☆予定外のキャンプ
先の連休を利用して長野の八千穂高原へキャンプに出かけた。
まったくの予定外のキャンプだった。梅雨の真っ最中だし、家人も土曜日に予定を入れていたので三連休をぼくは家でのんびりするつもりでいた。金曜日の午後になって17日にあるはずだった大事な社内会議がキャンセルになった。それなら17日に夏休みを取って二泊四日のキャンプができるじゃないか。すぐにインターネットで現地の天気を調べた。18日は雨の予報だったが15日から17日は理想的な夏のキャンプ日和である。つまり、快晴というよりは曇り混じりの晴れだからだ。
早速、家人にメールを送った。
同時に、以前、この三連休にキャンプを誘ってくれた家人の従姉夫婦にも声がけすることにした。従姉の旦那はことのほかむぎをかわいがってくれたし、むぎもとってもなついていた。はたして、従姉たちも17日をからめってもいかれるという返事がきた。
ルイにとっては5月の連休に続き二度目のキャンプである。キャンプのために買った折りたたみのケージを装備リストから外した。今となってはよけいなものを買ってしまったものだ。
たった一度のキャンプのためのケージとなった。いまのルイは、もう、そんなものは必要なくなったし、何よりもケージに入れないほど成長してしまった。
☆涙がとまらない
いつもは中央道の須玉経由でいく八千穂高原だが、今回は八王子ICで乗ってすぐ上野原までの渋滞に引っかかり、これを抜けるのに3時間かかるというので、八王子JCTから圏央道を使って関越道－上信越道経由でいくことに変更した。
佐久ICからキャンプ場までの道はシェラやむぎの思い出にはあまり結びつかないというのに、いつしかぼくたちはシェラの最期の様子を思い出し、むぎの突然の死を思い出していた。
今月8日はむぎの一周忌だった。1年経ったなど信じられないほどあの日のことは鮮明に記憶している。むぎの命日はむぎの思い出を語り合って過ごしたが、大きな悲しみに見舞われることはなかった。だが、キャンプ場へ向かうクルマの中でぼくたちはシェラとむぎの思い出に泣いた。あの子たちとの日々がどれほど幸せだったかをいまさらながらにしのんで悲しみを新たにしていた。
いま向かっているキャンプ場も、家人は、もし、ぼくとふたりだけだったらいかれないはずだった。幸いにして家人の従姉夫婦がつきあってくれたので、「それなら気もまぎれるからいかれるかな」ということで決めたのである。
5月、7月、そして、9月、10月のキャンプはいつもシェラとむぎが一緒に八千穂高原だった。ときには8月も何度かきている。ぼくたちがいちばんたくさん世話になっているキャンプ場であり、どこよりもシェラとむぎの思い出が詰まっていた。
☆むぎとシェラ、そして、ルイで明け暮れた
むぎが去年の7月に逝った直後、シェラを伴って訪れて以来である。あのときは、掲示板で知り合って9年の長いおつきあいになるわんこ連れキャンプ仲間のおふたりと従姉夫婦がむぎの追悼キャンプにつきあってくれた。
正確なところ、あれは追悼キャンプではなかった。従姉夫婦もそうだが、ふたりの仲間は、ぼくたちを励ますために姫路と飯田から駆けつけてくれたのである。
あのときのキャンプでぼくたちは、むぎを喪ったシェラの寂しさを知ることになる。キャンプのときにだけ使っていたわんこ用のベッドを、テントの中でシェラが引っかき、くわえて振り回していると家人に聞いた。
家に戻ると、いつもむぎがいた場所のカーペットがシェラが引っかいたのだろう、激しくめくれているのを目にして息を呑んだ。どちらもむぎのにおいがついていたはずだった。あきらかに、シェラはむぎを探していたのである。
7月の次は9月に清里のキャンプ場へ出かけた。例年なら11月と4月にしかいかないキャンプ場だった。ぼくたちとシェラだけの寂しいキャンプだった。ぼくたちはただただぼんやりとして長い一日を過ごした。
翌月の10月にルイがやってきた。まもなく、シェラのガンが見つかり、キャンプどころではなくなった。そして、今年2月にシェラが死んでしまった。清里がシェラとの最後のキャンプになった。
☆いまはルイがいてくれる
1歳を迎えたルイを連れてやってきたこの夏の八千穂高原を、ぼくはシェラやむぎの代わりにルイを連れて散歩した。渓流のほとり、巨木の下、駒出池の水辺……いく先々でぼくはルイにそこでかつてシェラやむぎがどうしていたかを話して聞かせた。
最初は、ぼくの思い出のための散歩だった。もう、シェラもむぎもいないキャンプ場を、いまはルイが元気に走っている。やがて、そんな風景をぼくはなんの違和感もなく受け入れていた。
何から何まで予定外のキャンプではあったが、幸い天気にも恵まれ、シェラやむぎの思い出にも浸ることができた。これからは、ルイとの楽しい思い出づくりに楽しみを見つけていきたいと思う。
詰まったキャンプ・・・
２匹にとっての大好きなお父さんの涙は、きっと
大空で、「楽しかったね」って２匹も思い出して
いるのでしょうね。「幸せだったね」って。
そしてその涙を少し笑顔にしてくれるルイちゃん。
この夏、シェラちゃん、むぎちゃんの思い出と共に
ルイちゃんと思い出を増やしていって下さいね。
やがて一匹が天国へ行き、そのあと残った一匹を連れて久しぶりに小屋へ入ったときのものすごい涙というのは今でも忘れられません。
そこに彼（犬）がいない、、都内の自宅内での不在感とはまた全然違った悲しみが襲ってきました。
四季おりおりのいろいろな思い出がいっぺんに押し寄せてきて、たまりませんでした。
わんこと大自然の風景がセットになって、自分の中ではこんなにもそのセットに癒されていたんだという気づきに驚かされました。
そしてもう一匹も天国へ行き、その後現在彼らとは違うわんこが二匹おりますが、私たち夫婦も年をとり、だんだん仕事の都合などで足が遠のきついに売却してしまいました。（二束三文でしたが）
Ｈｉｒｏさんのブログで青々とした高原のお写真を見まして、ああ久しぶりにこういう風景をみたなあとあの頃を思い出しました。
切なさなのかさみしさなのか、いろいろまざった気持です。ああいうわんことすてきな時間を過ごせてよかったなと思います。
その渦中にいる時より、過去になったときのほうがとてもその思いが鮮明になりますね。。。
どうか新しい相棒のルイちゃんとたくさんの楽しみを共有されますよう願っております。
追伸
ルイちゃん、ますますかわいくなりましたね！！
蘭丸（らんまる）と言います(^^)
ルイくんに負けず劣らずのワンパク小僧です(*^_^*)
家族みんなこんな小さな子に振り回されて傷だらけですがやっぱりかわいいです♪
らいちゃんが小さな天使をおくってくれたおかげで笑って過ごせる様になりました。
むぎちゃん、一年なんですね！
早いものですね。
らいも亡くなって9ヶ月です。
長い年月を一緒に過ごしていると色んな場面、状況で思い出すこと多いですね。
もういないんだって事がとても寂しく辛くなります。
楽しく思い出話ができるときもあれば、どうしても涙が出てしまう時もあります。
そんな時はらいの写真を見て「心配しなくていいよ」って話しかけてます(^^)
私も、Hiroさんがルイくんと楽しい思い出を作っていくように蘭丸と楽しい思い出たくさん作っていこうと思います。
13年ぶりの子育て・・・カーネーションさんもそうなのですね。
仲間がいると思うと心強いです(*^_^*)
むぎちゃんが旅立ってからもう１年になるのですね。
もう１年・・・「まだ１年」かもしれませんが、Hiroさんとルイちゃんの賑やかで幸せそうな様子を拝見していると、私まで心癒されます。
ルイちゃんの表情が、ここ半年ほどでとても大人びてきたように思いました。表情豊かで、天真爛漫ないたずらっ子のような印象です。時々怪獣の様に見えるわんぱくな写真も、つい笑みがこぼれます。
そして今回の寝顔の写真は、ずっと見ていたいくらい愛らしい！小さな前足が超キュート。コーギーの魅力炸裂といったところでしょうか。
プロフィールのHiroさんとルイちゃんの写真がとても素敵です。この写真を撮られたのは奥様でしょうか？
超ナイスショット！
次回の更新も楽しみにしています。
今週中には必ずご返事しますのでしばしのお時間をいただきたく、お願い申し上げます。
皆様のコメントはいつもありがたく、うれしく読ませていただいております。
ルイにとっては二度目のキャンプですが、この駒出池キャンプ場ははじめてでした。
ルイよりもこちらのほうがナーバスになりそうでしたが、幸いにして従姉夫婦がいてくれたので紛れました。
それでもやっぱりいるべきふたりがいないと妙な気がしました。
今回、ルイが新たな記憶を重ねてくれたので、次回からは落ち着いて過ごすことができると思います。
シェラは花火と雷が苦手だったので、夏のキャンプは、ぼくもこのふたつに神経質になりがちでしたが、いまのところルイは心配ないので落ち着いてキャンプができました。
これから、別のキャンプ場へも出かけるのですが、その度にシェラとむぎのビジョンに振り回されているわけにもいかないので、ルイとの遊びを楽しむようにしたいと思っています。
お気遣いいただき、ありがとうございました。
ご自宅と別荘とでは不在感が違うというご経験、読ませていただきました。
やっぱりそうなんですね。
彼らのいない日常にようやく慣れてきたのに、彼らのいない森にはまだ慣れていなかったことを痛感させられました。
「なんでここにいないんだろう？」と、それが不思議に思えてしまうのですね。
わかりきったことを当たり前に受け入れるのに時間差があるのです。
素朴に感じてしまうだけにいたたまれなくなりそうで、またしても別の喪失感を味わいました。
でも、次にいったときは大丈夫だろうと思います。
長坂から清里へ至る途中ですか。
背後が八ヶ岳、前面に富士山というとおおよそのエリアがわかります。
富士山のみならず、南アルプスの山なみも聳えていたのでしょうね。
ぼくたちも10年余り前に、長坂、小淵沢あたりに山荘を求めて1年間、毎月1～2回通ったものです。白州のあたりもずいぶん探しました。
最後は原村のペンションを買えないかと算段までしたのですが、結局、真冬の美しくも厳しさを目の当たりにして断念しました。
お話をうかがうにつけ、あのとき、山荘を断念しておいてよかったと心から思います。
いまも清里には、4月と11月にキャンプに訪れていますが、一度は辛い思いをするかもしれませんね。
でも、やっぱり素敵な時間を過ごすことができた思い出は生涯の宝物ですよね。
お名前は蘭丸くんですね。
いや～、りりしいお名前です。
きっと、美丈夫のわんこに成長してくれることでしょう。
らいちゃんは亡くなって9か月ですか。
シェラはまだ半年に満たないのに、もう、ずいぶん前のことのように感じています。
それというのもルイのおかげです。
むぎが逝ってしまったのが蒸し暑い陽気の日だったので、いまも似たような朝は神経がピリピリします。
散歩の途中でルイが暑さに荒い呼吸をはじめるとすぐに踵を返してしまいます。
まだ恐怖から解放されていません。
らいちゃんの写真に話しかけておられるのですね。
ぼくも、不意にUSBメモリーやiPhone、iPad、ケータイなどのフォルダーからむぎやシェラの写真が出てくると、思わず話しかけてしまいます。
辛いけど、うれしい時間です。
蘭丸くんの成長ぶり、これからも、ぜひ、教えてくださいね。
やっぱり、ルイはだんだん大人顔になっていますよね。
「おい、おまえ、そんなに急いで成長しなくていいぞ」と、ことあるごとにいっているのですが、ある日、ズンと急に成長を感じることがあります。
とはいえ、やってることはまだまだガキンチョわんこですけどね。
それと、妙に大人っぽい表情を見せるときと、あどけない表情のときとが入れ替わっているのでおかしくなります。
プロフィールの写真は、クルマの運転席で、ぼくがコンパクトカメラを手にして自分で撮ったものです。
クルマの中でのルイの場所はリアシートなのですが、女房が買物などでクルマからいなくなるとルイがぼくのほうへ顔を出します。それを写したのですが、女房は「ルイが怖い顔だから」と評価してくれません。
でも、ぼくは気に入っているので自分のフェイスブックのカバーにまで使っています。
まさに、親バカ、犬バカの典型ですが、「超ナイスショット！」といっていただいて喜んでいます。ありがとうございました。