日本の法人税は高いのか?(続き)

2010-12-21 22:58:57 | 雑感
日本の法人税は確かに高い、しかし社会保険料も含めた負担額で見れば日本は決して高いわけではありません。このへんのところはこのブログの2~3回前の「日本の法人税は高いのか?」をご覧ください。

次に考えたいのはそれではいま大企業の皆さんは、その高い税率をきちんと負担していらっしゃるのでしょうか。実は様々な大企業優遇税制によって実際の税負担率は10%近く低くなっているのです。下記の表をご覧ください。(出展は孫引きで恐縮ですが日本大学名誉教授北野弘久氏、税制研究者谷山治雄氏編著「日本税制の総点検」(勁草書房)です。)



これで見ると実際に支払っている実効税率はトヨタ30.5%、ホンダ32.1%、三菱商事20.1%、三井物産11.4%となり格段に低くなっています。要因は試験研究費、外国税額控除、③受取配当金不算入だそうです。



その他の企業の実効税率は上記の通りです。企業の有価証券報告書から計算すると日本の大企業で経常利益上位100社の平均実行税率は30.7%だそうです。表面税率40.69%から10%も低いことになります。

こうして見ると常識と言われていることもよくよく眉につばをつけてみる必要がありそうです。それにしても高い高いといいつつ、ちゃっかりと軽減税率の適用を受けているとは財界人もなかなかにしたたかですね。その財界人の言い分をまともに受けて、法人税率5%削減に踏み切った菅首相という人はふところの深い大物なのか、それとも単なるお人よしなのか・・・。

それとも下げなければならない特別の事情でもあるのか・・・。そういえば最近これまで禁止してきた企業献金が解禁されています。何か関係でもあるのでしょうか・・・。

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