一艘の船がある突然の嵐に
巻き込まれたときだ。
もうこれは港にも帰れないし、
このまま転覆するしかない
と思った時に、突然現れたある男の人が
急に船の楫をとりはじめたんだそうだ。
そしたら何とか岸までたどり着き
難を逃れたそうだ。
ではあの楫取りをしたやつは誰なんだ
と上陸して去って行こうとする
男の後を追っていくと、
そのひとはこの津照寺に入っていき、
本尊に入っていったそうだ。
あとを追った人間が
本尊に入っていくと、
その本尊にいた地蔵が
海水に濡れてぼとぼとになっていたそうだ。
本尊さんがやってきて
船の楫を撮ってくれたわけですね。
なので、以後この地蔵は
「楫取地蔵」と呼ばれて
信仰を集めたそうだ。
この嵐にあった人というのが、
あの山内一豊だったそうです。
漁民の信仰を集めた話は
もう一つあって、
ここの港が完全に完成するまでには、
じつの多くの人が携わったそうなのだ。
しかし港の入口にある、
でっかい「お釜岩」という
港をふさぐ岩を取り除かないと
港としては完成しないといことがわかり、
それを除かなければ
といろいろとやってみたが
除くことができなかったそうだ。
でかかった岩なんですね。
なのでお釜岩なんですかいね。
そこでゲイバーに通うある技術者が、
じゃなかった
ある大工の技術者が
自分の命と引き換えに
この岩をどけてみると、
やった所、なんとかどけることが
できたのだそうだ。
なのでその人が約束通り自刃したので、
そのお参りをこの寺でやっている
というのもまた信仰を
集めているというお話なんだそうだ。
というわけで、この
25番「津照寺」のお寺の本尊は
楫取地蔵菩薩
まあつまり地蔵菩薩なわけですね。
真言は
「おん かかかび さんまえい そわか」
と唱えましょう。
ここの絵はやはり長い階段と、
その上にある竜宮城のような
鐘楼門にしておきましょう。
やはり階段の絵がかなり面倒だったので、
周りの景色から先に描いてゆき、
最後に階段を描きました。
せっかく書いた景色の絵を
無駄にしたらあかんと、
頑張ってフリーハンドで
描いたのですが、
その辺のちょっとした緊張感が、
まあそれらしく描かしてくれたなあ
と思っています。
しかしこの階段も実際上がるのは大変でしたねえ。
doironはまあ何とか
上がっていくかもしれませんが、
高齢者の人なんかは大変でしたね。
交通安全の神様ですが、
道でへたり込んで地蔵さんに
遭遇するやもしれませんな。
さて、ではあと今回は2寺です。
次はいよいよこの四国お遍路に
回り始めたときに、
ずっと行きたかったお寺です。
24番最御崎寺。
室戸岬の先端にあるお寺で、
空海はこのお寺の近くの
御蔵洞で修行をし、
お経を唱える彼の口に
明星が飛び込んだというところだ。
それまで教海と名乗っていた
18歳の青年僧は、
このお堂から見える景色が
空と海だけだったところから
「空海」という名前にした
というところなのだ。
アコウやビロウなどが生い茂る
南国地で彼は目覚めたわけですね。
この室戸岬にはdoironは
一度来たことがあります。
チビもつれて家族三人で
旅行をしに来ました。
その時に泊まったのは、
日和佐で室戸にはついでに
車で行ってみようと思い
来たところです。
長い海岸線をずっと運転し、
何とかやってきたという
印象があります。
もういまから25年前のことです。
そのころは室戸といえば、
浮かんでくるのは「室戸台風」
くらいでしたかね。
岬の先端にお寺があることなど
まったく気にもならなかったし、
空海が修行をしたという
洞の横も通っているはずなのに
記憶が全然ありません。
まあ空海といっても、
字の上手な人くらいの
印象しかなかったしね。
そんな室戸岬ですから、
今回はきちんとその背景を
理解したうえであの昔の時とは違って、
お寺もしっかり訪ねようと
ずっと思っていたわけです。
つづく