初めてソウルを訪れた観光客のほとんどが訪れる所といえば景福宮でしょう。(行かなかった人も私ヌルボの身近にいますが・・・。) そして徳寿宮も定番の観光ポイントであることはいうまでもありません。
ヌルボも過去30回近くソウルに行きましたが、1992年の初回以来徳寿宮には5回くらい(?)入ったことがあります。
この新シリーズのテーマは<徳寿宮近辺の~>ということで、徳寿宮の入口(大漢門)から歩いて約10分以内のいろんな所やモノを紹介していこうというものです。
近年何度かこの辺りをあちこち歩き回ることがあって、その時ガイドブック等にはほとんど載っていない、しかし一見の価値がありそうな(?)モノ(建造物その他)がいくつも目に留まったので、それを順次紹介していこうというのがシリーズの主旨です。
・・・が、それに先立って、これから徳寿宮を見学しようという方にはぜひ「予備知識をちゃんと仕入れていく」よう、声を大にして申し述べておきたいと思います。
景福宮と同様に徳寿宮の敷地内にも数多くの見るに値するモロモロがありますが、予備知識もなくただ何となく入場し、お寺でいえば本堂に相当する中和殿までまっすぐ行って、そのまままっすぐ出てしまうのはあまりにもったいないことです。予備知識がなくても好奇心旺盛な方なら神機箭(シンギジョン.矢を1度に大量に射る武器)とか仰俯日(日時計)とかを見つけるでしょうが、他にも一杯あります。徳寿宮美術館や大韓帝国歴史館(←2014年10月開館でヌルボはまだ行ってません)もあります。これらについての詳細は→ソウルナビや→コネストの記事を参照してください。
徐々に本題へ。シリーズの初めは、この徳寿宮大漢門を背にして立ち、東側の世宗大路の向こう側を眺めるところから。下の画像のような眺めです。
右手の古い建物は、日本の統治期の京城府庁舎で戦後は長くソウル市庁だったのが、2012年新庁舎ができ、ここはソウル図書館になりました。その新しいソウル市庁舎が左手の大きな建物。曲面主体のデザインが特徴的です。ソウル図書館にも市庁舎にもぜひ入ってみてください。
ソウル図書館については→コネストに詳しい記事があります。→ソウルナビにも記事はありますが・・・。
ソウル市庁の地下には<市民聴>があり、カフェ等の他、高麗~朝鮮王朝時代に兵器・旗幟・軍装等を製造していた官庁の軍器寺(クンギシ)の発掘現場がそのまま保存された軍器寺遺跡展示室もあります。
※→<市民聴>の公式サイト(日本語)。→ソウルナビの<市民聴>の記事。→ソウル市公式サイトの関係記事&写真。→軍器寺遺跡展示室の動画。
今度こそやっと本題です。
上掲の画像で私ヌルボが着目したのは、ソウル図書館やソウル市庁の建物ではありません。市庁舎の西側外壁のこれ(下画像)です。
かわいい女の子が掲示板のようなものを持っています。昨年4月ソウルに行った時に初めて見ました。最初はソウル市の何かのキャンペーンなのかなと思いましたが、見ているとこの掲示板の文字が順次変わっていくではないですか!(6秒間隔) その内容も、上の画像では「말은 못했지만, 너가 곁에 있어 항상 고마워(言葉では言えなかったけど、君が側にいて、いつもありがとう)」といった個人的な短い文章。下の「010-3616-××××님」というのは、このメッセージを発信した人の電話番号のようです。
以下、その後この掲示板について調べてみたことを略述します。
これは2014年6月から始まったLEDによる市民掲示板で、大きさは横13m、縦8mあります。
朴元淳(パク・ウォンスン)市長が2014年6月の市長選挙で鄭夢準候補との事実上の一騎打ちを制して再選を果たした後、市民との疎通と共感の市政を広げていこうという趣旨で始めたものです。
市民掲示板は午前と午後各7~10時の1日6時間運営され、誰でも参加できます。010-6387-1177に文字メッセージを送信すると1件あたり6秒ずつリアルタイムで表示されます。文字数はハングル40文字、英語・数字は80文字以内。1時間に同じ番号で3回まで発言できますが、誹謗中傷や、商業広告等はブロックされたり、スパム番号として登録されるとのことです。(メッセージの表示以外の時間帯は市の案内メッセージが流される。)
しかし、この掲示板の動画を探したら、次のようなものがありました。
「同性愛の市民だけがソウル市民ですか?」に始まって「健康な性的価値観のため同性愛に反対します」と、「同性愛合法化絶対反対」を主張しています。こういう主張はOKということなんですね。また、9分以上も続くメッセージなのですが、画面下の電話番号を見ると6秒ごとに変わっている・・・ということは、大勢の仲間たちでリレー式に送信したということのようです。
さて、この市民電光掲示板についての評価なのですが、スタートして5月後の11月「朝鮮日報」に<8000万ウォンかかったが・・・ 市民の反応は微々たるソウル市庁電光板>という記事(→コチラ.韓国語)が載りました。これによると、問題点として利用者があまりにも少ないということを指摘しています。1日平均212件で、1272秒つまり約21分。市の関係者は「もう少し多様な活用方策を検討する」と明らかにしたそうですが、現在の状況はどんなものか? ※代表的保守紙「朝鮮日報」だけに、進歩系の朴元淳市長の施策や言葉には細かなことにもケチをつけますが、これもその一例か?
この電光掲示板について、もう1つ注目すべきことは、これを製作したのが<広告の天才>として自他ともに認める(!?)イ・ジェソク(이제석)さんであるということ。
<イ・ジェソク広告研究所>の記事(→コチラ)でこの掲示板の製作過程を多くの画像で見ることができます。この掲示板の女の子は子役俳優のココ(코코)ちゃんという子なんですね。(右画像。)
イ・ジェソクさんのこれまでの作品群を見ると、そのユニークな発想は驚くばかり! いずれ単独の記事で紹介します。その予告編で1つだけ紹介。
なんだ、この車は!? ・・・って、パトカー(!)なんですけどね。え、釜山市警察庁だって!?
もう1つ、次の<徳寿宮近辺の見逃しがちないろいろ>の予告画像も。
ソウルのリピーター旅行者の皆さん、どれくらいが見てすぐわかりますかねー?
☆おまけ。<イ・ジェソク広告研究所>のサイト内に次のような画像もありました。ココちゃん、スカートじゃない! お年寄りもシロクマもそれぞれに主張してます。その右の2つを見ると、掲示板部分だけでなく全体がLEDハネルということか。この3つの画像、どれも前の道路の車等の位置が同じということは、実際の写真じゃないのかな? うーむ。
☆2016年4月1日の追記 先週3月26日行ってみると、大変残念ながらなくなっていました! (→コチラの記事参照。) シリーズ最初からミソをつけちゃったか。
ヌルボも過去30回近くソウルに行きましたが、1992年の初回以来徳寿宮には5回くらい(?)入ったことがあります。
この新シリーズのテーマは<徳寿宮近辺の~>ということで、徳寿宮の入口(大漢門)から歩いて約10分以内のいろんな所やモノを紹介していこうというものです。
近年何度かこの辺りをあちこち歩き回ることがあって、その時ガイドブック等にはほとんど載っていない、しかし一見の価値がありそうな(?)モノ(建造物その他)がいくつも目に留まったので、それを順次紹介していこうというのがシリーズの主旨です。
・・・が、それに先立って、これから徳寿宮を見学しようという方にはぜひ「予備知識をちゃんと仕入れていく」よう、声を大にして申し述べておきたいと思います。
景福宮と同様に徳寿宮の敷地内にも数多くの見るに値するモロモロがありますが、予備知識もなくただ何となく入場し、お寺でいえば本堂に相当する中和殿までまっすぐ行って、そのまままっすぐ出てしまうのはあまりにもったいないことです。予備知識がなくても好奇心旺盛な方なら神機箭(シンギジョン.矢を1度に大量に射る武器)とか仰俯日(日時計)とかを見つけるでしょうが、他にも一杯あります。徳寿宮美術館や大韓帝国歴史館(←2014年10月開館でヌルボはまだ行ってません)もあります。これらについての詳細は→ソウルナビや→コネストの記事を参照してください。
徐々に本題へ。シリーズの初めは、この徳寿宮大漢門を背にして立ち、東側の世宗大路の向こう側を眺めるところから。下の画像のような眺めです。
右手の古い建物は、日本の統治期の京城府庁舎で戦後は長くソウル市庁だったのが、2012年新庁舎ができ、ここはソウル図書館になりました。その新しいソウル市庁舎が左手の大きな建物。曲面主体のデザインが特徴的です。ソウル図書館にも市庁舎にもぜひ入ってみてください。
ソウル図書館については→コネストに詳しい記事があります。→ソウルナビにも記事はありますが・・・。
ソウル市庁の地下には<市民聴>があり、カフェ等の他、高麗~朝鮮王朝時代に兵器・旗幟・軍装等を製造していた官庁の軍器寺(クンギシ)の発掘現場がそのまま保存された軍器寺遺跡展示室もあります。
※→<市民聴>の公式サイト(日本語)。→ソウルナビの<市民聴>の記事。→ソウル市公式サイトの関係記事&写真。→軍器寺遺跡展示室の動画。
上掲の画像で私ヌルボが着目したのは、ソウル図書館やソウル市庁の建物ではありません。市庁舎の西側外壁のこれ(下画像)です。
かわいい女の子が掲示板のようなものを持っています。昨年4月ソウルに行った時に初めて見ました。最初はソウル市の何かのキャンペーンなのかなと思いましたが、見ているとこの掲示板の文字が順次変わっていくではないですか!(6秒間隔) その内容も、上の画像では「말은 못했지만, 너가 곁에 있어 항상 고마워(言葉では言えなかったけど、君が側にいて、いつもありがとう)」といった個人的な短い文章。下の「010-3616-××××님」というのは、このメッセージを発信した人の電話番号のようです。
以下、その後この掲示板について調べてみたことを略述します。
これは2014年6月から始まったLEDによる市民掲示板で、大きさは横13m、縦8mあります。
朴元淳(パク・ウォンスン)市長が2014年6月の市長選挙で鄭夢準候補との事実上の一騎打ちを制して再選を果たした後、市民との疎通と共感の市政を広げていこうという趣旨で始めたものです。
市民掲示板は午前と午後各7~10時の1日6時間運営され、誰でも参加できます。010-6387-1177に文字メッセージを送信すると1件あたり6秒ずつリアルタイムで表示されます。文字数はハングル40文字、英語・数字は80文字以内。1時間に同じ番号で3回まで発言できますが、誹謗中傷や、商業広告等はブロックされたり、スパム番号として登録されるとのことです。(メッセージの表示以外の時間帯は市の案内メッセージが流される。)
しかし、この掲示板の動画を探したら、次のようなものがありました。
さて、この市民電光掲示板についての評価なのですが、スタートして5月後の11月「朝鮮日報」に<8000万ウォンかかったが・・・ 市民の反応は微々たるソウル市庁電光板>という記事(→コチラ.韓国語)が載りました。これによると、問題点として利用者があまりにも少ないということを指摘しています。1日平均212件で、1272秒つまり約21分。市の関係者は「もう少し多様な活用方策を検討する」と明らかにしたそうですが、現在の状況はどんなものか? ※代表的保守紙「朝鮮日報」だけに、進歩系の朴元淳市長の施策や言葉には細かなことにもケチをつけますが、これもその一例か?
この電光掲示板について、もう1つ注目すべきことは、これを製作したのが<広告の天才>として自他ともに認める(!?)イ・ジェソク(이제석)さんであるということ。
<イ・ジェソク広告研究所>の記事(→コチラ)でこの掲示板の製作過程を多くの画像で見ることができます。この掲示板の女の子は子役俳優のココ(코코)ちゃんという子なんですね。(右画像。)
イ・ジェソクさんのこれまでの作品群を見ると、そのユニークな発想は驚くばかり! いずれ単独の記事で紹介します。その予告編で1つだけ紹介。
なんだ、この車は!? ・・・って、パトカー(!)なんですけどね。え、釜山市警察庁だって!?
もう1つ、次の<徳寿宮近辺の見逃しがちないろいろ>の予告画像も。
ソウルのリピーター旅行者の皆さん、どれくらいが見てすぐわかりますかねー?
☆おまけ。<イ・ジェソク広告研究所>のサイト内に次のような画像もありました。ココちゃん、スカートじゃない! お年寄りもシロクマもそれぞれに主張してます。その右の2つを見ると、掲示板部分だけでなく全体がLEDハネルということか。この3つの画像、どれも前の道路の車等の位置が同じということは、実際の写真じゃないのかな? うーむ。
☆2016年4月1日の追記 先週3月26日行ってみると、大変残念ながらなくなっていました! (→コチラの記事参照。) シリーズ最初からミソをつけちゃったか。
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