梅雨明けの朝に,突然の来訪者が。。。

2010年07月17日 | サトヤマ,サトヤマ


 本日午後,「梅雨明けしたとみられる」という,例のもってまわった言い方での気象庁発表があった。そりゃ,朝からピーカンの空模様だもの,ここはひとつ,「梅雨明けしました!」とキッパリ断言して下さった方がよっぽど気持ちよく夏を迎えられたのに,と思ったのは私だけではあるまい。それはともかく,今年の梅雨は入りが遅くて明けが早いという,何とも物足りないシーズンであり,私的にはやや不完全燃焼気味でありました。このような状況を指して,これも地球温暖化の影響か?なんて,どこぞのマヌケなTVコメンテーターが得意顔でノタマウような気もするが,ウソウソ,んなことあるわけない。それを言うなら,こういった日本的気候風土にトコトン馴染まない,限りなくオロカなる現政権のもたらした レ・マランタンデュ・ポリティーク(政治的カンチガイ)の影響による,とでも断じておいた方がよっぽど気が利いている。例えば高速道路無料化社会実験などという唾棄すべき愚策! かくのごとき風土破壊が徒に続けられる限り,このような気象不順は今後もしばしば発生するだろう。 ま,世のなか思い通りにはゆかないものでありまして。。。

 んで,今朝のことである。仕事場の雨戸を開けると,まぶしい朝の光とともに窓の外から突然の闖入者があった。ミヤマアカネSympetrum pedemontanum elatumクン(あるいはチャン?)の来訪だ。あら,オハヨウ。いきなり何ですか? そんなに外がアジーのかい? その場で邪険に追い払うのもなんだから,取りあえずこんな粗末な所で宜しければドーゾ,と室内に招き入れた。

 羽化してからまださほど経過していないと思われる未熟個体で,その動きは緩慢,書架の一隅にへばりついてじっと羽根を止めていたり(なぜか『北米産淡水動物モノグラフ・シリーズ』関係のところが気に入ったようだ。その書物が発する独特の“匂い”のせいかも知れない),あるいは,実体顕微鏡の裏側にちょいと隠れてみたり(洗瓶に入ったフォルマリンには気をつけるように!),しばらくは好き勝手に休んだり遊んだりしていた。 ああ,キミも夜更かしの朝寝坊組なのかい?

 ちなみに,本県においては,ミヤマアカネは「準絶滅危惧種」に該当するとのことだ。『神奈川県レッドデータ生物調査報告書2006』には,次のように記載されている。
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 県内では減少傾向にある種で,県東部では特に少ない。湘南では産地が局限されて稀となったほか,三浦半島では現在確実に絶滅。相模川河川敷では,1990年代前半までは個体密度が高かったが,現在はかなり減少している。移動分散能力はあるようだが,全県的には今後の減少が危惧される。
 山地から丘陵地・平野部の,谷戸湿田,河川敷の水溜まり,細流,湿地などに生息するが,湿田の乾田化や廃田に伴う乾燥化,人工的な開発に伴っての湿地,水深の浅い池沼などの消失が進んでいる。河川敷に点在する水溜まりなども,乾燥化あるいは荒地化が進行し,本種の生息域がますます狭まっているようである。
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 さて,実際のところはどうなんだろうか? 当方,トンボ類についてはほとんど無知にひとしく,ミヤマアカネ成虫の分布・生態等についてもまったく不案内である(幼虫限定,ということであれば多少の知識はあるのダケレドモ)。ただ,少なくとも当盆地内では,今のところ本種はごく普通に見られ,そう珍しいものではないように思う。拙宅の周辺でも,例えば東田原の実朝御首塚付近の田圃道だとか,あるいは菩提から横野にかけての唐沢川沿いなどを自転車で走るときなどによく見掛ける。さすがに,今朝のように家の中にまで入り込まれたのは初めてでありますが。

 ところで,当のミヤマアカネ君だが,いつまでも仕事場のなかで自由に遊ばせておくわけにもゆかないので,いったん無理矢理身柄を確保したのち,PCのキーボードの上にそっと置いて記念写真なんぞを撮影し,それから速やかに窓外に帰した。

 サヨ~ナラ~。元気で一夏を過ごしなさいネ~。うんと遊んで,うんと子供を作って下さいネ~。ニンゲン世界が勝手に付けた「貴重種」などという不純なレッテルなんか,ゼンゼン気にしなくていいからネ~!


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