今日は、私にとって、定例の、月に1回の古美術品交換会の日でした。
古美術品交換会の会場は、我が家からは遠く、車で2時間弱かかりますので、朝8時少し過ぎには出発です。
昨日の骨董市では収穫無しでしたので、今日は、若干、期待を込めての出発ではありました(^-^*)
しかし、それほどに期待したほどの古伊万里は登場してきませんでしたが、それでも、1点だけ、まぁまぁ、満足出来るものを競り落としてきました。それは、次のようなものです。
染錦 鳳凰・花籠文 大皿
表面
とりたてて珍しいとか、優品とかというわけのものではなく、ごくありふれたものです。
江戸時代に盛んにヨーロッパに輸出され、最近、日本に持ち帰られた、いわゆる「里帰り伊万里」というやつですね。
ただ、この「里帰り伊万里」、やや厚作りで、手取りが少々重く、シャープさというか、鋭さを感じさせません(~_~;) おそらく、輸出全盛期を過ぎた頃に作られた、粗製乱造品というところでしょうか、、、。
中国・景徳鎮の輸出が復調してきたことに伴い、伊万里は、価格競争に直面するわけですね。それに対抗するためにコストダウンを図って対処したわけで、その頃に作られたものなのでしょう。
表面の上半分の拡大写真
表面の右半分の拡大写真
表面の下半分の拡大写真
表面の左半分の拡大写真
側面
歪みも少なく作られており、焼造技術はしっかりとしていたことをうかがわせます。
裏面
裏面は無文で、目跡が5つあります。
裏面には何も描かず、その分、手間を省き、コストダウンを図ったことがうかがえます。
生 産 地 : 肥前・有田
製作年代: 江戸時代中期
サ イ ズ : 口径27.2cm 高さ4.0cm 底径14.9cm
追 記(令和5年11月22日)
当ブログでも、この文様によく似た文様が描いてある大皿を、既に、2021年1月21日に紹介しています。それは「染錦 鳳凰花籠文 大皿」です。
この大皿と2021年1月21日に紹介しました大皿とを比較してみますと、2021年1月21日に紹介しました大皿の方が、造形もしっかりし、文様の描き方も丁寧で、裏面にも文様が描かれたりしていて、上手であることが分ります。
そうしてみますと、2021年1月21日に紹介しました大皿は、高く売れたため、手抜きなく、一生懸命に作っていた輸出全盛期頃に作られた皿であるように思わるわけですね。
それに比し、この大皿は、あまり儲からなくなってきたため、かなり手抜きして作られるようになってから作られたもののように思われるわけです。その意味でも、この大皿は、2021年1月21日に紹介しました大皿よりは遅く作られたものなのではないかと思っているわけです。
そのようなことにも思いをいたして、両大皿を対比してご覧いただければ幸いです。