Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

骨董市

2024年12月15日 21時34分07秒 | 骨董市など

 今日は、私にとって、月に一度の、定例の骨董市の日でした。

 流石に、12月も中旬ともなりましたので寒くなりました(><)

 それで、なかなか出発する気になれず、やっと、朝8時半頃になって出発です。

 寒くなったせいもあってか、出店者数は何時もよりも少なく、また、来客数も何時もよりも少なかったようです。

 そして、何よりも、展示されている品物ですが、相変わらずのガラクタのようなものが多く、私の狙っている古伊万里などほとんど見かけません。

 それでも、せっかく寒い中を押して来たことでもありますので、何かないかな~と探していましたら、江戸後期のまぁまぁな小皿(伊万里 染付 捻り文 小皿)に目が留まりました。そこで、「これ幾らですか?」と聞きましたら、「お客さん、これには疵があるんですよ!」との返答です。

 でも、ちょっと見には疵が分からないほどなんですよね。よ~く見ますと、全体に貫入が多く入り、中には何本かニューになっているところが見られるんです。それで、「このニューが疵ですか」と聞きましたら、「そうです」との回答でした。

 私が、「これくらいの疵なら、疵があってもいいですよ。幾らですか」と聞きましたら、「300円です」とのこと、、、。

 この程度の疵物が300円ならば安いと思いましたので、さっそく購入した次第です。

 その疵物の小皿というものは次にようなものです。

 

 

伊万里 染付 捻り文 小皿

 

表面

 

 

 中央から少し上の部分の拡大

摺り疵があります。店主は、この摺り疵も疵に含ませていたのかもしれません?

 

 

左側斜め上方の口縁周辺の拡大

貫入やニューが見られます。

 

 

左側斜め下方の口縁周辺の拡大

貫入やニューが見られます。

 

 

右側斜め上方の口縁周辺の拡大

貫入が見られます。

 

 

右側中央付近部の口縁周辺の拡大

貫入が見られます。

 

 

下方部の口縁周辺の拡大

貫入が見られます。

 

 

側面

 

 

裏面

高台内銘:元

 

 

裏面左側部の拡大

貫入や裏面にまで達しているニュー(写真の中央部)が見られます。

 

 

裏面右側部の拡大

貫入や裏面にまで達しているニュー(写真の中央部)が見られます。

 

 

斜め上方から見た裏面

高台内銘:元

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 江戸時代後期(1800~1840年代)

佐賀県立九州陶磁文化館発行の「柴田コレクションⅣ」の「論考」に依れば、高台内銘の「元」は、1800~1840年代に使用されたとされています。

サ イ ズ : 口径14.0cm 高さ3.8cm 底径7.8cm

 

 

 なお、この小皿は、ちょっと汚れが酷かったものですから、漂白剤の中に3時間ほど漬けておきました。その結果、それほど綺麗にはならず、ニューに入り込んだ汚れまでは消えませんでした。結果的に、この小皿の疵らしい疵は、裏面にまで達した2本のニューだったようです。

 次に、漂白後のこの小皿の写真を次に紹介いたします。

 

伊万里 染付 捻り文 小皿(漂白後)

 

表面

 

 

中央から少し上の部分の拡大

摺り疵があります。店主は、この摺り疵も疵に含ませていたのかもしれません?

 

 

左側斜め上方の口縁周辺の拡大

貫入やニューが見られます。

貫入やニューの汚れが少しは薄まったでしょうか。

 

 

左側斜め下方の口縁周辺の拡大

貫入やニューが見られます。

貫入やニューの汚れが少しは薄まったでしょうか。

 

 

右側斜め上方の口縁周辺の拡大

貫入が見られます。

貫入の汚れが少しは薄まったでしょうか。

 

 

右側中央付近部の口縁周辺の拡大

貫入が見られます。

貫入の汚れが少しは薄まったでしょうか。

 

 

下方部の口縁周辺の拡大

貫入が見られます。

貫入の汚れが少しは薄まったでしょうか。

 

 

側面

 

 

裏面

高台内銘:元

 

 

裏面左側部の拡大

貫入や裏面にまで達しているニュー(写真の中央部)が見られます。

貫入やニューの汚れが少しは薄まったでしょうか。

 

 

裏面右側部の拡大

貫入や裏面にまで達しているニュー(写真の中央部)が見られます。

貫入やニューの汚れが少しは薄まったでしょうか。

 

 

斜め上方から見た裏面

高台内銘:元

貫入の汚れが少しは薄まったでしょうか。

 

 


 次に、上の小皿を新聞紙に包んでもらっている間に、その辺を眺めていましたら、もう1点、江戸後期のまぁまぁな小皿(くらわん手 染付 萩唐草文 輪花形小皿)に目が留まりました。

 どうせなら、安いならば、これもついでに買って帰ろうかなと思い、「これ幾らですか?」と聞いてみましたら、「2,000円です」ということでしたので、ついでに買って連れ帰りました。

 その「くらわんか手」の小皿というものは、次のようなものです。

 

 

くらわん手 染付 萩唐草文 輪花形小皿

 

表面

値段を記したような古いラベルが貼ってありました。

 

 

古いラベル部の拡大

「¥6000」と書かれているように見えます?

 

 以前は、この手のものも「古伊万里」とされていましたが、現在は、研究が進み、波佐見諸窯で作られた「くらわんか手」とされ、「古伊万里」よりは安くなっています。

 これが「古伊万里」とされていた頃に貼られたラベルなのでしょう。その頃は、結構な値段で売られていましたから、多分、この小皿は、以前は「6,000円」で売られていたのだろうと思います。

 今は、古伊万里全般の値段が安くなってしまいましたし、ましてや、この「くらわん手」は更に安くなったわけですけれど、「まっ、2,000円なら、いいか!」と思って買ったわけです。

 

 

側面

 

 

裏面

高台内銘:一重角渦福

 

 

斜め上方から見た裏面

高台内銘:一重角渦福

 

生 産 地 : 肥前・波佐見諸窯

製作年代: 江戸時代後期

サ イ ズ : 口径13.9cm 高さ4.2cm 底径7.5cm

 

 

 なお、この小皿も汚れが酷かったものですから、これも、ついでに、上記の「伊万里 染付 捻り文 小皿」と一緒に、3時間ほど、漂白剤の中に漬けておきました。

 それほど綺麗にはなりませんでしたが、漂白後のこの小皿の写真は次のとおりです。

 

 

くらわん手 染付 萩唐草文 輪花形小皿(漂白後)

 

表面

古いラベルは剥がれました。

 

 

側面

 

 

裏面

高台内銘:一重角渦福

 

 

斜め上方から見た裏面

高台内銘:一重角渦福

 

 

付記 : この「くらわんか手 染付 萩唐草文 輪花形小皿」は、分厚く作られ、手取りもズシリと重く、頑丈そのものに作られていますから、投げ捨てられても割れないような作りなものですので、当然無疵のものとばかりに思い込んでいました。

 そして、それは、漂白後まで、そのように思っていました。ところが、こうしてブログを書いている段階になって初めて、この小皿には疵なあることに気付いたのです(><)

 口縁の一部にソゲ疵があり、そこを銀で補修されていたのです。その部分は、テッキリ、呉須が垂れた痕だとばかりに思いこんでいたのです(><)

 疵物だったなら、2,000円は高かったのかな~と反省しております。

 まっ、もっとも、金額的に嘆き悲しむほどのことではないのですが(笑)、ここに至るまで発見出来なかった、自分の視力の低下と注意力の散漫さに嘆き悲しんでいるわけです(><)

 

銀繕いされた、口縁の一部にソゲ疵