愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

旅先でシェラが……(2)

2009-10-16 21:36:47 | 日記
☆かねてからの心の準備
 信州の森から早めに戻ってきたものの、やはり午後9時過ぎないと「夜間動物病院」は午後9時にならないとオープンしない。じりじりしながら待つことになった。

 わが家のリビングから廊下はフローリングで滑りやすい。こんなこともあろうかと、用意してあった布製の細長いカーペットを敷き詰めた。
 だが、飼い主のそんな心配りなど知る由もないシェラは、家にもどった安心感からだろう、廊下のはずれで無防備な姿で爆睡していた。旅の疲れもあるだろうが、なんといっても三本の足で移動していたのだから疲れもなおさらかなと思う。
 気になるのは痛めていないほうの足にかかる負担である。
 
 なんとか身体を支えてやりたい。実は、「モンベル」というアウトドアギアのメーカーから「ドッグキャリーハーネス」(写真上)という商品が出ている。
 本来は、わんこ連れのトレッキングなどで、わんこでは行かれないような地形にぶつかったときのためのギアである。たとえば、大岩を乗り越えてのトレールなどでは、このハーネスを使ってわんこを持ち上げる。
 あるいは、負傷して歩けなくなったらこのハーネスで肩から吊って運ぶ。むろん、日常の介護にも使える。 
 
 いつか必要になるときがくるかもしれないと記憶の片隅に置いて心の準備だけはしていた。もし、キャンプから帰ってきたばかりでなければ、ぼくは近所のモンベルショップへ買いに走っていただろう。
 
 だが、夕食後、ぼくはいつのまにかソファーで横になって熟睡してしまった。
 電話をかけている家人の声で目が覚めた。時刻はすでに9時、電話の先が夜間動物病院なのはすぐにわかった。
 受け答えの調子から、しばらく様子を見る方向へといきつつあることも容易に察知できた。
 
☆回復力に唖然
 とても丁寧な説明だったという。 
 触って痛がらず、腫れてもいないのなら明日まで様子をみたほうがいい――それが病院からの提案だったという。

 「今夜、急激に悪化するようなら、朝の5時まで開いているのでいつでも連れてきてください」
 なんとも良心的で頼もしい答えである。
 痛めてからすでにひと晩を越しているから、今夜、急激に悪化していくとも思えない。わんこたちのことになるとやたら取り乱しがちになる家人が納得する説得をしてくれたのだからたいしたものだ。
 
 このあと、ぼくたちはわんこの素晴らしい回復力をまのあたりにすることになる。
 翌日の朝こそ、まだ三本の足で動いていたが、夕方にはなんとか痛めた足も使いはじめた。そして、急激に回復していった。
 
 今朝も完治とまでは行かないものの、95パーセントの回復といっていい。歩き方が少しおかしいとわかるのは飼い主だけだろう。
 いつもどおり近所ひと回りして帰ってきた今朝など、朝日を見てあくびをしていた(写真下)
 
 若いわんこならまだしも、まもなく15歳を迎えようというのにである。
 なんという身体能力だろう。その強靭さにあらためて驚いている。あわててハーネスを買いに行かなくてよかったと胸をなでおろしながら……。