今日び 新聞,テレビ,インターネットなどの情報発信メディアにおける旬のニュース・ネタとしては,ほぼ全国的に「クマが各地に出没」とか「クマ駆除の是非」とかに関する話題でもちきりの様子である。その論調は,とにもかくにも人命第一であるからして里に下りたクマは即刻殺処分せよ! デモ,それじゃあクマがあまりにも可哀相だ。 害獣と人とどちらが大事なのか! デモデモ,何とかヒトとケモノが共存できる道はないものだろうか? ウーン,それはかなり難しいゾ。 そもそも今年は猛暑の影響があってドウノコウノ。 それにより餌不足がナンタラカンタラ。 いずれにしても適切な防除対策を講じることが喫緊の課題である! トカナントカ,毎度々々の不毛な議論の繰り返しだ。
当地では今週,蓑毛の運動公園付近に出没したそうだ。ヤビツ峠に向かう県道70号の青年橋バス停から西に200mほど入ったところで,そのあたりの裏道は私が自転車でよく徘徊するエリアである。昼間だけでなく,時には夕方から夜にかけての時間帯にも通り過ぎる。たまにシカやサルと遭遇したりもするがクマ出没の話はこれまでに聞いたことがなかった。ただし,相州大山方面から南に延びる尾根筋を毎年々々往来するクマさんたち(いわゆる尾根系個体群)が,たまたま水場を求めて金目川の沢筋へと寄り道したとしても決して不思議ではないものと思われる。拙宅から直線距離にして約3km。付近にはウチの子供らの小・中学校のときの同級生たちも幾人か住まっているように聞いている。彼らおよびその御家族の困惑と不安はいかばかりであろうか,心中お察し申し上げます。
んなわけで,昨今では私ごとき者さえもクマ出没に対する意見を求められたりするわけだが,正直なところクマについて何かを発言するのは気が進まない。というか,既にして少々ウンザリしている。
そもそも今の世の中は自然的・人為的なさまざまな危険に満ち満ちている。なんて,いきなり大風呂敷を広げてもマズイので,話を我らが里地における「野生動物による危機」に限定するとしても,例えばスズメバチの攻撃,マムシの攻撃,イノシシの攻撃,野犬の攻撃,ヤマビルの攻撃,チャドクガの攻撃,ツツガムシの攻撃などなど,ナチュラル・リスクは枚挙にいとまがない。それらの一項にクマの攻撃が加わったからといって,即座にワラワラワラと慌てふためき,ヤイノヤイノと騒ぎ立てるってのもどうかと思う。クマは巨大で凶暴だって? そりゃ,そこらの山中をシャカシャカと駆け回る野犬に比べりゃちっとは大きいかも知らんが,そこらの山道をブイブイ走り抜けるクルマ,特に大型ダンプなどに比べればごくごく小さな体躯(ボディー)ではないか。凶暴性についても,スズメバチのある意味理不尽なまでの攻撃力に比べればそれほど大騒ぎするものではない,と,これは過去の自らの乏しい経験から承知している。しかしながら,軽薄なマスコミ・ジャーナリズム連中,はたまた脳天気な電網情報依存症候群諸氏(2chねらーの類)などは,クマの危険性,剣呑性,邪悪性をことさら声高に叫び,クマに対する恐怖心をいたずらに煽り,結果としてクマさん駆除に積極的に加担しているわけだ。その一方で,クルマによる被害,特にクルマの駆除については相も変わらず知らぬ存ぜずを決め込んでいるデハナイカ! 実にバカバカしい。
何度でも言うぞ。クマに襲われた事故による年間死者数は限りなくゼロに近い。それに対してクルマに襲われた事故による年間死者数は1万人にも及ぶのだ(総務省統計では5,000人前後ということらしいが,私自身はその数値は採用しない,というか信用していない)。まして,重軽傷を含む数となったら,まさに一億総クルマ被害者となるのではないか(実は私自身,今年だけで2度も交通事故に巻き込まれている)。クマの被害とクルマの被害,まさに雲泥の差である。
改めて想起するがよい。われわれが日々暮らす町中の生活道路をひっきりなしに走り抜けている四輪車は,馬車や牛車のごとき穏やかで呑気なドメスチック・ヴィークルではない。鋼鉄の鎧をまとい,複雑怪奇な電子制御部品を内蔵し,時に限りなく冷酷で凶暴なモンスターへと瞬時に変身するメカニカル・ヴィークルなのである。そして,ドライバーはメカニズムと完全に一体化している。いや,むしろ隷属しているといった方がよろしいか。 普段道を歩いていて,ケータイ片手に馬鹿笑いしながらクルマを駆っている輩とすれ違うとき,君は恐怖を感じないか? クマの行動生態を畏怖し,非難し,余計な茶々を入れる前に,その千万倍を超える数のクルマの行動生態をこそ,スベカラク恐れ,嫌悪し,非難すべきなのだ。
(あーあ,結局またそんな話かよ,と申すなかれ。畢竟これが私の《巡礼の道》なのでありますからして。。。)
当地では今週,蓑毛の運動公園付近に出没したそうだ。ヤビツ峠に向かう県道70号の青年橋バス停から西に200mほど入ったところで,そのあたりの裏道は私が自転車でよく徘徊するエリアである。昼間だけでなく,時には夕方から夜にかけての時間帯にも通り過ぎる。たまにシカやサルと遭遇したりもするがクマ出没の話はこれまでに聞いたことがなかった。ただし,相州大山方面から南に延びる尾根筋を毎年々々往来するクマさんたち(いわゆる尾根系個体群)が,たまたま水場を求めて金目川の沢筋へと寄り道したとしても決して不思議ではないものと思われる。拙宅から直線距離にして約3km。付近にはウチの子供らの小・中学校のときの同級生たちも幾人か住まっているように聞いている。彼らおよびその御家族の困惑と不安はいかばかりであろうか,心中お察し申し上げます。
んなわけで,昨今では私ごとき者さえもクマ出没に対する意見を求められたりするわけだが,正直なところクマについて何かを発言するのは気が進まない。というか,既にして少々ウンザリしている。
そもそも今の世の中は自然的・人為的なさまざまな危険に満ち満ちている。なんて,いきなり大風呂敷を広げてもマズイので,話を我らが里地における「野生動物による危機」に限定するとしても,例えばスズメバチの攻撃,マムシの攻撃,イノシシの攻撃,野犬の攻撃,ヤマビルの攻撃,チャドクガの攻撃,ツツガムシの攻撃などなど,ナチュラル・リスクは枚挙にいとまがない。それらの一項にクマの攻撃が加わったからといって,即座にワラワラワラと慌てふためき,ヤイノヤイノと騒ぎ立てるってのもどうかと思う。クマは巨大で凶暴だって? そりゃ,そこらの山中をシャカシャカと駆け回る野犬に比べりゃちっとは大きいかも知らんが,そこらの山道をブイブイ走り抜けるクルマ,特に大型ダンプなどに比べればごくごく小さな体躯(ボディー)ではないか。凶暴性についても,スズメバチのある意味理不尽なまでの攻撃力に比べればそれほど大騒ぎするものではない,と,これは過去の自らの乏しい経験から承知している。しかしながら,軽薄なマスコミ・ジャーナリズム連中,はたまた脳天気な電網情報依存症候群諸氏(2chねらーの類)などは,クマの危険性,剣呑性,邪悪性をことさら声高に叫び,クマに対する恐怖心をいたずらに煽り,結果としてクマさん駆除に積極的に加担しているわけだ。その一方で,クルマによる被害,特にクルマの駆除については相も変わらず知らぬ存ぜずを決め込んでいるデハナイカ! 実にバカバカしい。
何度でも言うぞ。クマに襲われた事故による年間死者数は限りなくゼロに近い。それに対してクルマに襲われた事故による年間死者数は1万人にも及ぶのだ(総務省統計では5,000人前後ということらしいが,私自身はその数値は採用しない,というか信用していない)。まして,重軽傷を含む数となったら,まさに一億総クルマ被害者となるのではないか(実は私自身,今年だけで2度も交通事故に巻き込まれている)。クマの被害とクルマの被害,まさに雲泥の差である。
改めて想起するがよい。われわれが日々暮らす町中の生活道路をひっきりなしに走り抜けている四輪車は,馬車や牛車のごとき穏やかで呑気なドメスチック・ヴィークルではない。鋼鉄の鎧をまとい,複雑怪奇な電子制御部品を内蔵し,時に限りなく冷酷で凶暴なモンスターへと瞬時に変身するメカニカル・ヴィークルなのである。そして,ドライバーはメカニズムと完全に一体化している。いや,むしろ隷属しているといった方がよろしいか。 普段道を歩いていて,ケータイ片手に馬鹿笑いしながらクルマを駆っている輩とすれ違うとき,君は恐怖を感じないか? クマの行動生態を畏怖し,非難し,余計な茶々を入れる前に,その千万倍を超える数のクルマの行動生態をこそ,スベカラク恐れ,嫌悪し,非難すべきなのだ。
(あーあ,結局またそんな話かよ,と申すなかれ。畢竟これが私の《巡礼の道》なのでありますからして。。。)