《昨日,ナガヌキで》 ふたたび

2013年09月03日 | 自転車ぐらし
 しつこいようだが《ナガヌキ・ネタ》を再度書き記しておく。昨日の午後にも国道246号の名古木交差点を自転車で通過したわけであるが,その際,ちょうど多重追突事故の現場に遭遇した。状況からして ほんの数分前に衝突したての「ホヤホヤ」といった感じだった。新善波トンネル方面へと向かう246号上り車線でのことで,先頭は大型トレーラー,その後部にぶつかったのが小型ライトバン,さらにその後に乗用車が2台追突と,合計4台のクルマが関係する玉突き事故だった。最初に追突したライトバンはフロント部分がグシャッと無惨に潰れていた。もしそのクルマがワンボックス・バンだったら大層な人身事故になっていただろう。不幸中の幸いといったところか。

 事故当事者のドライバーや同乗者らしきが数名,クルマから降りて脇の舗道に集まっていた。ある者は困ったような,ある者は苦虫を噛み潰したような,またある者は呆けたような顔つきで,その場に立ちすくんでいたり,お互い何か言葉を交わしたり,あるいは携帯でどこかに電話したりしていた。それとは別に,路傍の端にしゃがみ込んでグッタリしている者もいたが,外見上はさほど重大な怪我を負ったようには見えなかった。当然,警察・消防には携帯電話で連絡済みなのだろうが,遠くからこちらに向かうサイレン音はまだ聞こえてこなかった。それぞれの署からここまではせいぜい3kmほどの距離だと思うが,その時間帯は市内の別の場所でも取り込んでいたのかな?

 それにしても イヤな光景である。一見して気持ちが萎え胸くそが悪くなるようなシーンである。通りすがりの一傍観者としては,あえて事態をあまり深刻に考えたりせずに,取りあえずはTVドラマのように,御芝居のようにComme au théâtre! 受け取っておいて『他山の石』とする,といった程度でよいのかも知れない。例えば,ドリフのコントみたいな漫画的情景,行列の先頭がいかりや長介で,そのすぐ後ろに高木ブーがぶつかり,次に加藤茶,さらに志村けんがオチャラケ風にぶつかる。仲本工事は運動神経がいいのでかろうじて追突は免れた。あれ,荒井注は? ハイ,彼はとっくに御陀仏しましたのでアシカラズ。。。そんな感じかな。駄言はさておき,そもそも行為は結果の要因なのであるからして,責任能力を有する自由な行為によって引き起こされた結果は何人たりとも甘受せざるを得まい。現実世界は残念ながら御芝居ではない。シアワセは常にフシアワセを内包している。悲劇はしばしば喜劇的である。

 もっとも,実際問題として この程度の「軽い」事故なんぞは現代ニッポン・クルマ社会におけるデフォルト,日常茶飯事なのだろう。例えば神奈川県内に限った交通事故統計などをネット検索して調べてみると,今年7月の1ヶ月間だけで計2,968件の交通事故が発生し,死者が15人,負傷者は重傷102人,軽傷3,454人となっている。これが年間になると,昨年(2012年)1年間のデータで,事故件数37,049件,死者数179人,負傷者数44,135人ということだ(以上,神奈川県警資料による)。面積約2,400km2,人口約900万人の狭小過密なこの神奈川県において,毎日々々100件以上もの交通事故が起こり,120人あまりが負傷している。当然ながら,統計データには計上されない,すなわち警察沙汰にならぬよう内々に処理された事故も決して少なくないであろうから,実際には毎日数100件におよぶ大小の交通事故が発生しているものと想像される。

 この事故件数を,さて,多いとみるか,あるいは少ないとみるか? 私個人としては,これは非常に少ない数だと感じる。歩行者として日々町を歩き,あるいは自転車に乗って日々町なかを走り回っていると,ホラ,そこでも,アラ,あっちでも,事故にならないのがまったく不思議なくらいの,クルマという一種邪悪な高速移動装置によって引き起こされる いわゆる『ヒヤリ・ハット』シーンが実に数多く目撃されることに驚く。上記統計の5倍,10倍,いや100倍の交通事故が起こっていても決しておかしくないと思う。それほどまでに,町中をひっきりなしにビュンビュンシャカシャカ動き回っているクルマというのは危険な存在である。より正確な言い方をすれば,95パーセント(=ほとんど全て)のクルマの「運転作法」が危険の極みなのだ。呆れるほどに,実にイイカゲンに「刃物」を扱っている。それは別の例えで申せば リボルバー弾倉の多いロシアン・ルーレットをやっているようなもので,たまたまのラッキーが続いてはいるものの,ついつい油断していると,ある日突然アンラッキーの弾にぶち当たってしまうというわけだ。いつかどこかで「油断大敵・火がボーボー」というか「注意一秒・怪我一生」となる危険性をはらんでいるわけだ。さよう,交通弱者の側からすれば,この町は絶えず銃弾が飛び交う戦場なのだ(これは何度でも言うぞ)。それも敵の在処は決して前方だけではない,右から左から,そして後方からも不意打ちのように襲ってくる。弾に当たらないのは,まさに神の恩寵としかいいようがない。そういうシンドイ世界に私たちは日々暮らしているのである。戦争終結の見込みは,少なくとも私が生きているあいだは,まずは望めそうにもない。。。

 話が例によって老人戯言(ジジーのタワゴト)に入り込んでしまったようなので今いちど名古木交差点の話題に戻すと,とにかくこの交差点は以前からとても事故の多い場所なのだ。当盆地内でも指折りの「剣呑ポイント」といってよいだろう。それは主として国道246号の道路動線および勾配のせいによるものと思われ,上り車線も下り車線も,クルマにとってはスピードの出やすい,出したくなる,そして信号なんかで止まりたくない,さっさと通り過ぎたい場所のようだ。その結果,ちょくちょく事故が起こる。だいたいが今回のようにクルマ対クルマの事故なのだが,歩行者およびママチャリ自転車などにとっても決して他人事ではない。横断歩道の手前に立って信号待ちをしているときなどは「巻き込まれ事故」に遭わぬよう,自らの立ち位置には十分気をつけ,加えて,往来するクルマの動向を絶えず注意深く見守っていなければならない(ちょうど戦場における歩哨兵のように)。さらに,青信号になって横断歩道を渡るときにも注意が必要である。特にアブナイのが246号に沿った横断歩道を下り方面に向かって渡るときだ。下りで左折するクルマのなかには,少し手前にある左折専用車線を通るのを嫌って交差点の信号まで進んでから左折するものが結構いるのだが,その際,十分な減速をせず,かつ歩行者などをロクロク確認もしないで急にヒョイと左折するバカ・グルマが大変に多い。まさに『ヒヤリ・ハット』の大盤振る舞いなのだ。私自身,特に夕暮れ時から夜にかけての時間帯などに,あ,アブナイ!と感じる場面をそこで何度も目撃している。そのようなバカタレ・グルマは,だいたいオバサン(若いオバサン,年配オバサン,各種取り混ぜ)が運転していることが多いように見えるが,私の気のせいだろうか? 夕方で帰りを急いでる,って,んなこたぁゼンゼン理由になりません。真性キチガイになりたくなかったら,ホレ,今一度教習所へ行き直すんだ!

 この手の話をすると どうも度々コトバが乱れてしまってイケナイ。ともあれ,神奈川県警におかれては,もし道路交通における歩行者の安全ということを本気で考えているのであれば,名古木交差点における安全確保の方策をこそ当地の最優先課題とすべきだろう。そういえば,同地点からほんの500mほど西にある国道246号カインズ・ホーム前のT字路で「右折禁止ネズミ取り」をやっているのをしばしば見掛けるが,そんなノルマ稼ぎの下らん出動はいいかげん止めにして,それらの交通警察官を名古木交差点の方に回し,とくに夕方の時間帯などは常駐配置させてバカ・グルマを厳しく取り締まっていただきたい。反則切符(交差点安全進行義務違反/横断歩行者等妨害等違反)をバンバン切っていただきたい。クロイワ某は何をしておる!
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