ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[6月8日(金)~10日(日)]

2012-06-12 20:56:28 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 一昨日(10日)に観た「僕のヤクザみたいな恋人」は思っていた以上に良い、というより好い映画でした。笑いもあって、社会批判もあって、最後にたいていの観客を感動させて・・・。チョン・ユミ、やっぱりフンイキがいい。そして「私の愛、私の花嫁」の試写会の時に韓国語初級の私ヌルボがカタコトで話をした俳優がパク・チュンフン。もう20年くら経つのか・・・。そんないい年のオジサンと若い女性という取り合わせの映画、けっこうあるなー。本ブログ記事で、今まで何度もオクタクパン(屋塔房)=屋上に建てた低家賃家屋について書きましたが、これはやはり低家賃の半地下室の隣り同士の男女の話でしたね。ついでに韓国語の勉強。パク・チュンフン演じる三流ヤクザが「顔が立たない」とか言う場面で顔のことを「カオ(가오)」と言ってました。「オヤブン」「コブン」等、ヤクザ関係の日本語は韓国のヤクザ社会を中心にわりと残っているようです。「顔が立つ」は「가오가 살다」となるようです。가오가 안 살았겠나(顔が立たないじゃないか)。あ、「ヤクザ(야쿠자.ヤクジャ)」もそのまま通じるでしょう。今は「組暴(조폭.チョポク)」がふつうですが・・・。
 <真!韓国映画祭>では「2階の悪党」も鑑賞。コメディで、客席から何度も笑い声が上がってましたが、ヌルボとしては今ひとつ・・・。同じ部屋で、見つからないようにソーッと移動したりしている人物を観て、客がドキドキしたり笑ったりというのは、なんといってもマルクス兄弟の映画があるからなー・・・。(ドリフターズも?)
 韓国・朝鮮関係では、浅川巧を描いた「道~白磁の人」。昨夜21:30~の回はヌルボを含め観客4人、うーむ。以前原作を文庫本で読んだ時とどうも印象が違うような・・・。もっと穏やかな感じを受けたんですけどね。作り手としてむずかしいのは、今のふつうの日本人がイメージする戦前の朝鮮と、韓国人とのそれの違いでしょう。たぶんどんな作り方をしても、双方から別々の批判が出てくると思います。この作品は、それを承知の上で綱渡り的な脚本にしているとは思いますが・・・。具体的にいえば、三一独立運動以降、あんな目に見える形での抗日組織や独立運動はなかったでしょう。また「親日派」という言葉も戦後一般化したのでは? (植民地統治を肯定して指摘しているのではないですよ、蛇足ながら。) あと、戦前の知識人を演じるには、今の若い俳優は概して軽すぎ。例の塩川瞬の柳宗悦なんてねー、トーンを低くして声を出してもかえって不自然。最後に、浅川巧の墓が映されますが、ソウルの忘憂里(망우리.マンウリ)共同墓地というテロップは入れてほしかったです。彼の他、詩人・韓龍雲等々の墓があるところで、私ヌルボも行って・・・みようと思って、行かずじまいになっている所です。

         ★★★ Daumの人気順位(6月12日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①アンニョン、ハセヨ!(韓国)  9.7(41)
②語る建築家(韓国)  9.6(40)
③おばあさんは1年生(韓国)   9.6(39)
④タイタニック 3D 9.6(2456)
⑤ヤコブへの手紙  9.6(20)
⑥オモニ(韓国)  9.3(20)
⑦トゥレソリ(韓国)  9.0(130)
⑧マダガスカル 3  8.9(64)
⑨ミックマック  8.9(48)
⑩ブルーバレンタイン  8.5(45)

 少し入れ替わりがありましたが、初登場の作品はありません。
⑥「オモニ」は4月10日の記事の<多様性映画>で紹介しました。1970年11月13日、22歳の青年全泰壱(チョン・テイル)が労働者の悲惨な状況を訴えてソウルの平和市場前焼身自殺した事件は大きな衝撃を及ぼし、1995年には映画化もされました。彼の母・李小仙(イ・ソソン)さんは、男全泰壱の焼身自殺後、彼女自身も逮捕・投獄される目に遭いながら息子の意思を引き継いで労働運動に関わるようになったそうです。その彼女の最後の2年間を撮ったドキュメンタリーです。

【専門家による順位】

①タイタニック 3D  10.0(2)
②第七の封印  9.0(2)
③メランコリア  8.3(6)
④The Future  8.0(1)
⑤アベンジャーズ  7.7(7)
⑥よその国で(韓国)7.6(6)
⑦異邦人たち(韓国)  7.5(2)
⑦レッドマリア(韓国)  7.5(2)
⑨アルマジロ  7.3(3)
⑩建築学概論(韓国)  7.1(6)
⑩ウンギョ(韓国)  7.1(6)

 順位も評点も、先週とまったく同じです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[6月8日(金)~10日(日)] ★★★

         <19禁>時代劇「後宮」が初登場1位、「私の妻のすべて」は300万人を超える

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(15)・・後宮:帝王の妾(韓国) ・・・・・・・・6/06 ・・・・・・・・・・・・・・522,384・・・・・・・・・・・987,616 ・・・・・・・・・7,417・・・・・・・623
2(8)・・マダガスカル3・・・・・・・・・・・・・・・・6/06 ・・・・・・・・・・・・・・355,039・・・・・・・・・・・636,156 ・・・・・・・・・5,110・・・・・・・561
3(2)・・私の妻のすべて(韓国)・・・・・・・・・5/17・・・・・・・・・・・・・・299,070・・・・・・・・・3,424,742 ・・・・・・・・25,684・・・・・・・393
4(新)・・プロメテウス・・・・・・・・・・・・・・・・・6/06・・・・・・・・・・・・・・273,316・・・・・・・・・・・549,632 ・・・・・・・・・4,951・・・・・・・515
5(1)・・メン・イン・ブラック3 ・・・・・・・・・・・・5/24・・・・・・・・・・・・・・255,367・・・・・・・・・3,016,990 ・・・・・・・・24,627・・・・・・・396
6(3)・・チャ刑事(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・5/30 ・・・・・・・・・・・・・195,111・・・・・・・・・・・861,325 ・・・・・・・・・6,285・・・・・・・353
7(4)・・未確認同映像 ・・・・・・・・・・・・・・・・5/30 ・・・・・・・・・・・・・176,022・・・・・・・・・・・745,045 ・・・・・・・・・5,078・・・・・・・343
      絶対クリック禁止(韓国)
8(5)・・スノーホワイト・・・・・・・・・・・・・・・・・5/30・・・・・・・・・・・・・・・57,187・・・・・・・・・・・605,698 ・・・・・・・・・4,424・・・・・・・235
9(6)・・アベンジャーズ ・・・・・・・・・・・・・・・4/26 ・・・・・・・・・・・・・・・16,211・・・・・・・・・7,040,226 ・・・・・・・・59,297・・・・・・・・71
10(7)・・金の味(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・5/17・・・・・・・・・・・・・・・・・5,521・・・・・・・・・1,156,896・・・・・・・・・・8,714・・・・・・・・91
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・4位の2作品のみ。3位「私の妻のすべて」は300万人を超えて、400万人にとどくかどうか・・・。
 1位「後宮:帝王の妾」は<19禁>映画としては歴代最高の出足なんだそうです。「妾」は「めかけ」ではなくて「ショウ」と読んで下さい。「わらわ」という読み方もありますけどね。日本でもし上映されたら「愛妾」とするところでしょう。さて中身はというと、愛のために後宮に入った女性(チョ・ヨジョン)、彼女を愛する王(キム・ドンウク)、そして彼女を愛したたがために内官になった男(キム・ミンジュン)という悲劇的な運命で結ばれた3人の男女と、欲望が渦巻く宮中の秘話を描くエロティック時代劇、とのこと。史実から離れ、徹底的に想像で書かれたフィクション時代劇で、「どっしりとしたドラマの時代劇としてのジャンル的特性を極大化して芸術性が引き立って見えるエロティシズムを完成し、宮廷恋愛の新たな地平を開く」と制作ノートにありましたが、どうでせうか? 韓国題は「후궁:제왕의 첩」です。
 4位「プロメテウス」は、リドリー・スコット監督によるSF大作。地球の古代遺跡から発見された“人類の起源”を解き明かすヒントを基に、人類の起源に迫る・・・。詳しくは、予告編(→コチラ)、と思って観たけど、よくわかりません。韓国題は「프로메테우스」。日本公開予定日は8月24日。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・よその国で(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・5/31 ・・・・・・・・・・・・・・・3,764 ・・・・・・・・・・・・・18,298 ・・・・・・・141・・・・・・・・・・26
2(2)・・The Future・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/17 ・・・・・・・・・・・・・・・・・481 ・・・・・・・・・・・・・・8,581・・・・・・・・・69・・・・・・・・・・・4
3(新)・・スーパースター(韓国)・・・・・・・・・・6/07 ・・・・・・・・・・・・・・・・・456 ・・・・・・・・・・・・・・・・672・・・・・・・・・・5・・・・・・・・・・18
4(4)・・A Dangerous Method ・・・・・・・・・・5/10・・・・・・・・・・・・・・・・・・414 ・・・・・・・・・・・・・26,500・・・・・・・・201・・・・・・・・・・・3
5(5)・・カラフル(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・5/10・・・・・・・・・・・・・・・・・・218 ・・・・・・・・・・・・・・4,538・・・・・・・・・30・・・・・・・・・・・5

 初登場は3位の韓国映画「スーパースター」だけ。
 これといった仕事もなく(これまた!)オクタプパン生活をしながらも映画監督デビューをめざしている無職(ペクス.白手)の青年(ソン・サムドン)。過去2作がキャスティングと投資の段階で失敗に終わり、今まさに3番目のシナリオを脱稿した後、投資の決定待ちという段階。そこに助監督時代に知り合ったヤクザ専門の端役(キム•ジョンテ)が訪ねてきて、釜山国際映画祭に行こうと誘い、2人は黒いセダンに乗って釜山に向かう。ところが、せっかくの旅行の爽快さも束の間、状況はこじれていって、笑ってはいられないハプニングが2泊3日の間続く・・・という、なんだかおもしろそうな、いやいや、ネチズンの評を見ても「泣いて笑って、また泣いて・・・」等々の高評価が目につくロードムービー。「映画界の現実がよくわかる」ともあります。これは観てみたいなー。原題は「슈퍼스타」。

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