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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [3月28日(金)~3月30日(日)]

2014-04-01 20:52:44 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 <新大久保ドラマ&映画祭>で観た「怒りの倫理学」はおもしろろかったです。最初の方で女子大生が殺されるのですが、観客はそこで犯人はわかります。ところが彼女を取り巻く男たちというのが、昼間は実直な警官で夜は彼女の隣室で盗聴している男(イ・ジェフン)、「不適切な関係」にあった大学教授、叔父を自任していた残忍な金貸し、とっくに振られたのにストーカー行為を繰り返す昔の恋人・・・というヘンな奴ばかり4人。後半、それぞれ勝手な自己主張をしている彼らの前に別の女性(ムン・ソリ!)が現れ、展開が読めないままラストヘ・・・というなかなか凝ったブロット。韓国での観客動員は20万人ちょっと程度で、ヒットとはほど遠い数字。しかし、<DAUM映画>の評点(→コチラ)を見るとネチズン平均(6.3)よりも熱烈会員(6.9)や専門家(6.7)の方が高ポイント。たしかにそんな感じの作品でした。

 もう1つ観た「マイ・ラティマ」は、知的障碍の男性の嫁(&働き手)として金で買われたタイ人女性が、偶然出会った無職青年の誘いで家を飛び出し、ソウルに行って・・・という哀しい物語。チンピラと出稼ぎ外国人との偽装結婚を題材にした「パイラン」を少し連想しましたが、コチラは純愛とはいえないかも・・・。ちょっと「東京難民」に似てるかも。しかし、次々と悪い男が出てくるものだ。同じような現実がいろいろあるんだろうな。

 以上2作品は、案の定9割方は女性というこの映画祭の上映作としては疑問なきにしもあらず。私ヌルボとしては、それゆえに観に行ったんですけどね。

 29日(土)から始まった「チスル」はいつ観にいけるか? シネマジャック&ベティの上映まで待つかな?(日程未定)

           ★★★ Daumの人気順位(4月1日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①もうひとつの約束(韓国)  9.7(2237)
②弁護人(韓国)  9.5(30441)
③貪欲の帝国(韓国)  9.3(44)
④アーネストとセレスティーヌ  9.2(52)
⑤リバー・ランズ・スルー・イット  9.1(120)
⑥怪しい彼女(韓国)  9.0(2674)
⑦イングリッシュ、ヴィングリッシュ  9.0(82)
⑧あまり者たちのヒッチハイキング(韓国)  9.0(118)
⑨アデル、ブルーは熱い色  8.9(130)
⑩舟を編む(日本)  8.9(47)

 今回の新登場はありません。ただ、⑩「舟を編む」はこのランキングでは初。韓国題は「행복한 사전(幸福な辞典)」。この映画自体もさることながら、日本語の通じない外国で日本語がどう訳され、その辞典編纂作業がどう受けとめられるか、という点に興味があるのですが、DAUMのレビューにはそこにふれたものはなかったですね。映画についてはほとんど好評。とくに静かでゆっくりした時の流れに対して。→コチラ。(→自動翻訳。)

     【専門家による順位】

①インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌  8.8(7)
②ゼロ・グラビティ  8.2(5)
③罪の手ざわり(中国・日本)  8.1(7)
④ミヒャエル・コールハース  8.0(4)
⑤萬神(韓国)  8.0(3)
⑥グランド・ブダペスト・ホテル  7.8(7)
⑦アデル、ブルーは熱い色  7.8(6)
⑧そして父になる(日本)  7.6(6)
⑨アメリカン・ハッスル  7.6(5)
⑩物語る私たち  7.5(4)
⑩キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー  7.5(4)

 新登場は③「罪の手ざわり」と、⑩「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」の2作品です。
 ③「罪の手ざわり」は、「천주정」という韓国題を見ても意味が全然わかりませんでした。「天注定」という原題(中国語」の音読そのままなんですね。「人的命、天注定」(人の運命は天が定める)という中国の伝統的な運命観を示す言葉からつけたもののようです。「長江哀歌」(2006年)の賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の7年ぶりの長編で、2013年の第66回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。また第14回東京フィルメックスではオープニング作品として特別招待されました。日中合作ですが、監督も舞台も中国です。物語は、中国で急速に拡大する社会的格差の中で起こった4つの事件を素材に、苦闘する人々の姿を描き出します。村の共同所有だった炭鉱の利益が実業家に独占されたことに怒った山西省の男、 妻と子には出稼ぎだと偽って強盗を繰り返す重慶の男、しつこく迫る客に我慢できず、切りつける湖北省の女、ナイトクラブのダンサーとの恋に苦悩する広東省の男・・・。そんな彼らが起こす「驚愕の結末」とは? 日本では5月31日から一般公開。公式サイトは→コチラです。上映館は東京ではBunkamuraル・シネマ。ヌルボおなじみの横浜シネマジャック&ベティも。(´∀`)ノ ヤター
 ⑩「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[3月28日(金)~30日(日)] ★★★

         週替わり首位の座、今度は「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」が・・・

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(28)・・キャプテン・アメリカ/・・・・・・・3/26 ・・・・・・・・・・1,170,441 ・・・・・・・1,474,013・・・・・・・11,722・・・・・・1,106
             ウィンター・ソルジャー
2(1)・・ノア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/20 ・・・・・・・・・・・・326,741 ・・・・・・・1,740,854・・・・・・・13,363・・・・・・・・629
3(2)・・優雅な嘘(韓国) ・・・・・・・・・・・・・3/13 ・・・・・・・・・・・・200,652 ・・・・・・・1,385,140・・・・・・・10,099・・・・・・・・435
4(5)・・グランド・ブダペスト・ホテル ・・・3/20 ・・・・・・・・・・・・115,172・・・・・・・・・268,501・・・・・・・・2,101・・・・・・・・233
5(3)・・ノン・ストップ ・・・・・・・・・・・・・・・・2/27 ・・・・・・・・・・・・・25,742 ・・・・・・・2,072,851・・・・・・・15,982・・・・・・・・201
6(4)・・300<スリーハンドレッド>・・・・・・3/06 ・・・・・・・・・・・・・16,456 ・・・・・・・1,586,200・・・・・・・13,343・・・・・・・・224
             ~帝国の進撃~
7(新)・・チベット犬物語・・・・・・・・・・・・・・3/27・・・・・・・・・・・・・・15,967・・・・・・・・・・17,494・・・・・・・・・・121・・・・・・・・192
             ~金色のドージェ~(日本・中国)
8(新)・・緑林大冒険 ・・・・・・・・・・・・・・・・3/27 ・・・・・・・・・・・・・・9,859・・・・・・・・・・10,898・・・・・・・・・・・74・・・・・・・・162
9(8)・・怪しい彼女(韓国) ・・・・・・・・・・・・1/22 ・・・・・・・・・・・・・・8,160 ・・・・・・・8,642,367・・・・・・・62,618・・・・・・・・・90
10(6)・・モンスター(韓国)・・・・・・・・・・・・3/13 ・・・・・・・・・・・・・・7,644 ・・・・・・・・・522,189・・・・・・・・4,105・・・・・・・・138
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 また今回も1週でトップ交代。この状態はいつまで続くのかな? 韓国映画の期待作、ヒョンビンが正祖を演じる「逆鱗(역린)」の公開は4月30日か。まだ1ヵ月先なのに、DAUMの評点欄にはもう125人が点を付けてるゾ。(平均9.0。)
 今回の新登場は1・7・8位の3作品です。
 1位「「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」は、前作「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」の続編。舞台は戦時中のノルウェーから今回は現代です。日本公開は4月19日で、公式サイト
(→コチラ)を見ると「アベンジャーズ以外、全員敵。」だそうです。ヌルボも敵か、恐ろしや、と思いつつ説明文を読むと、キャプテン・アメリカが聞いた計画とは「平和維持のために巨大空中母艦ヘリキャリアで世界を監視しようとするものであり、それは、全人類をシールドの監視下に置き、実質的に世界を支配することを意味していた。キャプテン・アメリカは、そんなシールドのやり方に疑問を持ち始める」のですと。お、ついにアメリカの世界支配に異義を唱えるのか?! 韓国題は「캡틴 아메리카: 윈터 솔져(キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー)」です。
 7位「チベット犬物語~金色のドージェ~」は日本・中国合作のアニメ。中国のベストセラー小説が原作で、少年とチベット犬がある事件を経て成長していく姿を描いた作品で、日本では2012年に公開されました。韓国題は「초원의 왕 도제(草原の王ドージェ)」です。
 8位「緑林大冒険」は、昨年の春節に上映された中国アニメ。主人公ライニ(男の子?女の子?)はお母さんと2人暮らし。お母さんは科学研究所の上級研究員、という設定は中国らしいところ? お母さんはいつも忙しく、ライニは誕生日さえも1人きり、というのも中国らしい? 恨みがましい気持ちでお母さんの研究所に訪ねて行ったライニは、研究者のミスで空間移動レーザーによって見知らぬジャングルの世界へ! そこで恐竜たちの攻撃から救ってくれたのが妖精ブルー。おりしも欲張りの研究所所長は、ジャングルの特殊な鉱物を掘り出すためのロボットと特殊部隊を派遣。これに対し長年ジャングルで生物を研究してきた博士は、自然が破壊されるのを防ぐためにレイニやブルーと力を合わせてジャングルを救おうとします。。一方、ライニのお母さんもライニを探しにジャングルに向かいます・・・。中国の現実を見ると、欲張りの皆さんたちによって自然がどんどん破壊されていってるようですが・・・。韓国題は「아바타 정글의 비밀(アバター ジャングルの秘密)」。画像を見ると、ブルーの顔は「アバター」の緑色を思わせる鮮やかな青色。なんだかなー・・・。日本公開はないでしょ、たぶん。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ベルとセバスチャン ・・・・・・・・・・・・・・・3/20 ・・・・・・・・・・・・・2,686・・・・・・・・・・・・・・28,459・・・・・・・・・・203・・・・・・・・・45
2(5)・・萬神(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/06 ・・・・・・・・・・・・・1,470・・・・・・・・・・・・・・32,878・・・・・・・・・・247・・・・・・・・・16
3(新)・・罪の手ざわり(中国・日本)・・・・・・・・・3/27 ・・・・・・・・・・・・・1,334・・・・・・・・・・・・・・・2,607・・・・・・・・・・・20・・・・・・・・・21
4(新)・・女の一生[1968](韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,313・・・・・・・・・・・・・・・6,999・・・・・・・・・・・12・・・・・・・・・・1
5(新)・・メイジーの瞳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/27 ・・・・・・・・・・・・・・・624・・・・・・・・・・・・・・・1,619・・・・・・・・・・・11・・・・・・・・・13

 新登場は3・4・5位の3作品です。
 3位「罪の手ざわり」については上述しました。
 4位「女の一生(여자의 일생)」というタイトルの作品は過去いくつもあります。情報元では韓国映画ということしかわからず。候補は3つ。いくつかのサイトを見ると、どうも申相玉監督の1968年の作品のようです。申相玉監督作品といえば、もちろん主演女優は崔銀姫。彼女が演ずる21歳の乙女ナンジュは、ソウルから訪ねて来た亡兄の大学時代の同期の男と親しくなって結婚しますが、彼の財産は意外に少ない上、使用人とはもめるし、浮気癖はひどいし、サンザン。結局は浮気相手の夫に狩猟用散弾銃であっけなく殺されてしまいます。彼との間の息子も困ったちゃんで、ソウルに遊学したものの車で事故ったりと、これを一体どういうふうにまとめるのだろうと思ったら、結局は「女性の一生はそんなに幸せなことも不幸なこともない」というモーパッサンのような(いいかげんな?)ソーカツでしめくくっているみたいだぞ。
 5位「メイジーの瞳」は、日本ではすでに1月31日公開されています。韓国題は「메이지가 알고 있었던 일(メイジーが知っていたこと)」。韓国題を見て、一瞬「明治」かと思ってしまいました。(´∀`*)

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2 コメント

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マイラティマ (nagune)
2014-04-08 18:13:22
何時も読ませていただいています。
この映画は見た時にはざらざら感が残ったのですが、時間がたつにつれ、現代版【アダムとイブ】という感じで女性のたくましさが心に残りました。著名な俳優の方が監督ですね。これにも少し驚きました。
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逆に・・・ (ヌルボ)
2014-04-08 20:20:19
逆に男の方が、頼りになるどころか、どんどんナサケナサが露呈されていく感じでした。まあ、そんなもんでしょうねー・・・。

ラストはちょっと首をひねりましたが・・・。ユ・ジテ監督、今後に期待です。
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