■ 手間のかかるわんことのキャンプ
ルイとふたりだけでキャンプへいってきた。
そうはいっても、実際にはキャンプデビューしてまもない若いファミリーの自立キャンプの、ぼくのほうは見守り支援キャンプだからルイとの純粋なふたりキャンプではなかった。それでも、いつも一緒の女房がいないのでルイはいかにも心細そうである。もし、すぐ隣になじみのファミリーまでいなかったらルイはもっと不安だったろう。
とはいえ、たった一泊のオーバーナイトキャンピングも、女房がいないルイとふたりだけのはじめてのキャンプであり、ぼくにはとても新鮮だった。きっと先々、思い出深いキャンプの記憶になってくれるだろう。
すでに天国へと旅立ったシェラやむぎたちとはじゅうぶんすぎるほどキャンプに出かけてきた。旅に出るといってもわんこ連れだと泊まる場所がかぎられてしまう理由以上に、シェラが家族以外には神経質になってしまうので、ぼくたちも「犬連れで泊まれる宿」なんてものには見向きもしなかった。
ぼくたちもシェラたちもまだ若かったころは、春夏秋冬、毎月キャンプに出かけた年もあった。
それ以外にもシェラとは何度かふたりだけのキャンプを経験したが、むぎもまじえてのぼくと彼女たちとだけのキャンプは数えるほどしかいっていない。ぼく自身はソロでのキャンプには慣れているはずだったが、シェラやむぎが一緒だと思いのほか忙しくなるというのは、実際に経験してはじめて知った。シェラたちは手間のかかるような子ではなく、朝晩の餌やりと散歩くらいしかないはずなのに、こちらがトイレなど、ちょっとサイトを離れるときも連れていかなくてはならず、そんなやこんなで大変だった。
■ キャンプで豹変したむぎ
ルイの場合もサイトに置き去りにするわけにはいかないだろうが、幸いクルマに乗るときはケージに入れて移動するため、いざとなればそのケージに入れおけばすむ。
それにいまのところはシェラと違って花火の音におびえたり、サイトへ近づく他人へ必要以上の警戒を見せたりしないので気楽である。ただ、設営や撤収のとき、テントのポールに異常なまでの反応をして吠えたてるのだけがこのところの悩みだった。今回もそれは変わらず、しかたなくクルマの荷台のケージに閉じ込めておいた。
キャンプのとき、シェラは設営中のテントの中にさっさと入り込んでマッタリして過ごしていた。ふだんはいつもシェラに張りついていたむぎが、キャンプのときばかりはシェラから離れて自立した。頭と上半身をテントの外へ出して見張りに徹してくれるのである。姿が見えないのであわてて呼ぶとすぐに戻ってくる。どうやら、テントのすぐ脇で番犬をやっていたらしい。
たぶん、それが使役犬であるコーギーらしさだったのだろう。シェラという育ての母親から最後まで乳離れしないで逝ったむぎが唯一、自立心を見せてくれたのがキャンプのときだった。キャンプのときのむぎはふだんみせたことのない活発で生きいきとした表情を見せてぼくたちを喜ばせてくれた。
■ ゆっくり成長しような
同じコーギーながら、ルイはキャンプでもむぎのような番犬らしい個性はまだ見せてくれない。むぎは1歳前の最初のキャンプで、いつの間にか近所のテントまで勝手に遊びにいき、「あら、むぎちゃん、きたの?」なんて声が隣のサイトから聞こえてきてむぎがいなくなったのにに気づいたくらいだった。きっと、DNAに刷り込まれたウェールズの牧場の疑似体験をキャンプのたびにしていたのだろう。
ルイはといえば、テントのポールに吠えつくくらいしか能がなく、いまだコーギーらしさを見つけることができない。とはいえ、ぼくもルイにむぎと同じ個性を求めているわけではない。ルイはルイなりのコーギー犬でじゅうぶんだ。これからゆっくりと成長を遂げ、いずれは一人前のオス犬になってくれればそれでいいと思っている。
昼間の下界は猛暑だったそうだが、すっかり冷えて寒い森の中、はじめてのふたりだけのテント中のルイは、ずっとぼくに張りついて寝ていた。やんちゃが過ぎるので早く3歳になり、成長して落ち着いてくれと願ってきたが、その3歳が目前に迫ると、「オクテでもいいからな。ゆっくり成長しろよ」とぼくは心の中で語りかけている。もう少しやんちゃなルイを楽しみたいと本気で思う。
ルイとふたりだけでキャンプへいってきた。
そうはいっても、実際にはキャンプデビューしてまもない若いファミリーの自立キャンプの、ぼくのほうは見守り支援キャンプだからルイとの純粋なふたりキャンプではなかった。それでも、いつも一緒の女房がいないのでルイはいかにも心細そうである。もし、すぐ隣になじみのファミリーまでいなかったらルイはもっと不安だったろう。
とはいえ、たった一泊のオーバーナイトキャンピングも、女房がいないルイとふたりだけのはじめてのキャンプであり、ぼくにはとても新鮮だった。きっと先々、思い出深いキャンプの記憶になってくれるだろう。
すでに天国へと旅立ったシェラやむぎたちとはじゅうぶんすぎるほどキャンプに出かけてきた。旅に出るといってもわんこ連れだと泊まる場所がかぎられてしまう理由以上に、シェラが家族以外には神経質になってしまうので、ぼくたちも「犬連れで泊まれる宿」なんてものには見向きもしなかった。
ぼくたちもシェラたちもまだ若かったころは、春夏秋冬、毎月キャンプに出かけた年もあった。
それ以外にもシェラとは何度かふたりだけのキャンプを経験したが、むぎもまじえてのぼくと彼女たちとだけのキャンプは数えるほどしかいっていない。ぼく自身はソロでのキャンプには慣れているはずだったが、シェラやむぎが一緒だと思いのほか忙しくなるというのは、実際に経験してはじめて知った。シェラたちは手間のかかるような子ではなく、朝晩の餌やりと散歩くらいしかないはずなのに、こちらがトイレなど、ちょっとサイトを離れるときも連れていかなくてはならず、そんなやこんなで大変だった。
■ キャンプで豹変したむぎ
ルイの場合もサイトに置き去りにするわけにはいかないだろうが、幸いクルマに乗るときはケージに入れて移動するため、いざとなればそのケージに入れおけばすむ。
それにいまのところはシェラと違って花火の音におびえたり、サイトへ近づく他人へ必要以上の警戒を見せたりしないので気楽である。ただ、設営や撤収のとき、テントのポールに異常なまでの反応をして吠えたてるのだけがこのところの悩みだった。今回もそれは変わらず、しかたなくクルマの荷台のケージに閉じ込めておいた。
キャンプのとき、シェラは設営中のテントの中にさっさと入り込んでマッタリして過ごしていた。ふだんはいつもシェラに張りついていたむぎが、キャンプのときばかりはシェラから離れて自立した。頭と上半身をテントの外へ出して見張りに徹してくれるのである。姿が見えないのであわてて呼ぶとすぐに戻ってくる。どうやら、テントのすぐ脇で番犬をやっていたらしい。
たぶん、それが使役犬であるコーギーらしさだったのだろう。シェラという育ての母親から最後まで乳離れしないで逝ったむぎが唯一、自立心を見せてくれたのがキャンプのときだった。キャンプのときのむぎはふだんみせたことのない活発で生きいきとした表情を見せてぼくたちを喜ばせてくれた。
■ ゆっくり成長しような
同じコーギーながら、ルイはキャンプでもむぎのような番犬らしい個性はまだ見せてくれない。むぎは1歳前の最初のキャンプで、いつの間にか近所のテントまで勝手に遊びにいき、「あら、むぎちゃん、きたの?」なんて声が隣のサイトから聞こえてきてむぎがいなくなったのにに気づいたくらいだった。きっと、DNAに刷り込まれたウェールズの牧場の疑似体験をキャンプのたびにしていたのだろう。
ルイはといえば、テントのポールに吠えつくくらいしか能がなく、いまだコーギーらしさを見つけることができない。とはいえ、ぼくもルイにむぎと同じ個性を求めているわけではない。ルイはルイなりのコーギー犬でじゅうぶんだ。これからゆっくりと成長を遂げ、いずれは一人前のオス犬になってくれればそれでいいと思っている。
昼間の下界は猛暑だったそうだが、すっかり冷えて寒い森の中、はじめてのふたりだけのテント中のルイは、ずっとぼくに張りついて寝ていた。やんちゃが過ぎるので早く3歳になり、成長して落ち着いてくれと願ってきたが、その3歳が目前に迫ると、「オクテでもいいからな。ゆっくり成長しろよ」とぼくは心の中で語りかけている。もう少しやんちゃなルイを楽しみたいと本気で思う。
お変わりなくお元気そうで、本当に良かったです。
あの頃はHiro さんの更新されるブログに救いを求めるようにスマホを手に取った事が、もう懐かしくも感じられます。それだけ私は立ち直れたんですよね。Hiro さんのお陰もあるます(*´∀`)
Hiro さんも今はルイ君との生活を新しくエンジョイしている事が私もすごく嬉しいです。
でも、やっぱり今でもシェラちゃんやむぎちゃんのお話を読ませて頂ける事が、ホントはホントは、すご~く嬉しいです(*^▽^)/★*☆♪
いつまでも胸に、あの子たちを思う・・・
心底幸せを感じますよね☆
ルイ君とのキャンプ、とても思い出深く心に刻まれますね。きっとお空からシェラちゃんやむぎちゃんもそんなお二人の様子をニコニコしながら眺めていた事でしょうね(*^^*)
また一杯いろいろなお話更新してくださいね。
楽しみに待ってま~す♪
もうすぐルイ君のお誕生日ですね。どんなお祝いをしてあげるのかなぁ~(*´∀`)
シェラやむぎの思い出に立ち返っても、カーネーションさんのようにご支持くださる方がおられるだけでとても救われます。
いまでは、ルイに対しても「さあ、いこうか、シェラ!」と呼んだり、「むぎ、こっちへおいで」なんていっては、家人から「ルイでしょう」としじゅう笑われています。彼女もよく間違えているというのに……です。
ルイも心得たもので、けっこう反応してくれます。
そのルイに昨日は大変な事件がありました。3歳を間近にしたこのところ、かなり調子こいてパワフルな乱暴者になってきていました。一昨日の土曜日にぼくとふたりで留守番していたせいか、日曜日に一緒に出かける寸前、女房に置いていかれるかもしれないという焦りも手伝ったようで、些細なことからはずみで彼女の足に噛みついてしまったのです。皮膚を裂くほどではなかったとはいえ、激怒した彼女が昨日は夜まで無視していたのと、今日は夕方まで留守番だったので、すっかりしょげ返っています。
元気づけてやろうと、さっき、いつものようにぼくが遊んでやったのですが、いつもと違って遠慮がちです。思いのほか薬が効いたようです。これも3歳になろうとしている成長のあかしなのでしょうね。