不自遊空間(PART 1)


Subj:小百合さん、おはよう!
栃木の田舎も紅葉が盛りだろうね。
きゃはははは…

From: denman@coolmail.jp
To: sayuri@hotmail.com
Cc: barclay1720@aol.com
Date:Wed, Nov 10, 2010 2:29 pm
Pacific Standard Time
日本時間:11月11日(木)午前7時29分
千代田町のインドカレーに旧吹上町のインドカレー。
小百合さんがカレーにハマっていたとは。。。?!
振り返れば栃木の「山の家」で僕の創作カレー(ラヴィオリカレー)を作ったことがあったよ!
あれは、もう2年前だね。
8Kg $5.99(500円)のロング・グレインの米をバンクーバーからわざわざ持って行ったものでした。
タイ米に似ているといって「旨いわ。カレーにすごく合うわね」と小百合さんは言ってた。食べ慣れた僕にとって、それ程旨いとは思わなかったけれど。。。
僕がわざわざ作ったので社交辞令かと思っていたけれど今年の10月に帰省した時に2度もインドカレーを食べたことを思えば、あの時のラヴィオリカレーを小百合さんはマジで旨いと思って食べたんだね。
きゃはははは。。。。
思い出を食べる軽井沢タリアセン夫人と食べたインドカレー。
あのでかい“ナン”を懐かしく思い出しています。

ところで旧吹上町の「印度市場」で昼食に印度カレーを食べる前に待ち合わせたインターネットカフェ「自遊空間」ではゴタゴタがあったのですよ!
あの店は全国展開しているネットカフェのチェーン店だという。
本社は東京にあるそうだ。
北海道にも同じ名前の店があるとか。。。
そもそも、この店を見つけたのはJR北鴻巣駅の近くに住んでいる叔母の家へ自転車をこいで行ったときだった。
県道ルート66から左に折れて国道17号をのんびりとこいで行ったら「印度市場」を左に見てから5分程こいだ所に4階建ての薄水色のビルが左側に建っていた。
国道に面しているビルの壁には“インターネット24時間”と書いてある。
しかし、“会員制”とは書いてない。
これまで、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロスアンゼルス、バンクーバー、上海、香港、。。。とネットカフェでパソコンを使ってきたけれど会員制のネットカフェなんて一つもお目にかからなかった。
だから、日本でも、会員などにならずにすぐに使えるものだと思った。
でも、残念ながら、そうではなかった。
自動車免許証も持たずに家を出たので身分証明書になるものがない。
実家に取りに戻ったら往復で一時間もかかる。
フロントの女の子に話しても埒(らち)が開かないので店長と話したいと言ったら、店長は店に居ない。
電話で呼び出してもらって、かなり執拗に説明したのだけれど店長は「規則だから会員手続きをしなければ使えません」と言う。
前日、小百合さんに電話して待ち合わせ場所に指定したものだから仕方なく、もう一度実家に戻ってパスポートと免許証を持参した。
合計2時間のロスタイム!
「栃木県からやって来られた藤島小百合さんですか?」
フロントの係員が初対面の小百合さんに向かって丁重に尋ねたのには、そのような経緯があったのですよ。
小百合さんに会費200円と最初の30分利用料金280円、合計480円を払わせるのは迷惑をかけるし、無駄なことだと思い事情を話して、小百合さんが来たら僕のブースまで係員に呼びに来てもらったのでした。
「どうして私のことを知っていたのかしら?」
午前中にやって来るお客は2,3人だったから小百合さんを見分けるのに時間がかからなかったのですよう。
それに小百合さんの容姿や容貌などを話していましたからね。。。
きゃはははは。。。

ところで、このメールは、今、バンクーバー市立図書館の無料のパソコンで書いてます。
無料で一日2時間まで使うことができます。
でも、記事を投稿するには不十分。
帰宅してからウェストエンドのコミュニティ・センターの分館で、もう一時間使えるように予約したばかりです。
小百合さんのパソコンはダウンして使えないんだったね。
最近、日本でも図書館で無料でネットを使えるようだから時間があるときにメールボックスを覗いてみてね。
じゃあね。


デンマンさん。。。 どうして「自遊空間」でパソコンを使う気になったのですか?

あのねぇ、話せば長くなるのですよ。
長いお話を手短に話してくださいな。
分かりました。まずねぇ、僕の実家にはパソコンが無い。
でも、どなたかがケイタイを持っているでしょう?
弟がケイタイを持っているけれどネットでウェブページを見るようなサービスを受けてない。
確か、去年(2009年)までは富士山が見える久下橋の近くの漫画喫茶「ミルミル」で記事を投稿していましたよね?
そうです。今年も行田市に帰省した時に自転車に乗って「ミルミル」へ行ったのですよ。そしたら駐車場入り口はロープが張られて閉鎖されていた。コンクリートの隙間から雑草が50センチほど伸びていました。閉店してから少なくとも半年がたっているような感じでしたよ。
お店は破産して潰れてしまったのですか?
破産したかどうか?調べてないけれど、もう商売していないことだけは確かだった。店の内部は空っぽでした。
他の「ミルミル」の店は。。。?
JP熊谷駅近くの「ミルミル」に電話したら「この電話番号は現在使われていません」というメッセージが返ってきましたよ。
インターネットカフェは、不景気で儲からないので店仕舞いするお店が増えているのかしら?
たぶん、そうでしょう。ウェブページが見られるようなサービスを契約すればケイタイでネットができるし、ブログも更新できる。それに自宅にパソコンが無くても図書館で無料でパソコンが使えるようになっている所が増えている。小百合さんだって栃木県の自動車免許証を見せて行田市の市立図書館でパソコンを30分使ったことがあったよね。
そうでしたわ。デンマンさんが免許証を持たずに実家を出たので私の免許証を見せたのですわ。
だから、お金を出してまでネットカフェでネットをする必要がなくなってきているのですよう。
だったら、デンマンさんも図書館でブログを更新すればよいではありませんか?
あのねぇ、そうしたいのだけれど30分や1時間では僕の記事は長いから、とても投稿できないのですよ。少なくとも3時間から4時間はかかる。
。。。で、タウンページでネットカフェを探したのですか?
そうです。JR熊谷駅前にありましたよ。漫画喫茶「マンブー(MANBOO)!」というのですよ。
だったら「マンブー」で待ち合わせればよかったのではありませんか?
あのねぇ、「自遊空間」で小百合さんと待ち合わせたのには理由がある。
どんな。。。?
まず、トータル的に料金が安くなる。実家には車が無いから秩父鉄道の行田市駅から熊谷駅まで電車で行く。片道300円。往復で600円。6時間パックの利用料金が1450円。合計で2050円になる。それに比べて「自遊空間」へは自転車で30分から40分。6時間パックで1500円。つまり、電車賃だけ安くなる。
所要時間は。。。?
自転車で「自遊空間」へ行くのも、電車を使って「マンブー」へ行くのも時間的にはほぼ同じなのですよ。
それで切符代をケチって「自遊空間」を待ち合わせ場所にしたの?
そうですよ。それに「印度市場」がすぐそばにある。そこで小百合さんと一緒に本場のインドカレーを食べるという目的があった。だから、他のネットカフェでは駄目なのですよ。
それで会員になるために、わざわざパスポートと免許証を実家に取りに戻ったのですか?
そうなのですよ。小百合さんと待ち合わせの場所にした都合上、他のネットカフェに場所を替えるわけにはゆかない。小百合さんもインドカレーを期待しているようだからドタキャンできない。「マンブー」のポイントカードに僕の名前が書いてあるので、そのカードでも名前が確認できるじゃないか!と言ったのだけれど、それでは駄目でした。
それでデンマンさんは諦めたのですか?
いや、僕は粘りましたよ。店長の神尾さんは何が何でも規則どおりにやろうとする。「入り口の案内板には氏名を証明するものを提示してください」と書いてある。パスポートとか自動車免許証とは書いてない。だから、ポイントカードでもいいではないか!
それで。。。?
神尾さんは、やっぱり駄目だと言う。
それで、デンマンさんはどうしたのですか?
世界のどのネットカフェでも会員制というのは無かった。どうして「自遊空間」は会員制で無ければならないのか?そう尋ねたのですよ。
そしたら。。。?
東京都の条例で決められているので会員制にしていると言うのですよ。「愚かな事を言わないでよう!ここは東京都じゃない!埼玉県じゃないか!どうして東京都の条例を埼玉県に通用させようとするのか?」
店長の神尾さんは何と答えたのですか?
東京都の条例に従って全国の店の規則を作ったので吹上店でも利用規則に従って欲しい、と言うのですよ。
。。。で、デンマンさんは何と言ったのですか?
だったら、本社の秘書課長さんに話がしたいので電話に出るように言ってくれ、と僕は言ったのです。そしたら、「それは社内規定でできない」と言う。
それで。。。?
「あのねぇ、神尾さん。。。三波春夫さんは“お客さまは、神様です”と言ったのですよ。あなたも聞いたことがあるでしょう?それにねぇ、アメリカでもカナダでも“Customeres are a king.”という言い方があるのですよ。あなたの会社だってお客さんが居るから商売になるのでしょう!ネットカフェは、この不景気の中でつぶれる店がたくさん出てきている。あなたのように客の要求に対して何もかも拒むような態度では遅かれ早かれ、この店も閉店に追い込まれるのが目に見えている。とにかく、あなたでは話にならないから埼玉県を統括している責任者と話をさせてくれませんか?」
デンマンさんは、そんな事まで言ったのですか?
これはごく一部ですよ。要約して言ったまでで。。。実は、、その10倍の言葉を尽くして滔々と僕の言い分を喋り捲ったのですよう。時には感情的になってカウンターを手でビシビシと叩いたりして、かなり激しい口調でしゃべったのですよ。そばで見ていた女性フロント係りは呆れた表情を浮かべていました。「ヤ~な客が居るもんだわ!」苦々しい表情を浮かべていましたよ。うへへへへへ。。。
デンマンさん。。。笑い事ではありませんわ。常識的な日本人は、そこまで言いませんわ。。。
僕は常識的ではないかもしれない。でもねぇ、太田さんだって次のように書いていた。
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