シュレーディンガーの猫(PART 1)
“シュレーディンガーの猫”の実験装置

箱の中には猫と実験器具が入っている。
もしも、放射性物質の崩壊が起こると、ガイガーカウンターが検出して、リレーを動かし、連動するハンマーによって、青酸ガスの瓶が割れて猫は即死する。
見ること(観測)が物の状態を変えてしまう、という量子力学の考え方(不確定性原理)に従うと、猫は箱を開けて中を見るまで、生と死が半々に入り混じった確率の雲のような状態で存在しており、箱が開けられた(観測した)瞬間には、生死どちらかの確率が大きくなっていた猫の状態が、(観測したことによって)決定されるので、生きているか死んでいるかどちらかの猫が発見されるということになる。
103ページ 『アインシュタインの世界』
1993年11月5日第一刷発行
監修者: 平井正則 発行所: PHP研究所
デンマン注: 上の図は本の中のイラストを基にしてデンマンが描いたものです。

デンマンさん。。。あんさんは、上のような装置を使って実際に実験しやはったん?

いや。。。わてが実験したのとちゃうねん。
青酸ガスというのは、もしかして毒ガスではおまへんか?
そうやァ。。。
そうやってぇ。。。あんさん!。。。まるでヒトラーのような残酷な実験を取り上げてますやん。上の箱の中で横たわっている青い猫ちゃんは死んでおますのやろう?。。。どうして、そのような悲惨な事を話題にしやはるのォ~?
確かに残酷な実験のように見えるけれど、これは思考実験なのやァ。つまり現実に、このような実験装置があるわけではないねん。
そやけど、あんさんは、わたしが猫を大切にして可愛がっていることを知ってますやろう?
もちろんやァ。めれちゃんが猫を可愛がっていることを知っておるでぇ。。。かつて、その事で、わては記事にも書いてるねん。
カミュの「ペスト」

『ペスト』の265ページを読んでいるところです。
余すところ、あと13ページですよう。
良くぞ、ここまで読んできたと思います。
それにしても、タルーが死んでしまうんだよね。
めれちゃんは、タルーがかっこいいと言っていたから、
涙が出たのはタルーが亡くなってしまったからだよね。
いや、タルーだけに限った事ではなさそうだ!
なぜなら、めれちゃんは涙もろいのだよね。

3匹の猫ちゃんたちをあれだけ可愛がるのだから、
悲しい時のめれちゃんは
涙を滝のように流すだろうと
容易に想像ができますよう。
だから、役人の Othon の息子の
Jacques がペストに冒されて
苦しみながら死んだ時にも
めれちゃんは涙を流したと僕は思うのですよう。
僕は、タルーではなく、 ジャーナリストの
Rambert が亡くなるのではないかと
予想していたのですよう。
しかし、 Rambert は生き残って
奥さんと再会するんだよね。
僕の予測は裏切られてしまいましたよう。
でも、考えてみたら小説の手法として
タルーを死なせるのが最も効果的なのですよう。
なぜなら、“判官びいき”効果ですよう。
つまり、『ペスト』の中で源義経に
最もふさわしい人物はタルーなんだよね。
めれちゃんがかっこいいと思うほど
タルーは確かに『ペスト』で活躍するのですよう。
だから、タルーが死ねば、
たくさんの読者が涙を流すでしょう。
『ペスト』の中の登場人物で、
おそらく、亡くなったら一番惜しまれるのが
タルーか Doctor Rieux でしょう。
でも、 Dr. Rieux は、あの物語の中では
進行役のような立場に居たから
僕は、読み始めた時から、
彼は死なないと思いましたよう。
残念ながら、僕は涙を流す事はありませんでした。
まだ読み終えたわけではないけれど、
感動的な部分はすでに出尽くしたと思います。
あとの13ページは、締めくくりだから、
もう、衝撃的な事件は起こらないでしょう。
女性で最も印象的だったのは
Dr. Rieux のお母さんですよう。
フランス人女性としては、かなり地味に
描かれているのだけれど、
愛情こまやかなのが
実によく表現されていると思いながら
読みました。
江戸時代の良妻賢母を思わせるような
イメージでしたよ。
ちょっと意外だったのは
Dr. Rieux の奥さんが亡くなるんだよね。
なぜ、亡くならねばならないのか?
ペストにかかったわけでもなく、
体が弱くて、オランの町の外で療養していたのだから、
本質的に物語とは関係ない人のように見えるのですよう。
おそらく、Dr. Rieux の気丈な性格を
語るために奥さんを死なせたんでしょうね。
ところで、めれちゃんが、
なぜ『ペスト』に惹かれるのか?
考えてみたのだけれど、
僕の結論としては、めれちゃんは
3匹の猫を可愛がる。
どの猫ももらい猫でしょう!?
つまり、めれちゃんがグッドサマリタンになって
可愛そうな子猫を引き取って
育ててあげたようなものですよう。
そういう精神を持ってない限り、
『ペスト』を読んで涙が出ないと思いますよう。
実際、僕は涙がにじんでこなかった。
僕には、三匹の子猫を引き取って育ててあげるほど
愛情があふれていないのですよう。
三匹の猫は確かに可愛いけれど、
でも、貰い受けて育てる気にはなれない。
僕も動物は好きだけれど、
めれちゃんほど猫好きになれない。
つまり、『ペスト』を読んでも、
感情移入できる人物が
めれちゃんにはたくさん居る、
と言うことだと思います。
僕はペットよりは人間の方が好きだけれど、
でも、『ペスト』を読んでも、
感情移入できる人物があまり居なかった。
やっぱり、魅力的な女性が
ほとんど登場しなかったからではないのか?
そう思っているのですよう。
めれちゃんをうならせるような
感想ではないですよね。
でも、やっぱり、『ペスト』を読んで
よかったと思います。
めれちゃんは愛情豊かな人だ
と言うことが分かったような気がしますよ。
3匹の猫を可愛がる様子を
見ていても良く分かりました。

ところで、次女猫のねねは
めれちゃんの足元で
気分よく熟睡しているのかな?
それとも、ダンボールの中で
眠りこくって居るのかな?
\(^_^)/キャハハハ。。。
by デンマン
2008/08/08 6:11 PM
『即興の詩 指きり』のコメント欄より
「めれちゃんと『ペスト』」に掲載
(2009年10月31日)

デンマンさん。。。あんさんは、わたしが猫を大切にして可愛がっていることをちゃんと知ってますやん。

そやから、そう言うたやないかいなァ!
それにもかかわらず、なぜ青酸ガスで猫ちゃんを殺すような事を書きはるのォ~?
あのなァ~。。。、上の図はシュレーディンガーというおっさんが考え付いた思考実験なのやがなァ。

エルヴィン・シュレーディンガー
Erwin Schrödinger
(1887-1961)
オーストリアの理論物理学者。
量子力学の2つの柱のうちの一つ「波動力学」を打ち立てた。
1933年ノーベル物理学賞受賞。

あらっ。。。青酸ガスで猫ちゃんを殺してノーベル賞をもらいはったん?

ちゃうねん。。。そんな残酷な事してノーベル賞がもらえるはずがないやんかァ! シュレーディンガーは次のようなことを考えたのやがなァ。
“シュレーディンガーの猫”とは何か?
拡大された確率解釈とパラドックス
量子力学はマックス・ボルンが提唱した「確率解釈」を基本解釈の一つとして定着させました。
しかし、アインシュタインは、こういった統計的性格をもつ、量子力学を不完全な理論とみていました。
また、シュレーディンガーも物質波に対する確率解釈という考え方がどうしても受け入れられずに、「シュレーディンガーの猫」と呼ばれる次のような思考実験を例にあげて、量子力学の奇妙さを表わしました。
今、周囲から遮断された鋼鉄の箱の中に、猫を一匹入れた装置があるとします。
箱の中には微量の放射性物質の入った容器、放射性物質を検出するガイガーカウンター、それと連動するリレーによって動くハンマー、その先には青酸ガス入りの瓶があります。
放射性物質は1時間のうちで、1個の原子が崩壊するかしないか、という程度の微量にしておきますが、もし、放射線物質が崩壊すると、ガイガーカウンターがこれを検出し、連動するリレーによってハンマーが振り下ろされ、青酸ガスの入った瓶が割れるので猫は死んでしまうでしょう。
ここで、この装置を1時間ほおっておいた場合、1時間のうちに崩壊が起こるか起こらないかは確率的に50%ずつとなります。
もちろん確率ですから1時間過ぎても必ず崩壊が起こるとは限りません。
普通の考え方では、1時間たって箱を開けると、猫は生きているか死んでいるかのどちらかで、もし死んでいれば、箱を開けるまでに、最初の崩壊によって猫は死んだのだと判断されます。
しかし、シュレーディンガーは、ここで、もしマックス・ボルン(Max Born 1882-1970)の言うように物質波に対する確率的解釈が正しいとすると、箱を開ける(観測する)まで猫は生と死の確率的状態の入り混じった、生きてもいなければ死んでもいないという、半死半生の奇妙な状態で存在することになってしまうと指摘しました。
つまり、この装置は微視的現象を拡大して測定するという意味を持つことになるわけであり、そうなると、ここでは微視的な領域に限られていた確率解釈という不確定性が、巨視的な、私たちが日常体験する現象(つまり猫の生死)にまで拡大されてしまうわけです。
現在、微視的な現象については、さまざまな実験によって量子力学の正しさが証明され、その理論の正しさを疑う根拠はないかにみえます。
しかし、「シュレーディンガーの猫」のパラドックスについての解釈とともに、量子力学そのものの基本的な解釈については、現在も多くの論議があります。
102ページ 『アインシュタインの世界』
1993年11月5日第一刷発行
監修者: 平井正則 発行所: PHP研究所

なんやァ、難しいことが書いてありますやん。。。いったい、あんさんは何が言いたいねん。

あのなァ~。。。、わては量子力学を大学の講義でちょっとばかり勉強したことがあるねん。久しぶりに“アインシュタインの世界”を覗いたら上のような事が書いてあったのやァ。
それで、あんさんはどないしやはったん?
実は、わては“シュレーディンガーの猫”と同じような体験をしたのやァ。
まさかァ~。。。!? あんさんが青酸ガスで死にはったのならば、この場にあんさんは居ないはずやん。
あのなァ~。。。わては青酸ガスで死んだと言うてるのやないねん。
そやかてぇ、“シュレーディンガーの猫”と同じような体験をしやはったのですやろう?
そうやァ!
いったい、どのような体験をしやはったん?
めれちゃんにも、よう分かるようにイラストにしたから見て欲しいねん。



猫ちゃんの代わりに青酸ガスの瓶のそばで誰かがパソコンをたたいていますやん。

パソコンをたたいているのがわてなのやァ。。。あのなァ~、わてのパソコンは、ずいぶん以前から調子が悪かったのやァ。 でも、バンクーバー時間で11月15日の朝から具合がいいねん。


この上のリストは、最近のライブドアブログで、わてが投稿した記事のリストやねん。調子がいい時には1日に2つの記事が現れる。たいてい1日か2日前に予約投稿する。そやから、投稿時間を見ると 00:10 (午前零時10分) に投稿された記事 (グリーンで囲まれた記事) と 00:20 (午前零時20分) に投稿された記事 (青色で囲まれた記事) が次のようにペアになって現れるねん。
(すぐ下のページへ続く)