ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [1月16日(金)~1月18日(日)]

2015-01-20 23:57:10 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 阪神淡路大震災からもう20年か・・・。大震災自体もさることながら、4年前に観た映画「その街のこども 劇場版」も強く印象に残っています。

 韓国で目下大ヒット中で観客動員1100万人を超えた映画「国際市場」をめぐる相対立する左右メディア間のやり取りを、この正月以来興味を持ってみてきました。左派の側は「「国際市場」には軍事政権に対する批判的視点がない」等と批判し、保守側ではたとえば「朝鮮日報」は1月4日のコラム「萬物相」で「一部の人々がこの映画に対し詭弁を弄するのは、ようやく築かれてきた世代間の和合ムードが怖いからなのかもしれない」と述べています。「東亜日報」も1月4日の社説でこの映画を取り上げ、この映画が「韓国映画の流れを変える」との見出しで「これまで韓国の現代史を扱った映画は反米・反政府のコードが支配していたが、戦争や貧困の地で血と汗を流しながら産業化を成し遂げてきた祖父や祖母、父親と母親の人生を描いて大成功を収めたこの映画は、国内映画産業のイデオロギー的なバランスや文化的多様性の確保に大きな役割を果たすことになるだろう」といったことを(期待を込めて)書いています。進歩陣営代表の「ハンギョレ」はとみると、コチラも昨日19日「映画『国際市場』に描かれない解放」という見出しのコラムが日本語版に載っていましたね。(→コチラ。) 筆者は成均館大学東アジア歴史研究所専任研究員という肩書の日本人歴史研究者・藤井たけし氏です。
 実はこの件については愛読している青さんのブログで半月前に記事がアップされ(→コチラ)、その続きの記事も14日に出ています。(→コチラ。) 後者には、「毎日新聞」の澤田克己記者の興味深いコラムも載っています。ぜひご一読を。

 さて私ヌルボ、正月以来今になってもまだ1本も映画を観ないままの状態が続いています。いろいろ観るつもりでいる映画はあるのですが・・・。で、自分自身のメモみたいな感じでそれらをあげておきます。
 近場の横浜で先月再オープンした横浜シネマリンに注目してます。今上映中の「イラク チグリスに浮かぶ平和」は23日までに行かねば。おなじみのシネマ・ジャック&ベティでは24日から「水の声を聞く」。中国映画の「薄氷の殺人」も注目。この映画館ではホン・サンス作品等韓国関係は他にもいろいろ。しかし「ふたつの祖国、ひとつの愛〜イ・ジュンソプの妻〜」の上映日程はまだ決まってない模様。
 その他の韓国映画はとみると「王の涙 -イ・サンの決断-」を今ごく近所(横浜ムービル)で上映中じゃないの! 23日からの「タチャ-神の手-」はどうかなー? それよりもヒューマントラストシネマ渋谷ですでにスタートしている<未体験ゾーンの映画たち2015>の中で注目の「ハン・ゴンジュ 17歳の涙」、上映されるのは2月10日からか?
 韓国映画以外では、前評判は今ひとつのようですがケン・ローチ監督は観ることにしているということで「ジミー、野を駆ける伝説」。 期待の台湾映画「KANO~1931海の向こうの甲子園~」はいよいよ24日からか。アラ、川崎と藤沢での上映はあるのに横浜はナシ?
 あと、評判よさそうなのが「ジャッジ 裁かれる判事」、気になってる日本映画の「百円の恋」。新聞映画評で高評価の「バンクーバーの朝日」は<ぴあ映画生活>等では極端な低評価がどっさり。うーむ・・・。

「朝鮮日報」1月16日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「アメリカン・スナイパー」
   ‘人間’を呑む深淵と信念 ★★★★

 「マイ・マザー」

   天才誕生を示す処女作 ★★★☆

 「許三観(ホ・サムグァン)」

   人生とは、悲劇か喜劇か ★★★

 「ぼくたちの家族」

   人生を暖かく寄り添う★★★

 「ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密」

   映画で大英博物館旅行 ★★☆

 「今日の恋愛」
   20年前のラブコメ同然 ★☆

※「マイ・マザー」はグザヴィエ・ドラン監督作のカナダ映画で2013年日本公開。他の5作品は以下の記事中に説明あり。

           ★★★ Daumの人気順位(1月20日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①その人、その愛、その時代(韓国)  10.0(20)
②クォ・ヴァディス(韓国)  9.6(132)
③犬どろぼう完全計画(韓国)  9.3(508)
④いのち(韓国)  9.3(106)
⑤ポンヌフの恋人たち9.1(51)
⑥くまのパディントン  9.0(108)
⑦ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー  9.0(26)
⑧アクト・オブ・キリング  9.0(44)
⑨ハウルの動く城(日本)  9.0(881)
⑩あなた、あの川を渡らないで(韓国)  8.9(1117)

 前回と相当様変わりしましたが、新登場は①「その人、その愛、その時代」だけ。しかしこの韓国ドキュメンタリーも昨年11月25日の記事中の「朝鮮日報 封切映画 ぴったり10字評」で少し紹介しました。孫良源(ヤン・ソンウォン)牧師(1902~50)のドキュメンタリー。 →コチラの記事によると、全羅南道のハンセン病園の園長として患者たちへの伝道を開始した孫牧師は1940年神社参拝拒否のかどで投獄されたりもします。戦後は1948年10月の約8千人の民間人が虐殺されたという麗水・順天事件(→ウィキペディア)で彼の4人の子供たちの内の上2人が犠牲になりますが、彼はなんと犯人の青年の赦免を願い出て聞き入れられ、その青年は処刑を免れたばかりか、孫牧師は彼を自分の養子にまでします。ところが1950年に勃発した朝鮮戦争の中で、孫良源牧師は侵攻してきた北朝鮮軍により捕まり、その年に銃殺されて48歳の生涯を終えたとのことです。韓国のドキュメンタリーによくあるキリスト教関係のドキュメンタリーと同様これも非常に高い評点になっていますが、それはそれとして、韓国近現代の悲劇を体現したような、苛烈な人生を送った牧師といえるでしょうね。麗水に孫良源牧師殉記念館があって、検索するといろいろなことがわかります。原題は「그 사람 그 사랑 그 세상」です。

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②サンドラの週末  8.5(4)
③クラウズ・オブ・シルス・マリア  8.3(6)
④鉄の夢(韓国)  8.0(5)
⑤アクト・オブ・キリング  7.8(6)
⑥自由が丘で(韓国)  7.7(4)
⑦インターステラー  7.6(9)
⑧アメリカン・スナイパー  7.5(2)
⑨アクト・オブ・キリング  7.5(2)
⑩巨人(韓国)  7.1(8)

 今回の新登場は⑧「アメリカン・スナイパー」だけです。これについては後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[1月16日(金)~1月18日(日)] ★★★

         「国際市場」が1100万人突破

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・国際市場(韓国)・・・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・・・・808,136・・・・・・・・・11,099,404・・・・・・・・86,519 ・・・・・・・742
2(24)・・今日の恋愛(韓国) ・・・・・・・・・1/14・・・・・・・・・・・・678,607 ・・・・・・・・・・・973,265・・・・・・・・・7,810・・・・・・・・709
3(31)・・ナイト ミュージアム ・・・・・・・・1/14・・・・・・・・・・・・422,729・・・・・・・・・・・・555,870・・・・・・・・・4,179・・・・・・・・500
        /エジプト王の秘密
4(25)・・許三観(ホ・サムグァン)(韓国)・・1/14 ・・・・・・・・・417,418 ・・・・・・・・・・・582,882・・・・・・・・・4,598・・・・・・・・582
5(新)・・ポケモン・ザ・ムービーXY・・・・・1/14・・・・・・・・・・126,792・・・・・・・・・・・・178,040・・・・・・・・・1,262・・・・・・・・360
        「破壊の繭とディアンシー」(日本)
6(3)・・マダガスカルのペンギン ・・・・12/31 ・・・・・・・・・・・118,898・・・・・・・・・・1,591,078・・・・・・・・12,011・・・・・・・・356
7(新)・・アメリカン・スナイパー・・・・・・・1/14 ・・・・・・・・・・・114,071 ・・・・・・・・・・・158,459・・・・・・・・・1,290・・・・・・・・303
8(2)・・96時間/レクイエム ・・・・・・・・・1/01・・・・・・・・・・・・・79,466 ・・・・・・・・・・1,973,001 ・・・・・・・15,843・・・・・・・・322
9(5)・・くまのパティントン ・・・・・・・・・・・1/07 ・・・・・・・・・・・・・41,134 ・・・・・・・・・・・292,549・・・・・・・・・2,169・・・・・・・・198
10(6)・・あなた、あの川を渡らないで(韓国)・・11/27・・・・・・40,394・・・・・・・・・・4,746,456・・・・・・・・36,971・・・・・・・・255
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「国際市場」は1千万人突破後もまだ週末動員数首位の座をキープ。1年前に大ヒットして1137万人(韓国映画歴代9位)よりペースは上回っています。
 今回の新登場は2・3・4・5・7位の5作品です。
 2位「今日の恋愛」は韓国のラブコメ。これまで女性とつきあっても100日も経たずに振られてしまうばかりだった小学校教師ジュンス(イ・スンギ)には18年来友だち以上恋人未満の関係の女性ヒョヌ(ムン・チェウォン)がいます。人気のお天気キャスターの彼女とは毎日のように食事や映画館に行くばかりか、家のオートロックの番号まで知っている間柄なのに恋人同士ではなく、ヒョヌが酒を飲みつつ涙まじりで語る恋愛沙汰まで聞いてあげたり・・・。ところが、そんなジュンスにもついに我慢の限界が・・・。10年前に歌手としてスタートし「国民の弟」とよばれて人気者となったイ・スンギ君、その後ドラマ等でも存在感を示し、ここにきて映画にも出演することになりましたか。たいしたもんだなー。原題は「오늘의 연애」です。
 3位「ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密」は人気ファンタジーシリーズの最終章。1930年代のエジプト、現代のニューヨークとロンドンを舞台にエジプト王の石版の秘密が明かされる・・・。韓国題は「박물관이 살아있다:비밀의 무덤(博物館は生きている:秘密の墓)。日本公開は3月20日です。
 4位「許三観(ホ・サムグァン)」はハ・ジョンウ監督&主演のドラマで、原作は中国の人気作家余華の「地を売る男(許三観売血記)」。許三観(ホ・サムグァン)は主人公の名前です。お金もなく権力もない彼ですが妻(ハ・ジウォン)は美人だし、3人の子供もいて貧しいながらも幸せに暮らしていたのですが、ある日長男のイルラクが妻の元婚約者ハ・ソヨン(ミン・ムジェ)に似ているという噂話に区切りをつけようとイラクの血液を調べて皆の前で結果を公表するとしたら、自分はO型なのにイルラクはそんな馬鹿な!のAB型と判明。苦悩の底に陥ることに・・・。ところがその後、・・・ってこれ以上書くとネタバレ。ハ・ジョンウは監督としての前作「ローラーコースター」とはまた違った性格の作品のようですが、どちらもストーリー展開がウリかな? 原題は「허삼관」です。
 5位「ポケモン・ザ・ムービーXY「破壊の繭とディアンシー」」はもちろん日本では昨年公開の人気アニメ。韓国にもファンがたくさんいるようです。韓国題は「극장판 포켓몬스터 XY:파괴의 포켓몬과 디안시」。やっぱり長い。
 7位「アメリカン・スナイパー」は、ヌルボも期待のクリント・イーストウッド監督の新作。日本公開は2月21日ということで、ぼちぼち予告編も出てきています。ということで内容説明は省略。韓国題は「아메리칸 스나이퍼」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・あなた、あの川を渡らないで(韓国)・・11/27・・・・・・・・・・・40,394・・・・・・・・・・・4,746,456・・・・・・・・・・36,971・・・・・・・・255
2(2)・・シェフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・14,361 ・・・・・・・・・・・・・65,381・・・・・・・・・・・・529 ・・・・・・・・・61
       三ツ星フードトラック始めました
3(4)・・サンドラの週末・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/01・・・・・・・・・・・・・4,360・・・・・・・・・・・・・・31,763・・・・・・・・・・・・260 ・・・・・・・・・38
4(17)・・ぼくたちの家族(日本)・・・・・・・・・・・・・1/15・・・・・・・・・・・・・2,210・・・・・・・・・・・・・・・4,240・・・・・・・・・・・・・31・・・・・・・・・・42
5(3)・・雪の女王2:トロールの魔法の鏡・・・12/24・・・・・・・・・・・・・1,672 ・・・・・・・・・・・・615,110 ・・・・・・・・・・4,465 ・・・・・・・・・17

 4位「ぼくたちの家族」だけが新登場です。今「バンクーバーの朝日」が話題の石井裕也監督の2013年の作品なのですが、私ヌルボ、これは見逃してしまいました。この監督の映画は全部観るということにするかな。韓国題は「이별까지 7일(別れまで7日)」です。


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