つ少ないですが、多いです。もっと減らさなければ・・・というより、もっと食費等を切り詰めなくては、というのが大きな課題。それはそれとして、その上半期の印象に残った作品をあげると、まずは「朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト」「坂道のアポロン」「犬ヶ島」がベスト3か。それから「すばらしき映画音楽たち」「自白」「ロープ/戦場の生命線」「謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス」等々。韓国映画オタクとしては、「キング」「タクシー運転手」「犯罪都市」「グッバイ・シングル」「天命の城(南漢山城)」等も興味深く観ました。また「巫女図」「地獄花」といった韓国映画史で必見の作品を観ることができたのはとてもラッキーでした。未見の作品では「レディ・プレイヤー1」、「レディ・バード」、日本映画では「孤狼の血」あたりが気になるところ。

▸7月1日久しぶり(4ヵ月ぶり)のシネマジャック&ベティで「港町」鑑賞。やっぱり想田和弘監督の<観察映画>はおもしろい! 前作「牡蠣工場」と同じ岡山県牛窓町を撮っていますが、雰囲気はちょっと違う感じ。
 その想田監督の新作「ザ・ビッグ・ハウス」を今上映中なのが渋谷のシアター・イメージフォーラム。この映画館では「ワンダーランド北朝鮮」の上映も始まっています。このドキュメンタリーについては、私ヌルボ、ちょっと否定的な感想を書きましたが、まだ書きかけ。あと1回分残っていますが、もう1度観て確認した上で書くことにしました。まあ一言でいえば、韓国の進歩系の人の目で見た<自分の見たい北朝鮮像>に沿った北朝鮮の人々&社会の<自然な姿>を撮った、というのが私ヌルボの感想。それも1つの北朝鮮の姿ではありますが・・・。それにしても、この作品の→公式サイト「これはプロパガンダか?それとも現実か?」というキャッチコピーはよくできていると思います。    
「朝鮮日報」6月29日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

열 살 소년의 솜사탕 같은 사랑
열 살 게이브(오른쪽)는 열한 살 로즈메리를 좋아하게 되면서 달콤함과 메슥거림을 동시에 느낀다.

 《週末の劇場街》で紹介

  「小さな恋のものがたり」


   10歳の少年の綿菓子のような恋

 [写真説明] 10歳のゲイブ(右)は、11歳のローズマリーを好きになり、甘さとムカツキを同時に感じる。

 「魔女」
   今までにない血だらけ ★★★



 「ヤンヤン 夏の想い出」

   一重ではない生の真実 ★★★☆



 「ボーダーライン2」

   前作よりゆるい緊張感 ★★☆


 「小さな恋のものがたり」は2005年のアメリカ映画ですが日本ではDVDのみで劇場公開はなし。離婚寸前の両親を持ち、何をやってもダメな少年ゲイブがたまたま空手教室で再会した幼稚園時代の知り合いの少女ローズマリーに生まれて初めて淡い恋を抱くというロマンティック・コメディ。「ヤンヤン 夏の想い出」は2000年公開のエドワード・ヤン監督作品の再上映。他の作品についてはすべて以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月3日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) ハー・ストーリー(韓国)  9.52(1,176)
②(2) アイラ  9.50(574)
③(5) ボムシェル:ヘディ・ラマー・ストーリー  9.26(103)
④(8) 霊魂の巡礼道  9.16(37)
⑤(9) TOMORROW パーマネントライフを探して  9.13(23)
⑥(7) 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星(日本)  9.05(39)
⑦(6) 犬ヶ島  9.04(398)
⑧(-) アイ・フィール・プリティ  9.01(2,087)
⑨(-) 顔たち、ところどころ  9.01(143)
⑩(-) 巨大な梨の信じられないような物語  9.10(237)

 順位は大きく入れ替わりましたが、新登場は①「ハー・ストーリー」だけです。この作品については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(2) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(3) エセルとアーネスト  7.75(4)
③(4) バーニング(韓国)  7.69(13)
④(6) 犬ヶ島  7.50(10)
⑤(7) 瑞山[ソサン]開拓団(韓国)  7.50(2)
⑤(7) メイプルソープ  7.50(2)
⑦(9) CUSTODY/カストディ  7.40(10)
⑧(-) 聖なる秩序  7.40(5)
⑨(10) デトロイト  7.13(8)
⑨(10) 遺伝  7.13(8)

 ⑧「聖なる秩序」(仮)だけが今回の新登場です。スイスの女性監督ペトラ・ボルペによる、スイスの女性参政権をテーマにしたドラマ。スイスといえば、直接民主制の国ということを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか? しかし、女性参政権は長く認められないままでした。第二次大戦前から労働者たちは女性の参政権を要求しましたが、これといった進展はなし。1961年市民5000人女性の参政権を要求して首都ベルンでデモを展開し、1971年になってようやくスイス連邦共和国はヨーロッパで最も遅く、女性参政権が認められたとのことです。そして最終的には1990年アッペンツェル州で女性参政権が認められて制度的には終止符が打たれることになったそうです。その間、この問題に取り組んだ多くの女性たちのことを歴史に残さなければ、というのが監督の思いだったのでしょう。この作品は、平凡な日常を生きていた主婦ノラが勇気を出して巨大な波を作り出す過程をユーモアも交えて描いた作品です。韓国題は「거룩한 분노(聖なる憤怒)」。日本公開は未定のようです。女性参政権をテーマにした作品では、キャリー・マリガン主演の「未来を花束にして」がありましたね。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月29日(金)~7月1日(日) ★★★

         クォン・サンウ&ソン・ドンイルのシリーズ第3作「探偵:リターンズ」が2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(31)・・魔女(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・6/27 ・・・・・・・・・734,557 ・・・・・・・・958,800・・・・・・・・8,250 ・・・・・・・1,117
2(1)・・探偵:リターンズ(韓国) ・・・・・・6/13 ・・・・・・・・・419,374・・・・・・・2,829,899・・・・・・・24,275・・・・・・・・・932
3(2)・・ジュラシック・ワールド/炎の王国・・6/06 ・・・・172,835・・・・・・・5,588,628・・・・・・・49,175・・・・・・・・・571
4(3)・・オーシャンズ8・・・・・・・・・・・・・・6/13 ・・・・・・・・・101,245・・・・・・・1,284,883・・・・・・・11,276・・・・・・・・・461
5(17)・・ハー・ストーリー(韓国) ・・・・・6/27 ・・・・・・・・・100,953 ・・・・・・・・203,578 ・・・・・・・・1,513・・・・・・・・・606
6(新)・・ボーダーライン2 ・・・・・・・・・・・6/27・・・・・・・・・・・92,059 ・・・・・・・・154,978 ・・・・・・・・1,293・・・・・・・・・261
7(新)・・幽霊船:時間の宝箱 ・・・・・・・・6/27・・・・・・・・・・・53,983 ・・・・・・・・・59,513・・・・・・・・・・460・・・・・・・・・414
8(5)・・ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~・・6/21・・41,709 ・・・・・・・166,783 ・・・・・・・・1,415・・・・・・・・・268
9(4)・・督戦[トクジョン](韓国)・・・・・・・5/22 ・・・・・・・・・・28,530 ・・・・・・・5,053,161・・・・・・・43,399・・・・・・・・・262
10(6)・・女子中学生A(韓国)・・・・・・・・・・6/20 ・・・・・・・・・・・8,306 ・・・・・・・・・88,664・・・・・・・・・・739・・・・・・・・・156
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・5・6・7位の4作品です。
 1位「魔女」は、韓国のミステリー&アクション。10年前、多くの人が死んだ謎の事故が起きた施設から1人脱出したジャユン(キム・ダミ)。名前も年齢も、すべての記憶を失くした彼女を育ててくれた老夫婦のおかげで明るい女子高生に育ったジャユンは、苦しい家計を助けるために賞金がかかったオーディション番組に出演します。その直後から謎の人物たちが彼女の前に現れます。ジャユンの周辺を見守る<貴公子>(チェ・ウシク)、過去の事故が起きた時点から消えた子供を探していた<ドクターバック>(チョ・ミンス)と<ミスターチェ>(パク・ヒスン)まで。全然記憶にない彼らの登場でジャユンは混乱に陥りますが・・・。原題は「마녀」です。
 5位「ハー・ストーリー」は、慰安婦問題をテーマにした韓国のドラマ。3人の慰安婦被害者と7人の勤労挺身隊被害者、そして13人の弁護士たちによる関釜裁判を取り扱った作品です。この関釜裁判は、10人の被害者原告団が1992~98年下関と釜山を行き来して23回もの裁判を行い、多くの慰安婦裁判訴訟中、一部勝訴の判決が出て国家賠償を最初に認めてもらった唯一の事例です。この98年の一審判決で、山口地裁は日本政府に対し慰安婦被害者3人に30万円ずつを支給するよう命じましたが、被害者に対する公式謝罪については認められず、その後の控訴審、上告審で判決は覆され、実際には日本政府からどのような謝罪や補償も受けられていません。原題は「허스토리」です。
 6位「ボーダーライン2」(仮)は、メキシコ麻薬カルテルの撲滅に取り組むアメリカの特別部隊の活躍を描いた2015年の前作のスピンオフ。メキシコ政府がCIAの偽造工作を察知して等々、現実とフィクションの境目が私ヌルボの目には今ひとつ以上によくわかりません。こういうネタがエンタメのジャンルに入るというのもなんだかなー・・・。韓国題は原題のまま「시카리오: 데이 오브 솔다도(シカリオ:デイ・オブ・ソルダード)」。日本公開は未定なのかな?
 7位「幽霊船:時間の宝箱」(仮)は、中国のアニメ。深い海の中の神秘の海底王国。赤ちゃんサメのメイは海中探検をしていて、たまたま幽霊船で時間を変える魔法の箱を見つけます。ところがその箱を間違って触ったためにお父さんサメのビッグシャークがチビに変わってしまいます。逆に小さな悪ガキの魚たちは巨大なカニのモンスターに変身! 平和だった海の王国は1日でごちゃごちゃになり、危険に陥ります・・・。チビに変わったビッグシャークと赤ちゃんサメのメイは海の仲間たちと一緒に海の王国を元通りにするために冒険を始めます・・・。中国語の原題は「潜艇総動員:時光宝盒」、韓国題は「빅샤크:매직체인지(ビッグシャーク:マジックチェンジ)」。日本公開はなさそう、かな?

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~・・6/21 ・・・41,709 ・・・・・・・・166,783・・・・・・・・1,415・・・・・・・・・268
2(2)・・アイラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/21・・・・・・・・・・・・3,343 ・・・・・・・・・37,357 ・・・・・・・・・290・・・・・・・・・・93
3(4)・・劇場版ポケットモンスター・・・・・・6/06・・・・・・・・・・・・2,394 ・・・・・・・・182,904・・・・・・・・1,391・・・・・・・・・・18
       ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ(日本)
4(5)・・顔たち、ところどころ・・・・・・・・・・・6/14・・・・・・・・・・・・2,251 ・・・・・・・・・17,268・・・・・・・・・・141・・・・・・・・・・25
5(16)・・特別版 Free!・・・・・・・・・・・・・・・・・4/12・・・・・・・・・・・・2,165 ・・・・・・・・・13,125・・・・・・・・・・・91・・・・・・・・・・・8
       -Take Your Marks-(日本)

 今回の新登場はありません。

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